北海道ツーリング2023 夏 その3 | 独学の道Ⅲ

独学の道Ⅲ

自分で自分を変えることは、到底無理なことかもしれないが、それに望む気持ちの自力論は高尚で偉大である。
仮にその結果が甚だ振るわなかったとしてもだ。
By幸田露伴(努力論より)

 

根室の尖端で、静寂の精霊に守られ、音を無効化してもらったのか、

 

または今で云う所のノイズキャンセラー効果が物理的に働く土地柄なのか・・・

 

何も音がしません。

 

と云えば、年齢的に高周波が遮断され、聴覚が衰えてきたからではないですか?

 

という現実の悲しい老いという真実もあるのかもしれません。

 

 

また、自らが望んだ僅かな孤独感と共に、止まったかのような時間を享受し、

 

心をのびのびと拡げむしぼしするかのようにのんびりし

 

この地では、まさに天の御加護を授かったの如くに良きテント泊が出来ました。

 

 

一番早くに、灯台の守護神、一羽の海鳥ウミネコ様の鳴き声と共に目覚めさせられ、

 

次第にその声は増えていくのを聞きながら、と同時にアラカン近くにもなってくると

 

意識の覚醒と共にビール多飲につき、トイレ起床が決まって4時前というのは

 

良いのか悪いのか?ですが・・・。

 

 

 

根室のコンビニは朝6時を過ぎないと開きません。

 

北海道ツーリングのベテラン気取りはそれを見越して、

 

相変わらずのパンとコーヒーを事前に買っておいてありますので

 

登山用のバーナーで、相も変わらずお湯を沸かすルーティンを始め、

 

「今日も火が青い部分が着くな」と何となく確認しバーナーの耐久性に安心しながら

 

ドリップコーヒーから抽出される命の水分をチタンマグカップに注ぎ入れて

 

左手には未だ熱々のコーヒー

 

右手にはアンパンを持ち、

 

すっくと立ちあがっては、フラフラと持参したサンダルを履き

 

岬の尖端へと歩き出します。

 

 

辺りは相変わらず濃い霧が掛かっていて、ウミネコの声の他には音は聞こえません。

 

朝は海も穏やかで、風の精霊がまだ働いて海面を掻き混ぜていないのでしょう。

 

空が青みがかって、何となく天気が良さそうな雰囲気は感じ取れます。

 

風はマジ卍の無風です。

 

霧は落ちる事をせず、ただそこに止まって停滞しています。

 

まとわりつかない霧の精微な精霊たちを面と向い合って会話が出来そうなほどです。

 

しかし残念ながらここ最近より急に思いがけず出現してきた老眼につき、

 

目の前の精霊にはピントが合わないことが本当に残念でなりません。

 

そんなスピリチュアルな空間では

 

天を仰ぎ見て、吐く吐息と共に今日の祝福をお祈りする気持ちが自ずと生まれてきます。

 

きっと、心が満たされた証であるように思いました。

 

 

どうも旅をするとロマンチストになりやすい性格は、いい加減何とかしないと

 

中二病を抱えたままで60歳のアラカンを正常に迎えられそうにもありません。

 

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どこかの宿泊客でしょうか?

 

それともキャンピングカー泊の方でしょうか?

 

目的もなく彷徨って歩いておりますが、

 

それを知らない人は、認知老人が徘徊していると勘違いされそうですが、

 

いずれ私もそう捉えられるかもしれません。

 

(自爆タヒ)

 

 

日中になると北海道最東端の地とばかりに

 

ひっきりなしに出入りがあることは間違いない宛てのある商店が

 

今は静かに開店を待ち、立ち並んでいます。

 

その横をコーヒーを飲みながら、ゆっくりと辺りを見回しながら

 

さて、これからどこに行こうかと思案をして、つかつかと放浪しています。

 

 

朝5時に出たとして、根室半島を出て、春国岱を経て、

 

ぐるりと風連湖を回って春国岱の反対にある走古丹尖端まではかなりの距離だから

 

途中でガソリンスタンドがあったら満タンにしておくか?

