念願だったライダー憧れのビーナスライン
そして・・・その先にあるのは美ヶ原高原美術館であり
そこまでの工程の手始めにあるのは、
霧ケ峰高原という三大有名場所を走れたことは
ようやく、念願が叶ったと云っても過言ではありません。
・・・しかしながら・・・
絶景を目にする度に、
あーここは北海道の三国峠の景色の方がキレイだったなぁーとか
北海道の日勝峠からの景色の方が勝っていたなぁーとか比較してしまうのは
イヤらしい話ですが、
先にこっちの方を見ていれば、比較しなかったように思うのは
やはり、旅するライダーの性なのでしょうか
記憶の上書きに値するか否か?
自分史上の更新をするライダー旅が続くのは、
誰しもが行っている記憶の上書きアップデートであり
人は、美しいものを見るとそれ以前のものは過去の昔であったように扱い始め奥に仕舞い
それは、芸術だけならまだしも、その他に・・・他人の女性を見ても同様に
思えてしまうのは、やはり男の悪い癖なのでしょうか?
・・・そんな事を頭に思いながら、
邪心と共にワインディングを右に左にバイクを倒しながら進みます。
どうか邪心によって、浮石にタイヤが乗りませんようにと願いながら
絶対に自動車ではそんな事など微塵も感じないのに、バイクを運転している時だけは
何故か自分への祝福を願う気持ちが強くなるのは、欲張りなのでしょうか?
・・・と邪心に強欲までもがどこからか沸き上がってきて、
イカン・イカンこの感情をふり払うのだと云う葛藤の連続と
カーブの連続のさばきが続きます。
やはり自動車はこういう小旋回が続く狭い峠道ではスピードが出せずに
バイクに道を譲られて下さり、
そして遠慮せず前に出ても、またすぐに前の車に追い付いてしまい・・・
バイクとはやはり曲がる道に特化した乗り物であるのだと改めて思いました。
その時に、道を譲ってくださった方々に感謝いたします。
そんな邪心と強欲にまみれたままでも何とか無事に、
美ヶ原高原美術館へと到着し、1000円を支払い外の展示物を見て回ります。
どれもこれも、なかなかに凝った作りであることが一目で分かります。
室内に置かれているものは、風化現象に晒されず、
作者が意図した状態を色褪せずに表現しているものに比べると
やはり、高地の様々な厳しい気象条件に晒されることによって、若干の艶のような輝きが
褪せて見えるのは、野外アートの特徴でもあり、
ある意味で風化と云う時間経過を合わせて見せてくれるような印象をパッと見で受けました。
今日は青空と夏の積乱雲のコントラストが強い日らしく、雲が速い速度で移動しています。
展示物を間近でみる造形と、遠くからみるシルエットでは、だいぶ印象が違って見え
これぞ造形の芸術と云わんばかりに、インスピレーションが高まっていきます。
私のインスピレーションと云うのは、人に備えられている霊的なエネルギーの事で
例えるなら、日本人は相手の事を観察して察する力が強いと称されるのも
この霊的なエネルギーつまりは、陰が旺盛という状態であり、
哲学的に物事を捉えられるような状態の事を指しますが、まさに視点を変更するためには
このような計り知れない造形物を見て、あれでもない・・・これでもないと云うように
自分の記憶に未知なる刺激を取り入れる作業と云うのは、
ある意味でストレスの解消にも役立つし、また、
まなざしを変えるという意味でも人生にとって本当に重要なことのように思っています。
馬らしき頭部が無く、身体には階段が彫られており、また矢が貫通しており意味深な造形です。
人が勝手に馬だと云う言葉の定義を行い、その形から崩れるとアンチテーゼであるかのように
錯覚してしまうという事を物語って表しているように私には思いました。
室内展示の造形があまりにもカラフルに見えたのですが、
DNAの二重らせん構造のチミン-アデニン、
シトシン-グアニンのポリヌクレオチドの鎖の美しさをボックスとして表現しているかのように
私の眼には映りました。
どこまでも展示物が続いており、一つ一つじっくりと見ていると、一日では足りないほどです。
雲が目の前よりも下にあり、信州の盆地が見下ろせる位置に何やら
鮮やかな構造物があり、まるで未来の攻撃兵器のようにも見えるし、
人類を救う一筋の光明を射るシンボルのようにも見えてしまいます。
さて、人類はどちらの目線でみるのでしょうか?
まるで、見る人の心が試されているような造形物です。
そんな風に一つ一つに、作り手が思考を凝らして作り上げたであろう造形を見ながら
名残惜しいですが、山形まで帰るために1時間で見学を終了し帰路につきました。
帰りはひたすらに高速道路を走り続けました。
何故人は帰りたがるのか?急ぎたがるのか?
明日まで休みなんだし、別に急ぐことはないはずにも関わらず・・・
アニメ用語で云う所のクエスティオン(疑う者)が
意識に憑依し始め、
新しい土地で、新しい生活をしても良いし、
別に帰ったとして、仕事と家があるだけであり
寝る場所は、テントでも良い訳だし、ホテルに泊まっていても良いのに
安く済ませるならば、キャンピングカーで寝起きをするのも良いはずなのに・・・
なぜ人は、いつもと同じ生活を欲し、家に横になって朝を迎えたいのか?
そこの畳にそんな魅力があるのだろうか?
地元に根を張るという生活が人として、正しいから皆家に帰りそうしているのだろうか?
などなど高速道を運転している中で不謹慎にも、美ヶ原高原美術館で
インスピレーションが高まったのか・・・そもそも論を考え込んでしまい・・・
そんな風に思いながら運転を続け・・・
何度も通っている道とは言え、やはり遠いものは遠い帰路でした。
とにかくご褒美だと思って、途中のSAでラーメンを食べたり、
お土産のぶりの押寿司を買ってみたり、
カレーを食べてみたりして、気分転換を計りながら家に着いたのは21時。
あー美ヶ原美術館から6時間も走り続けたか~とホット一息しつつ
ぎっくり腰になりそうな、ピクピク痙攣する腰を何とか畳の上に伸ばして寝転び、
それから、まだ腰が伸び切らないというのに、
僅かに前傾に曲がった腰でビールを煽り始めます。
靴下を脱げば、浮腫んでいることが明らかで、そりゃ15時間もバイクを乗ってりゃ
そうなるわな!と思いながら
今日という一日を振り返ってみると
朝6時に松本のホテルから出て、一路名古屋方面の奈良井宿と妻籠宿の観光へと向かい、
今度は、そこから中央自動車道で諏訪湖に戻り
そして霧ケ峰高原とビーナスラインを通って美ヶ原高原美術館へと向かい
また山から平地に戻って、今度は上信越自動車道で北を目指し上越に向かい、
そして北上した新潟下越から東の山形へと戻るルートは
なかなかにロングルートであったように思います。
・・・が、やればできるものであり、観光しながらでも名古屋近くから山形県に
半日もあれば行けるんだという自信にもつながりました・・・
が
やはり自動車の方が、夏の35度越えの気温の中を走らせるんだったらエアコンが効いていて
絶対に楽だよねぇーって思います。
バイクはマジで暑い、
止まると涼しいと云われるはずの水平対向エンジンですら
エンジンの熱が顔まで上がってきて地獄です。
それでも、他の大型バイクに比べると廃熱処理が上手い設計になっているので
暑くはないんですけどもねぇ~
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という事で、今日は美ヶ原高原美術館に行ってきたよと云う報告でした。
本日も最後までご覧いただきましてありがとうございました。