クマ目撃と注意喚起で良いのか? | 独学の道Ⅲ

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自分で自分を変えることは、到底無理なことかもしれないが、それに望む気持ちの自力論は高尚で偉大である。
仮にその結果が甚だ振るわなかったとしてもだ。
By幸田露伴(努力論より)

東北のみならず、広島や呉市、山口県まで本州広く熊の目撃がされるようになり

 

 

 

幸いにも児童被害はなく、年寄の早朝散歩や山仕事での遭遇、

 

山と接触している地域での目撃例が多いようです。

 

 

山形県の私の地域では、山では熊とイノシシと猿による農業被害が多く

 

山から離れた地域では、タヌキやハクビシン、テン、サギ、イタチなどによる

家畜の小動物や、烏骨鶏やニワトリなどや、その餌などまでもが狙われており、

 

電気柵を広大に巡らせてまでコメ作りなど

 

もはや農業などはしない方がマシなんじゃないかとさえ思えてきます。

 

年がら年中、「熊が出没しましたので注意してください」と警察が回って歩くのは

 

日常茶飯事であり、私の知人も熊に背後から襲われたりして神経が切られて

 

腕がぷらんぷらんになって、障害者になってしまいました。

 

 

私も過去に4度ほど熊に遭遇していますが、

 

幸いにして逃げることが出来ましたので、たまたまラッキーでしたが

 

いつ死んでもおかしくない状況でした。

 

 

そんな経験から、熊は賢い動物でもある事が分かりました。

 

 

無駄に人間を襲ったりはしない。

 

でも、何らかの状況が重なった時に人間に一撃を加えてしまうという

 

状況が生まれるのでしょう。

 

 

クマ牧場などに観察に行くと、熊同士はじゃれ合ったり

 

俺の方が上だという上下関係を知ら〆る為の確認行動として立ち上がり取っ組み合います。

 

いわゆる人間世界でのマウントを取りたがる人にも似ていますよね。www

 

人間も立った状態で歩いているものだから、

 

条件反射的に熊も立ってじゃれ合う感じで絡み合って来るのでしょう。

 

結局、人間という存在が怖いものではなくなってきているのかもしれません。

 

 

生まれてから2歳までは母熊と共に行動して、3歳以降は自立するために

 

自分の猟場を得る為に母熊のエリアを離れなければなりません。

 

 

その親離れ行動が川沿いの樹林帯を移動して、

 

いつの間にか人間の住む住宅街にやってくることがあります。

 

熊は昼も夜も行動します。

 

人間の気配が消えている夜間は、我が物顔で住宅街を移動する事が出来る訳ですが

 

最近は朝4時にもなると明るくなり、年寄の散歩が始まります。

 

するとバッタリと出くわしてしまったりする訳です。

 

 

山形県の朝日連峰や飯豊連峰の登山路にはクマの糞が落ちています。

 

熊は尾根を横切る場合と登山道を歩いて下ることがよくあります。

 

何故だかカモシカやサルなども登山道が好きらしく、

 

おそらく周りが見渡せるからだと思いますが、そこで糞をしていきます。

 

 

横切る熊は登山道上には糞をせず、横の茂みで糞をするので

 

地面を這うような感じで物凄く臭います。

 

 

登山道上の糞は、何故だか匂いが上に登るのでその部分でしか臭いませんが、

 

それを登山中に見た時には、ゾッとして青ざめます。

 

色や艶、湯気や形の崩れ具合・匂いなどで、新鮮なものなのか?

 

それとも数日経ったものなのかを判断できますが、

 

もしも新鮮な状態ならば、周囲数十m以内に居るかもしれないことを意味しているので

 

緊張感は自ずとMAXに高まっていきます。

 

 

私も1度地面から這うような獣臭の横を通過しなければ下山できない状況の時には

 

襲われて死んでもいいように、友人に無駄に携帯電話で話しながら

 

大声で大笑いしながら歩き、その場をやり過ごしたことを思い出します。

 

 

熊はネコ科なので、身の危険を感じると伏せて

 

じっと相手の行動を観察してやり過ごす事が多いようです。

 

 

場合によっては襲われる訳ですが、そこは一か八かの賭けです。

 

 

可能ならば迂回ルートを選んだ方が命が長らえる事でしょう。

 

 

熊はネコと同様に、歩く時に音を立てません。

 

 