 

 

という、何となくの目的地を決めて、

 

そうと決まったら

 

早速、アンパンを喉に押し込み、冷め始めたコーヒーで胃袋に押し込みます。

 

それからの撤収は慣れたものです。

 

 

ゲストハウスの一人がタバコを吸いに外に出てきた頃には、

 

バイクへのパッキングは、ほぼ終わりを迎え、

 

あとはお礼の挨拶をして出かけるだけです。

 

 

花咲線の終点である根室市街を出ると途中、本当に何もありません。

 

やっぱり市内でガソリン満タンにしてきて良かったと思いました。

 

風連湖周辺で一休みして、位置確認をします。

 

 

ココでも、時間が止まったような空間がありました。と同時に・・・・

 

いやー・・・ヒグマが出そうな雰囲気がムンムンします。

 

私は過去4回熊に遭遇して危機回避しておりますので、

 

何とな~く怪しい雰囲気を感じる事が出来ます。

 

という訳で、死にたくないというビビリミッターが発動しましたので

 

あまり奥へは歩いて行きませんでした。

 

 

一応、クマスプレーは持参しているんで、真面目に歩く時は必ず携行します。

 

 

ぐるりと風連湖の西側を回ってきて、海側と接する風連湖公園線を走っていると、

 

ネットの情報通りにオジロワシが居ました。

 

 

バイクのトップケースから200-600㎜の望遠レンズを取り出してカメラにセットします。

 

動きがスローなのか? < 警戒心が少ないのか?

 

のんびりと撮影する事が出来ました。

 

 

その後、野付半島へと行き、天然のエゾ鹿を見て回ります。

 

 

立派な角がカッコいい

 

「ねぇ、あんた何か見つけたの?

 

いや、俺、最近眼が悪いんだ、なんか居る気配は感じるんだけどなぁ~

 

ジー。」

 

って会話して居そうな場面でした。

 

 

ナラワラの風景

 

 

この景色は地盤沈下によって、あと20年で、海に沈んで見れなくなるかもしれないそうです。

 

 

さてその後は、天気がイマイチなので、摩周湖などを見てキャンプ地に入ります。

 

 

どうしても宿泊したかったオンネトー

 

以前、カワサキNINJA1000で来た時に、絶対にココに泊ると決めて立ち去った場所です。

 

 

湖が静寂で、森も豊かで、キタキツネが豊富で、コケなどでも有名で、

 

テレビでも紹介されるくらいド定番の国営キャンプ場です。

 

 

私はめんどくさがり屋なので、トイレと受付に一番近いところに設営しました。

 

なかなかに出来の良い椅子やテーブルなども複数あるので、

 

登山バーナーで地場産ウィンナーなどを焼いたりして

 

重宝しました。

 

 

風呂は、バイクで10分位走って戻ると、野中温泉という硫黄泉があります。

 

 

ゆっくりと思う存分浸かって、のぼせるほど、のんびりしてきました。

 

 

ヘロヘロになりながらバイクを操り、ヘルメットのバイザーはすぐに気化した水蒸気で曇り

 

私にしては珍しくバイザー全開で、キャンプ場へと帰ってきて、

 

湖畔をゆっくり散策していると、まるでここで飼われているかのように

 

人なつこいエゾシカがあちらこちらに居て、草を食べています。

 

まるで北欧世界のようで平和空間でした。

 

 

そんな、テーブルの隣に居るエゾシカを横目に・・・・

 

買ってきたエゾシカバーガーやエゾシカチャーシューを食べるのには・・・

 

少しためらいもあってか、「おい!これからお前の仲間を食べるんだぞ!」

 

「恐くないのか?」などと声を掛けたら、顔上げて、何ですか?

