自尊心を高めるためには | 独学の道Ⅲ

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自分で自分を変えることは、到底無理なことかもしれないが、それに望む気持ちの自力論は高尚で偉大である。仮にその結果が甚だ振るわなかったとしてもだ。By幸田露伴(努力論言葉より)

 

    

自尊心を高める行動療法

 

 

 

 

 

現在、ケーキの切れない非行少年を読んでいて、

 

 

認知力の低下や自尊心が低いことが原因の一つである

 

というように書いてあるように思いました。

 

誰しもが

 

自尊心が低い事が原因の一つであるとクローズアップして認識しているのにも関わらず、

 

その判断する大人のほぼ全員が、その事実を知り得て評論し唱えるばかりで、

 

だから実際に直そうだとか、思考を切り替えて高めてあげようじゃないかなどとはせずに、

 

誰が最初に言ったのかは分かりませんが、

 

ただ単にアホの一つ覚えのように

 

幼児期、もしくは成長期に褒め育てをすれば良いんでしょ!

 

とばかりに盲信して実践しているように思えます。

 

大体、その自尊心の高め方を一切知らないのです。

 

当然です。

 

心理学者や精神学者、医療関係者などのような専門教育を受けた訳じゃありませんから。

 

 

 

その結果ですが、

 

皆さんもご承知の通りではありますが・・・

 

ここを直した方がいいと思うよ、などと悪い所を指摘・注意などすると泣いてしまい、

 

挙句の果てには、俺は褒め育てを受けて育ったんだとばかりに、

 

こちらに喰ってかかって恨み節を吐いて来るのまでは、まだ良しとして

 

翌日から連絡も無しに、突然出勤しなくなってしまい退職してしまいます。

 

 

更に処置の施しようがないのは、その親御さんです。

 

 

そんな会社は辞めてしまえとアドバイスするから、

 

何とも・・・どうしようもない・・・始末の悪い共依存親子関係であり、

 

そういう人たちには、逆に変な噂を立てられないように

 

関わらない方が良いとばかりに感じられる昨今です。

 

 

 

さて、

 

日本人誰もが就職する若者に違和感を感じているのは、どこなのか?

 

と元を紐解くと

 

それは、教育が間違っているからに他なりません。

 

 

 

両親共働きの世の中で、子供の教育が出来ないのです。

 

また、出来る知能を親が持ち合わせていませんし、医療現場や教育現場でも同様で

 

それぞれの職務のタスクをこなすことで精一杯であり、

 

人の事までかまって居られないのです。

 

 

境界知能、IQが低くても、診断書さえあれば、現在は障害者枠の就職枠に入れるし、

 

発達障害全般ならば投薬治療さえしていれば、特殊学級ではなく一般学級でみんなと一緒に

 

居られるからいいでしょとばかりに放置プレイです。

 

 

そんな中で、

 

勉強は出来るかもしれませんが、大事な心が育まれる訳がありません。

 

 

 

 

アラカンの自分のことを例に挙げればですが・・・・

 

祖父祖母、両親も含め全員が各人がそれぞれに自営業者であり、

 

お手伝いさん以外に自分の世話をしてくださる方はいませんでした。

 

大家族に一緒に寝泊まりすれども・・・・全て他人任せの放置プレイでした。

 

だから

 

嫌なことと良いこととの両面を知っています。

 

嫌だったことは、関われば短時間に過保護過ぎる親であり、まさにテレビドラマかのようでした。

 

農家であっても

 

周りから見ればお坊ちゃまと呼ばれる待遇だったかもしれません。

 

 

 

しかし、良いところは、自由があったということです。

 

そして、出入りする関係者全員が親戚家族だったように勘違いしていたのかもしれません。

 

が故に○○さんは山菜に詳しい、○○さんは何処に勤めていて機械修理が得意で

 

○○さんはお酒とたばこの人・・・○○おばさんは料理の達人・・・みたいな。

 

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また、自分で考えて行動を起こせば、親の眼を霞めて全てが可能である

 

という環境もメリットだったかもしれません。

 

親の自分に対する信頼が築ければ、小学生低学年でも夕方5時まで川に一人ぼっちで居られたし、

 

自分で工作するのに、大工道具の電動ノコでも、溶接機械でも、石油でもガソリンでも

 

小型ユンボでも、農業機械でも高所作業でも・・・何でも一人で操作させてもらえました。

 

当然、失敗もあります。

 

ユンボで屋根を壊しましたし、耕運機では圧迫死寸前の経験を2度ほどしています。

 

