アメリカのQT | 独学の道Ⅲ

独学の道Ⅲ

自分で自分を変えることは、到底無理なことかもしれないが、それに望む気持ちの自力論は高尚で偉大である。
仮にその結果が甚だ振るわなかったとしてもだ。
By幸田露伴(努力論より)

このタイトルで、ハッ!と分かった人は、もう既に金融通のことでしょう。

 

政府が行う施策の一つで、マネタリーベース理論をもとに、

 

市場への貨幣の量的金融引き締めと量的金融緩和をそれぞれに、中央銀行が主導して行う行為

 

Quantitative Easing (定量的に緩める) Quantitative Tightening(定量的に引き締める)

 

という貨幣操作において、貨幣価値をコントロールしようとする考えであり

 

庶民が苦しんでいる時に、銀行のお金余りを促すことで、市民への金利の少ない貸出量が増え

 

一過性でも現金が手に出来ることによって生活が楽になる。

 

ある程度、庶民が潤ってきた所で、金利を高めて、貸出量を減らし、

 

それでも、帰ってこないお金は、金融引き締めQTを行うことによって

 

貸し剥がしを行うことによって、インフレを抑えようという・・・

 

あくまでも私の認識での話であり、この流れは、金融に詳しい人に聞いて欲しいと思います。

 

リーマンショック前までは、アメリカのバランスシートでの負債資産額は1兆ドル未満でした。

 

その後、リーマンショックの影響を抑えるために、QEを行います。

それによって、2兆ドルまで増えてしまいました。

 

1990年より始まったMMT現代貨幣理論に基づく金融政策によって

 

基軸通貨国の際限のない国債発行によるバランスシート上の借金でデフォルトは発生しないという

 

神話的暗黙の了解のもとに、国債を発行し続け、それによってQEが行われ

 

インフレ率CPIを理想の2%を維持しようと試みてきました。

 

本当に基軸通貨国のデフォルトは起こり得ないのでしょうか?

 

ならどんどんとお金を擦り続ければよいのではないでしょうか?

 

と思ってしまいますが、それに変わる通貨、仮想通貨や金などへの信頼の以降もあり

 

なかなか、簡単に思い通りにはならないのでしょう。

 

 

しかしながら、そのQEの度毎に様々な世情不安事象が発生し、事態が収束する前に、また更に

 

QEを実行しなくてはならないという事態が発生し、

 

それによって、またまたアメリカ国内には、一般庶民にまで行き渡らないお金が

 

投資家のもとに集まり余ってしまい。

 

本来は、一人ひとりの末端個人の懐へと回るはずのお金が、

 

金融システムの階層構造的流通欠陥によって、途中から株式市場にお金が集まるように成り

 

S&P500とNASDAQ100のみにお金が集まって、ITバブルが発生しています。

 

実は、アメリカのSP500に入りきれない他の株式銘柄

 

バリュー株はあまり上がっていません。

 

IT産業と戦争産業、それとSP500のみがバブルなのです。

 

それを我々日本人は知りません。

 

2009年を一つの皮切りに、

 

2019年コロナショックでのQEによって

 

アメリカの負債、バランスシートは拡大方向であり、

 

一時8兆ドルにまで膨れ上がってしまいました。

 

コレを元の1兆ドルにまで下げるつもりでいるのか?

 

それとも、このままの大判風呂敷を広げた国家予算を組んでいくのか?

 

 

全ては、日本を中心とした各国の協力が必要です。

 

中国は、アメリカ国債をサウジアラビア市場で売りに出しています。

 

戦争に備えるためか?それともアメリカのデフォルトを誘うつもりで居るのか?