 

と云った顔をしていました。

 

 

非情に胸の締め付けられる思いをしながら食した味は、

 

経験したことの無い複雑なエッセンスの交じった味の夕食だった気がします。おばけくん

 

 

スマホに入れてきた映画をテーブルに立てかけて、

 

ブルートゥースで見ながら、真っ暗になるまで一人宴は続きます。

 

 

この日は、キャンプ客が多くて、雄阿寒岳に登ってきたであろうおばさま方達や

 

ハンモッグ泊と薪割りキャンプに精を出す若者達、

 

その他キャンピングカーで駐車場泊しているおじさま方などで、

 

宿泊バリエーションが多い感じの夜でした。

 

しかしながら

 

夜中はホント静かで、時間が止まったかのようでした。

 

あっという間に時間は過ぎゆき、体感では1時間程度しか進んでいないのでは?

 

と思う程で、もはや朝4時になっています。

 

 

マジで寝た?

 

マジ?

 

 

と思う程熟睡した一眠りで、自分でも呆気にとられた感じで起床を迎え

 

またもや静寂の中で、森に響く足音は砂利や枯れ枝を踏む私の足音ばかりで

 

と同時にまだ耳の衰えは無いなと確認し安堵しつつ

 

申し訳なく、そっと歩いてトイレに向かいます。ランニング

 

 

しばらくするとキャンピングカー泊の御老人たちも小便へと向かい、

 

徐々にひとけが森に感じ始めます。

 

 

私も湖畔をのんびりと眺めながら歩き、テントへと帰ってきて

 

いつものコーヒーと血糖値を上げるドーナッツを口にして、

 

撤収の準備を進めます。

 

 

居心地のいい場所で、もう一日滞在してもいいなぁ~と思える場所でした。

 

 

朝早く出発して、どこに行くかというと

 

知床5湖を一番に歩く為です。

 

知床5湖は何度も来ています。

 

一番初めか、最終だと静寂の森の中を歩けるのです。

 

 

その後は、ヒグマに恐怖心を持った客が、鈴をメチャクチャ鳴らしたり

 

ヤッホーとか声を出しまくって歩くので、静かに歩く事なんて出来なくなります。

 

 

故に一番のレクチャーを目指します。自転車

 

 

お陰様で一番に一人だけレクチャーを受け、1人で出発します。

 

 

のんびりとして歩いていると、2番目にレクチャーを受けた人々が続々と来るのが分かります。

 

あー静寂の時間は終わったショボーンと思いながら、うるさい客を先に行かせては

 

時間をかけて5湖を巡りました。

 

 

この日は、天気が良くて青空が水面に反射して、映える写真が量産です。

グラサン

 

帰りは満足してウトロ漁港の漁師食堂でイクラ丼です。

 

あまりにもイクラが多いので、途中からコレステロールが上がり過ぎるのでは?

 

こんなに贅沢してもいいの?

 

などと云う、日頃感じない罪悪感が押し寄せ、またもや純粋に味わうどころか・・・

 

心情的に複雑なエッセンスを含む味覚に変わっていったように思います。

 

「あとしばらく1年間はいくらを食べなくてもいいな!」

 

っていう満足度は120%でした。

 

そして、その後は摩周湖を見に来ました。

 

 

前回は霧の摩周湖でしたので、北海道ツーリング3回目にして

 

ようやく全貌を見る事が出来ました。

 

 

こんなにも綺麗な湖だったのですね。

 

 

その後は、網走のメルヘン街道を通過して

 

 

いつも立ち寄る網走監獄食堂でカレーを食べます。

 

あとは、見る所が無いので、近くにあった花などを見て

 

一息つきます。

 

 

北海道って、夏が短いので、一斉に咲き誇り、見事な景色ばかりで

 

目がバカになってしまう程です。

 

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その後、いつものテント泊を行って、いつものルーティンである麦の精霊に乾杯です。

 

 

という事で、今日はここまで、続きはまた明日。

 

 

 

本日もご覧いただきましてありがとうございました。