今年初めてのシャインマスカットブドウ作り
4月の剪定もユーチューブ頼りで、長梢剪定や短梢剪定すらもイマイチ理解できずに・・・
恐らくこれは、自由形の短梢剪定だろうという事で
四角形の中心に植えてある幹から、四方に放射状に広がる形で主枝を5本ほど伸ばしてみるが・・・
今思えば、主枝が多すぎた。
やはりX字形のように4本で十分だったと思う。
そして気が付いた。
ブドウの木は4m×4m程度の面積栽培では狭すぎると。
そんなすったもんだな剪定が終わり、
枝の先から樹液のようなものが滴り始め、木は生きていることを感じ安堵して
しばらくすると、葉が茂り始めてきて・・・今度はボサボサに生い茂ってしまった。
あっ!?
この新梢も選抜剪定しなければダメだ!と思い、またまたユーチューブのお世話になる。
葉っぱを何枚残せばよいのか?
一体この程度で、何個のブドウの花が咲くのだろうか?
全く分からずに、とりあえず高さを合わせて切ってみる。
5枚葉を残すか?それとも害虫にやられて葉っぱがダメになることを想定して7枚ほど残すか?
とりあえず安全マージンで7枚を残すことに決めて切る。
しばらくすると花とは言われなければ気が付かないほどの・・・
これが花?と云わんばかりのブドウの房の赤ちゃんが誕生した。
あーなるほどね。
落花生を作る時にも生態が分からずに枯れたと思ったけれども
ブドウもこうやって実るのね。
と自分に言い聞かせながら、房の整形剪定も行っていく。
3cmが基準となるが、ここでもまたもったいないという気持ちが出てきて
3.5cm~4cmの房づくりを行う。
どうせ後で切ればいいんだからと・・・
しばらくすると気が付く。
あー房の整形も大きすぎたし、葉っぱも残し過ぎた。
俺はビビッていたのだ。
ブドウはやはり決められた通りにやるのが一番。
パン作りに似ている。
決められた温度、決められた水分、決められた発酵時間を守って行わなければ
我流でやっては絶対に成功しないのと同じで
ブドウづくりも同じく、決められた通りが一番上手くいく。
俺は必ず安全マージンという糊代をいつも用意している。
ブドウつくりにおいて、それはダメなことで、少し攻めた方がいいものが出来るのだ。
袋掛けも人よりも一週間早い。
農薬散布も怖がって、濃度が一番薄いものではなく、標準より濃いものを散布している。
特に袋掛け前の薬剤散布は、粒の表面を傷めてしまう。
これに気が付いたのは、しばらくした後だった。
最初の房づくりで多めに残してしまったが故に、
摘粒と云う作業で、物凄く大変になってしまった。
ブドウは一車という単位で5粒から6粒ほどの実が付く。
そしてそれが何車かがまとまってブドウの房になるのだが
最終的には30粒程度が良いものとされる訳だが、
貧乏症の私は、50粒程度の房づくりをしてしまった。
粒が大きくなると、どこかを間引いてやらなければ潰れてしまうから
何度も袋を開けては、摘粒を続けた。
あーーー最初から30粒の房づくりをしていれば良かった。
まさかブドウの粒がこんなに大きくなるなんて思ってなかったよ~。
トホホ
そんなこんなであれから4か月。
ようやく収穫を迎えた。
ブドウはまず、ハウス栽培のもの、露地栽培のものがあり
さらに袋をかけないもの、白色の袋を掛けるもの、緑色の袋を掛けるもので
収穫時期が大きく変わる。
私が選択したのは、露地栽培で白色の袋を掛けるバージョン。
つまり収穫が早いという訳だ。
ハウスで栽培して、緑色の袋を掛けたものは9月後半に収穫時期を迎えるから
1か月も早い。
収穫時期を早めた理由は、動物にブドウを食べられてしまったからだ。
カラスの他に、ハクビシンなどの動物に袋を食い破られてしまい、
致し方なく早目の収穫に至ったのだった。
もう少し置いておけば、糖度は上がったかもしれない。
それはさておき、今朝は全てを収穫してきた。
さて袋を開けてみようじゃないか
とはいえ、私は何度も袋を開けては摘粒しているので、もはや
袋を開ける前のシルエットでどんなものが入っているかが分かってしまうほどだ。
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見てお分かりのように、肌艶が良くない。
これは袋掛け前の農薬散布の影響であり薬害というやつで、失敗例だ。
しかし、食べるには問題ない。
反対側は、まぁまぁきれいだ。
つまり、袋掛け前の農薬散布は非常に重要であることを知ったのだった。
そして、思った。
糖度は上の方が高く、下の方が低いから
同じ粒に見えても、上から食べると甘ーいと思える。
下の粒は糖度が低い代わりに香りが強い。
そして、今年は1本の木から40Kgの収穫をすることが出来た。
4か月の努力。
市場流通価格で1Kg3500円という事を考えれば、12万円という事になるだろうか。
全て、知り合いやブドウを作っていない隣組の人に配ってきたから
もはや残されたものは仏壇に置いてある10房になってしまった。
どうせ食べきれないからそれで良いのだが、
人は努力をすれば、それに見合ったものが返ってくるという事を教えられたような気がする。
ブドウは裏切らない
ちゃんとお手入れをしてあげれば、それに見合ったものを提供してくれる。
1本のブドウの木を何となく育ててみようと思ったことが
これほど、自分に色々と教えてくれるとは思ってもみなかった。
そんな4か月だったような気がして、過去の大変さを思い出しながら
一粒むしっては口に入れ・・・あー旨い、
シャインマスカットの香りがするよねーと思いながら
また一粒むしって口に入れている所です。
と云うことで、本日はシャインマスカットブドウ栽培の顛末の報告でした。
ご覧いただきましてありがとうございました。