新聞に編集人の「白髪」についての記述があった。
大学時代、先輩に「ロマンスグレー」と讃えられただけ、
いよいよ白髪の時代が来たか、と興味を引いた。

米国では最近、若者の間で髪を白く染めるのがトレンドらしい。
白髪は老いの証左ではなく、成熟した深みのある大人とという、
魅力的なイメージに変化しつつあるというものだ。

その記述のなかで、かの中国の詩仙・李白の詩が紹介されていた。「白髪三千丈/愁いに縁りてかくの似く長し」と。李白晩年の追放・流罪といった苦境をものがたるものだ。白髪の三千丈の長さは、その労苦の象徴といえる。

つまり「成熟した深み」は労苦を越えてきた証であり、それを魅力とするのはよいことだと思うが、「なんちゃって労苦」では…。ということで、三千丈とはいわないが私も髪を伸ばしてみようかと…。
どこかで聞いたことがあるような、ダヴィンチが記した童話。

 火打ち石に、いきなり頭を叩かれて、石はかんかんに 怒ってしまった。けれど火打ち石は、 にっこり笑っていいました。
「がまん、がまん。がまんが大切。これががまんできたら、わたしは、あなたの身体から、すばらしいものを引き出してあげますよ」
そう言われて石は、機嫌をなおし、叩かれるのをじっとがまんした。すると、身体からきれいな火が、ぱっと生まれたのです

 これだけ読むと何か釈然としないところもある。火はもともと身の内にあったもので、叩かれなくても出たんじゃないかと。(笑)ただ、そんな真実もあるかもしれないが、得てして人は叩かれて真価を発揮する不思議な生きものである。
 父の言葉でなぜかはっきりと記憶に留めているのは、この“がんまん”の美徳を歌う「ならぬ堪忍するが堪忍」とのことわざ。「忍辱鎧を着る」ともいうが、忍辱とは苦難が過ぎるのを静かに待つことではなく、意志をもって乗り越える心の内なる闘争であり、
鍛えの溶鉱炉ともいえるときであろう。
 そこにしか、人としての真の成長はないといえば言い過ぎであろうか。忍辱の身体から生まれるきれいな火は、多くの人を温かく明るくつつむ光りを発するに違いない。
第17回ジェイサロン

 “小事”から“大事”へと、ときは大きく動き始めました。「大事には小瑞なし」といい、大車輪の動き始めは非常にゆっくりで、周りへの抵抗も大きい。“とき”といっても、それを告げるものは人であって、新たな息吹を湛えた人が一斉に立ち表われるときには「大地が六種に動く」といいます。
そんな伝承がリアリティをもって感じられます。一度、動き始めた大車輪を止めることはかたく、“2020年”に向け徐々に徐々に加速度を上げながら回転していくに違いありません。もう「サイは投げられた!」といえましょう。これまでの努力と苦労がモノをいいます。
ただ、その潜在する力を生かすも殺すも、どんな人と組むかの決断にかかっています。つながる人で、未来は(善くも悪くも)決してしまいます。身体の免疫力を高めるにも「身体にいいから食べる」「よくないから食べない」といったモノサシではなく、「身体が欲しているものに素直に耳を傾ける」ことが大事といいます。
全て同じく、大事な判断は他人の目や耳に任せず、自らの心の声に従うべきではないでしょうか。では、いか様にして心の声を聞けばよいのでしょう。古の賢人は「深く志しを立て日夜朝暮に又怠らずに磨くべし」と。「磨く」とはくり返しであり、心を磨くルーティンをいかにつくるかではないでしょうか。
必ずしも「これ!」といったモノ(方法)があるとは限りません。ただ朝夕のハミガキや洗顔のように、「生活」をベースに自分らしい「ココロミガキ」のルーティンをもつことは大事です。パッケージは生活に欠かせない一部であるだけに、設計開発、デザイン制作でもルーティン効果は大きいに違いありません。
 まして女性は元来「生活」に長けており、ルーティンで培った視点やネットワークを幾重にも広げていくことで、モノづくりとともにパッケージの新たな世界が拓けてゆくと思いえなりません。新春スタートとなる第17回「ジェイサロン」は、コーセーコスメポートを退かれてからも止まることを知らない、美装トータル研究所・代表取締役COOの山田靜風さんに講師を担当いただきます。
今、本誌には精力的に「靜風アジアをゆく」を寄稿されており、いよいよアジアをはじめ世界に開かれた心と目で、モノづくりとしてのパッケージを“感じるデザイン”として再びとらえ直しているところです。今、「パッケージの原点に戻ろう!」と呼びかける山田さんの経験と感性にともに学び、自らの「ココロミガキ」のルーティンをみつけてほしい。
 
【開催概要】
[日時]2016年3月25日(金)13:30~17:00(開場13:10)
[場所]竹本容器本社 B1F(東京都台東区松が谷2-21-5)
[会費]15,000円(税込)
[内容]第1部〈講演〉13:30~14:30
    「『ココロミガキ』のルーティンと“感じるパッケージ”」
    講師:山田靜風氏(美装トータル研究所 代表取締役COO)
    第2部〈座談会〉14:45~17:00(自己紹介、意見交換など)
[主催]ジェイパックワールド株式会社
[協力]竹本容器株式会社
[問合せ・申込み先]ジェイパックワールド・セミナー事務局
    TEL:03-3630-1759/Mail:info@jpackworld.com