ダイデスハイムとフォルスト | 緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~

ダイデスハイムとフォルスト

ドクター・ビュルクリン・ヴォルフ醸造所の2022年産オルツヴァイン(村名)、ダイデスハイムとフォルスト。

前年産とはまったく違う珍しい2本が手に入ったので、ここぞとばかりにブラインド・テイスティングのお稽古を。

 

 

スクリューキャップを捻って各々をグラスに注ぐ...まず1本目。

 

やや黄色がかったレモンイエローで僅かに濃いめの色調。グラス底に非常に細かい気泡が疎らに付着。

香りのトップは蜂蜜で、熟したアプリコットやリンゴ系の果実香に仄かにフローラルなニュアンス。

スワーリングするとパイナップルの香りも出現。
肉厚で濃厚な果実味に比べると酸は穏やかに感じる。中盤以降は苦汁系のミネラリッシュな収斂味が目立つ。

ミネラル味の質感は相対的に重く、土壌の重さや玄武岩比率の高さを感じさせる。フォルストの方だろう。

 

2022 Forst Riesling Qualitaetswein trocken  

Weingut Dr. Buerklin-Wolf (Wachenheim/Pfalz)  
A P Nr 5 142 043 20 23,Alc 12%vol  

「イェズイーテンガルテンの畑の若い区画から。残糖1.6g/l、酸量5.5g/l。

石灰岩質の泥灰岩、砂岩、火山性の玄武岩がここの畑の地質学的基礎を形成している」 のだそうな。

 

開栓2日目。肉厚な果実味に苦汁系のミネラル味が映える。

開栓3日目。相変わらずの蜂蜜感。ミネラル感はやや引っ込んで、若干親しみ易く変化。

開栓9日目はフローラルな風味が明瞭。86/100

(過去のヴィンテージ→2013年産

*

 

2022 Deidesheim Riesling Qualitaetswein trocken  

Weingut Dr. Buerklin-Wolf (Wachenheim/Pfalz)  
A P Nr 5 142 043 19 23,Alc 12%vol  

 

こちらもやや黄色がかったレモンイエローだが相対的に僅かに薄めの色合い。

ややナッティーなニュアンスのマンゴー系の果実香に黄桃のニュアンス。

この生産者でこれほどまでにピュアな果実香は最近珍しい。

 

香りに反して果実味は相対的にスマートで、そのせいか酸が良く伸びてシャープな味わい。

粉っぽいミネラリッシュな余韻が舌の上に残る。

相対的にフラットなミネラル感は、土壌の軽さor標高の高さor北の産地を感じさせると同時に

収束性の酸は土壌中の石灰比率の高さを推測させる。ダイデスハイムの方。残糖0.8g/l、酸量6.5g/l。

 

開栓2日目。シャープな酸は健在だが、ミネラル感が前に出て噛み応えのある味わい。

開栓3日目。粉っぽいミネラル感、エレガントな酸と果実味の調和が見事。

開栓9日目。シャープでミネラリッシュな味わい。86/100


「ダイデスハイムのGC畑のプレハーベストと、これらの畑の若い区画から。

モイスヘーレとヘアゴットザッカーの畑の葡萄もこの村名ワインには使われている」 とのこと。