しかしながら、怖がりなので同じ道を通り、草を食みながら歩いていきます。

 

 

人間と出くわす場合には、知らない場所でプチパニックになっており

 

どちらが帰る場所かを捜して苛立っているのでしょう。

 

熊の足音や、木にドンッ!と爪を刺す音が聞こえたり、

 

または樹木が揺れて気配がある時にはクマはもう臨戦態勢であり

 

人間などの動くものを目にすると、襲われる前に襲う

 

という自然の生き残る本能や掟が発動するのでしょう。

 

とにもかくにも・・・目を見て退き、隙を見て全力で逃げるが勝ちです。

 

 

 

 

環境省の平成26年度版のレポートを見ました

 

すると、人身被害件数と許可捕獲数が比例することが分かりました。

 

 

年間50件の時から150件の時までばらつきがありますが

 

これはおそらく食べ物の量に比例するのでしょう。

 

人身被害が110件の時には、駆除頭数が4000頭になっています。

 

140件の時には、5000頭です。

 

これは、ブナなどの結実調査などの資料を一つの目安に決められているのでしょう。

 

 

ブナの結実率を見てみると令和になって、熊の食料の一つでもある

 

ブナの実が少なくなっていることが分かります。

 

ブナは山奥にありますので、

 

豊作の年には山から離れることなく冬眠に入れるのだと思われますが

 

凶作の場合には

 

つまり他の物を食べなければ冬眠が出来ないことを意味しています。

 

そうすると、住宅街にある柿の実や家畜用の飼料のトウモロコシやリンゴなどを求めて

 

住宅街に出没することが考えられます。

 

日本の獣類分布図ですが

 

人間にとっての直接の危機は熊ですが、これは九州と四国を除く全てに分布しており

 

またシカによる樹皮剝離被害によって山の木が衰退すれば、山の保水能力が削られて

 

土砂災害なども引き起こしたりしかねません。

 

イノシシ類は、農業生産物が食べられて、また芋類やミミズなどを食べる為に

 

無差別に至る所を掘ってしまい、植えているものが台無しになってしまう事もあります。

 

サルなども同様で、イノシシや熊の入れないところでも、

 

電線などを伝って入ってくることが出来る為に、50頭1グループの集団で移動するサルは

 

人の居ない時を狙って倉庫から米やトウモロコシなどの食べられるものを漁っていくので

 

これも考えものです。

 

平成14年度の鳥獣保護法法改正によってモグラやネズミまでも保護対象となり

 

この法律には困ったものです。

 

 

種の保存と絶滅は避けなければなりませんが、

 

税金を払っている土地での農業被害や営農によって生計を立てている者を

 

鳥獣保護法よりも優先し

 

人間の生活居住区域での生活が脅かされることはあってはならない事だと思うのです。

 

 

そこら辺の線引きをしっかりと決めてもらって、

 

これ以上人間の生活を脅かすために侵入してくるものは根絶も辞さない。

 

 

しかしながら、自然との境界線(緩衝帯)より先は、森の住人の生活圏と捉えて保護し

 

林業従事者や登山者などの、森に立ち入る場合には危険も孕むことを十分に承知して

 

自己責任で入るという様に、きっちりと分けることが

 

本来の動物保護法と人間の暮らしとの共存ではないでしょうか?

 

 

今後、熊やイノシシ、シカ、キョン、イタチやタヌキ、モグラやネズミも

 

益々増えてくるでしょう。

 

単に注意喚起だけでなく、動物の保護、種の存続を念頭に置きながら

 

人間の暮らしの安全も考えていくような付き合い方を考えていく必要があると思うのです。

 

ネズミやモグラは鷹やトンビ、フクロウなどの猛禽類の餌であり

 

私の住む最上川沿いでは、繁殖地になっており、

 

秋になるとトンビが100羽舞っている姿を目にしながら堰堤をジョギングしています。

 

そういう意味では、貴重な動物たちですので、大事にしていきたいと考えています。

 

問題は人間を怖がらなくなってきているという事です。

 

唐辛子スプレーの匂いを嗅がせて、学習放獣をすると云う事が、

 

現在試みられていますが、どうなのでしょうか?

 

熊はバカではないので、何らかの人間は怖いという擦り込みが出来さえすれば

 

人身被害を減らせると思うのですがうーん

 

 

今日はそんなことを考えています。

 

 

本日もご覧いただきましてありがとうございましたお願い