乗用草刈り機では首が枝に引っ掛かりそうになったり、

 

除雪機では転倒させてしまったり・・・ホントいろいろです。

 

そんな中で

 

猟友会から貰ったマガモの毛をむしって、解体することを覚え、

 

鯉などの魚も戦後帰りの祖父の後ろ姿を見よう見真似で覚えてからは、

 

自分で釣ってきて泥吐きをさせてから、

 

中学生時分には血みどろになりながら自分で裁き、また冬にはカモ鍋を作り、

 

釣り竿は、竹を毎年10本ほど切ってきて倉庫の上に置き、乾燥させて

 

冬に削って糸を巻き自作して、ウキまでも萱を採ってきて削って自作し

 

自転車のサドルの後ろに刺して・・・

 

どこまでも遠くに一人で釣りに行ったり出来た自由は今でも感謝しかありません。

 

 

そんな繰り返しの学生時代で、人に何を言われても全く平気なほど様々な自信が付き

 

勉強などできなくても、生活は出来る程まで中学生の段階で可能になりました。

 

だから、学校で勉強せずに寝ていても○○君は忘れ物が多いし、勉強する気も感じられないし・・・

 

などと言われてもヘッチャラで、長距離を走るのも得意で、

 

大会では永遠と走っていられるほどだったので

 

単なる馬鹿じゃないと・・・学校の成績評価が難しかった子だったと察します。

 

これらの自分の経験から、自尊心というのは、

 

子供自らが考えて、親に対して提案し、単独行動という信頼を獲得し、

 

他者との関わりの中でも信頼関係を築き

 

また実践を通して、まだ子供でも大人と同じことが出来るとばかりに

 

共同作業を通しながら技術を獲得して、他者から何を言われても不動の精神が築き上げられる

 

一種の行動療法でもあり、社会に参加する前段階の給与を伴わない期間の修行時代のようなもの

 

を若い時代に経験することによって、大人の思考回路、上の人の考え方

 

下の人の考え方や振る舞いなどを覚え、給料が貰える為には、どの程度、どうしたらよいのか?と

 

トライアンドエラーを繰り返し、時には悔し涙を流しながら模索して行く訳です。

 

 

この経験が心と精神を強靭化して、同時に大人に負けまいと身体を強くすることを覚え

 

また、何を言われてもヘッチャラな考え方を習得し自尊心を高めていくのです。

 

 

そう云ったことを振り返ってみると

 

現在の教育は、ダメダメです。

 

 

単に塾に通わせて、勉強が出来る頭を鍛えるだけに過ぎず、どこで自尊心を高めるための行動。

 

 

つまりは修行をするのか?

 

 

部活での練習で、上下関係やチームワーク、組織的思考は出来るでしょう。

 

 

しかし、金太郎飴では自尊心は育まれません。

 

 

厳しい環境に身を置かなければ、誰かに何か言われれば、すぐにキャパオーバーで、

 

すぐに泣いてしまうでしょう。

 

そして諦めるのです。

 

 

 

極端例ですが、冒険という言葉があります。

 

知識と技術を持たずにそれに挑むことを無謀と云う行動の事です。

 

 

例えば、雪山登山中に誰かが体調不良になり行動不能になった時

 

どうするか?

 

緊急事態対応時が最も自尊心が問われる時になり得ると思います。

 

 

相手のみならず自分も、全員を必ず助けて生き残らなければなりません。

 

そんな時、自尊心が役に立ちます。

 

 

必ず生き残る方法を考えます。

 

不安材料や相手が不安になることを口にすることさえも、生存チャンスを逃すことになり得ます。

 

だから、逆算を始めて、どのくらいの時間を要してこの現状を打破し

 

生還させられるまでの体力や、人的資源が残されているのかを見計って

 

全員に希望を伝え、プロセスを話し、同意を得て行動するのです。

 

 

緊張や不安や心配するのは、全てが終わってからにしようと自分に言い聞かせて

 

粛々と進めます。

 

 

雪山は、環境の変化が激しく、爆弾低気圧の前に、疑似好天という現象がありよく騙されます。

 

ホワイトアウトで数メートル先が見えません。

 

でも生きて帰らなければならないのです。

 

本当に登山というのは命がけの行動です。

 

でも誰しもが、死ぬつもりで山には入りません。

 

晴れていて大丈夫だと判断するから入るのです。

 

ただ、知識不足・経験不足によって状況の予測が出来なかっただけの事です。

 

失敗はリカバーして取り戻せます。

 