 

日本は最大の債権国でもあり、日本がアメリカ国債を売るとなれば大変な事態です。

 

どうしても、日本にアメリカ国債を買ってもらうためには、

 

円高にしなければなりません。

 

1ドル100円なら日本国民は、いくらでもアメリカ国債を買うでしょう。

 

1ドル160円なら売りに出すでしょう。

 

1ドル100円の時に利率2%で10年保有した場合(利益20円)と

 

1ドル160円で現在の5%で保有した場合(利益80円)には、

 

一見5%の方が良いように思えます。

 

しかし日々移り変わる為替差損益によって、

 

1ドル160円が100円になると、単純に資産が60円分が損してしまいますが

 

100円の時に買って160円の時に売れば、それだけで60円分が得します。

 

つまり、逆もまた有り得る話です。

 

1ドル200円という時代も考えられます。

 

その時には、日本は長期国債を売りに出さなければなりません。

 

 

当然、日本は儲かり、アメリカは損します。

 

 

そんな事、トランプさんが許すとは思えません。

 

ですから円高にしてくるのです。

 

 

そして、日本国民にアメリカ国債を日本国債よりも高い2%で買ってもらって

 

量的緩和QEで刷った貨幣価値を取り戻そうとすると考えられる訳です。

 

 

                QE1 1兆7000億ドル

 

                QE2 6000億ドル

                

                QE3 月額850億ドル

                    国債買い入れ月額450億ドル 

                   住宅ローン担保証券(MBS)月額400億ドル

 

                QE4 月額600億ドルの短期国債

 

今までは、それらのお金を市場に流すことによって、株価が右肩上がりに上昇していきました。

 

 

問題はこれからです。

 

SP500の上昇は、これらのQEの産物的象徴であり

 

実体経済ではありません。

 

ある特定企業のみの成功事例であり、バリュー株企業や個人事業主は含まれていません。

 

日本に於いても5%の上場企業と国家公務員の給料だけは上がるのに、

 

個人事業主の懐は、逆に益々淋しい状況になっているのにも似ています。

 

アメリカはインフレ率が高く、SP500の企業の従業員だけは潤っていますが、

 

実際のアメリカ国民はインフレによって困窮しています。

 

 

持っている者や搾取する側の上位階級が富み、

 

持たざる者や搾取される階級が貧困や格差を感じる。

 

 

コレが現代のQE、量的緩和政策の最大の失敗であるとも言えると思います。

 

問題はマジ卍これからです。

 

NISA・IDECOの運用者たちのターニングポイントです。

 

 

QEという市場にお金がじゃぶじゃぶに有り余っている現在ですが。

 

当然今までは右肩上がりでした。

 

今度は、QTを行ってインフレを退治してCPI2.0%を目指そうとしているのです。

 

 

つまり、お金が市場から無くなっていく。

 

株式市場は低迷していくでしょう。

 

損切りしてでも一旦現金保有率を高めるのか?

 

それとも持ち続けるのか?

 

市場金利も高くなっていくから、住宅ローンなどの借りている人が苦しい状況に追い込まれ

 

更に就職難になっていくでしょう。

 

貸し剥がしもアチラコチラで発生し倒産や破産が相次ぎます。

 

大学を出ても就職先がない。

 

仕事が無い・お金が無い時代の到来です。

 

まさに私の時代の就職氷河期を思い起こさせます。

 

そんなこれからの時代にどうやって生きていけば良いのか?

 

過去の事例を鑑みて、考えなくてはなりません。

 

トランプは1月より就任します。

 

何処から手を付けるか見どころですが、

 

 

アメリカ国内財政の健全化に走るのか?

 

それとも世界の秩序の安定の為に軍需産業と他国との支出バランスを変えていこうとするのか?

 

それとも、世界一にこだわり中国へさらなる圧力を掛けて行こうとするのか?

 

日本叩きを行って、国債を買わせ、安全保障費をGDPの5%に引き上げようとしてくるのか?

 

いずれにしても自国ファーストを公言するトランプの行動は、

 

他国に対して相当高い壁を要求してくるに違いないのです。

 

 

石破は早速、先日アメリカ製鉄買収にノーを言われて帰ってきた。

 

www

 

何かトランプさんの手土産になるものを用意しないとYESを言わないでしょう。

 

安倍さんの時は、戦闘機のF15一機100億円を100機買うと云ってトランプを喜ばせました。

 

岸田の時には、アメリカの代わりに、日本人のお金を世界にばら撒いて見せました。

 

さて石破はどうするのだろうか?

 

株価の行方が気になっているところです。

 

 

本日も最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。