まだ生きている元気なうちなら。

 

 

そうやって、命がけのリスク部分を経験し、正しく乗り越えることによって自信が生まれてくるのです。

 

 

結局は危ない経験をすることによって、生存リスクをどんどんと減らす行動をとるようになり、

 

自分の命の価値を知り、そして、人間の命の大切さを知り、

 

結果的にその行動と思考が自尊心を高めていくことにつながるのです。

 

 

自尊心とは自分を尊ぶ気持ち、リスクを減らす行動や言動をとる事を意味します。

 

 

建設機械を扱う職人、バイクを乗る人、ピッケルアイゼンを使用した登山経験者

 

・・・などは特に自尊心が低ければ、安易な行動で事故を多発させてしまうでしょう。

 

 

無事故が維持できているという事は、全員が自尊心を持ち合わせて慎重であるという事です。

 

 

プライドは逆にそれを邪魔します。

 

俺は一回、それをやっているから、次も出来ると胸を張る者は、過信によって事故を起こします。

 

 

自尊心とプライドは全くの別物であり、プライドは他人からの攻撃を予防するプロテクターであり

 

自尊心はナイーブで繊細な、弱い心と肉体を健全に保とうとする防衛本能的思考である

 

と考えた方が良いかもしれません。

 

 

ですから、子供だと舐めてかからずに、子供でも何か得意なところ、

 

興味があるところを訴えてきたら、大人は機会を準備して提供し、口出しせずに、

 

考えさせ、やりきるまでじっと見守ってあげる必要があるように思います。

 

 

子供はすぐに飽きますから、次もまた同様にその繰り返しで、

 

大人は機会の提供と安全確保の見守りだけすれば良いのです。

 

口出し助言は禁物です。

 

思考のトライ・アンド・エラーの妨げになります。

 

そうやって行動していくうちに、自信をつけ、大人になったらこうやりたいと言ってくるのです。

 

そうなれば、あとは簡単です。

 

専門の大学でも紹介さえすれば、自分で学費を払ってでも卒業して就職するでしょう。

 

 

そんな希望に溢れる人間が、反社会的行動などするはずはありません。

 

時間と考え、そんな風な行動が無駄にしか見えないでしょう。

 

 

問題なのは、自尊心を高めずに大人になってしまった現代の若者たちです。

 

すぐに仕事を辞めてしまい、次々と職を転々とするのは、何をやりたいのか?

 

全く自分でも分からないのでしょう。

 

 

ただ金を稼ぎ納税するだけの人生に飽き飽きしていると思います。

 

単に怒りの矛先を探し見つけ生きているだけになってしまうかもしれません。

 

本当に自分のやりたい、もしくはやりたかった事が見つからない、実践できない場合に

 

行動が不審に挙動するのです。

 

 

勉強も大切でしょう。

 

しかしそれよりも、どんな大人になって・・・その後何をやりたいから・・・

 

勉強しなくては、それになれないと気が付くかです。

 

 

職人気質の家庭では、現場に立ち会わせて、一緒に仕事を手伝わせるのが良いと思います。

 

農業だったら農業を、大工だったら大工作業を手伝わせるのです。

 

親の手伝いの中なら、より自尊心が育まれること間違いなし。

 

また親子の信頼関係も築きやすいでしょう。

 

 

自尊心は、まずは幼児、小児、学童時辺りからの行動療法が一番です。

 

 

そんな風に思えるようになってきたアラカンです。

 

今、物に溢れている時代において、自分で作るとかは・・・なかなか機会がありません。

 

100円ショップで全てが揃ってしまいます。

 

釣り竿でもウキでも売っていますし、残されているフロンティアは

 

自宅の本棚を作るために、ホームセンターで木を買ってきてノコギリで切って

 

ネジを打ち込み、塗装をして・・・というような作業などが面白いかもしれません。

 

溶接が出来る場所なら、手面をつけてアーク溶接で金属を接着して踏み台や

 

庭に置いておく美術造形物を作るのも楽しいかもしれませんね。

 

電気工作で半田こてを使うとか、パソコンでパイソンプログラミングも面白いでしょう。

 

私のように川や海で釣ってきた魚や田んぼでイナゴを捕まえて佃煮を作るとか

 

ちょっと古風ですが、伝統食文化継承も将来につながることでしょう。

 

そんな事を子供時代にやっておけば、大人になって困ることは無くなるはずです。

 

 

これからの時代は、自尊心を高めるために、積極的に行動療法を行ってみませんか?

 

 

という話でした。

 

 

本日も最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。