●☆「あなたでないと」「どのひとでも」その2
宇宙飛行師アダムと、エバという女性のはなし
星あゆむの未来宇宙SF 星 あゆむ
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今までのあらすじ
●隕石と衝突した小型ロケットに乗っていた宇宙飛行士アダムは、高度な知力と科学技術を持つM惑星人の宇宙船に助けられ介護病院衛星に収容された。 医師であり看護婦であるとM-500SBX432dox-fix-85764337 の再生手術と介護を受け、筋肉も眼球もすべて取り戻した。アダムは、 この医師であり看護師の事をエバと呼ぶようになった。この名前は、アダムが危篤状態の時に、一番に名前を呼んだ女性の名前であった(初恋の女性の名 前?)。不思議な事にエバの姿は40年前のままであった。M惑星人は、地球人とは、ちがった進化の道をたどった知的生物であり、その外観は、必要に合わせ て、変化させる事ができたので、記憶に残るエバの姿をとってあげていた。心静かに生活をしていたアダムとエバであったが、エバがM惑星に一時休養のために 帰る事になった。その間、ナンシーというエバの同僚が、アダムと過ごす事になった。
●「エバなしには活きられない」と思っていたアダムは、エバの「きっとナンシーの事を気に入るよ」という言葉を信じて、アダムはナンシーと生活をは じめた。ナンシーとの生活は、エバとの生活と同じく、セックスも、会話もまったく満足いくものであった。名前と外観と声以外は、ほとんど同じだったからか もしれない。
返ってきたエバ>
「アダム、元気だったようね。ナンシーとうまくやってくれてよかった。気になっていたので、ナンシーと意識をつなげていたの。あなた達の間に、なにがあったか、みんな知ってるわよ。ナンシーと融合(sex)するとき、最初、どうして躊躇したの。」
アダム>
「いや、あの、実は、君に悪いとおもって」
エバ>
「そんなの、馬鹿みたい。いい、私たちM惑星人の意識は、みんなつながっているのよ。私の喜びは、他の人も感じてくれているのよ。あなたは、外観の違いだけで、混乱していたのね。でも、しばらくすると、ナンシーの事をエバとよんだりして。」
アダム>
「いゃ、わるかったよ」
エバ>
「怒っているのでないよ。ただ、地球人は、短い名前でも、呼び間違いするからあきれていたのよ。」
それから、時々はエバが疲れた時には、M惑星に休暇に帰る事もあった。休暇から帰ったエバは、とても元気で、知識も増えていた。すべてがより充実し ていたので、アダムはうれしかった。アダムとエバと、時にはナンシーとの安らぎの生活がつづいたが、アダムの意識の時間の流れは、ゆっくりと流れていっ た。本当は、長かったのか短かったのか??
エバ>
「あなたの意識も、ずいぶん、安らいできているね。この前のナンシー・エバ呼び間違い事件以外、意識が混乱する事がなくなったわね。地球人の シャカムニ・ブッダに近くなったよ。混乱してもすぐに、安寧を取り戻すようになったわ。今度、私と一緒にM惑星に行ってみる。というのは、あなたの地球人 としての寿命も、そう長くないのよ。」
アダム>
「どういうこと。ここでエバと永遠に生きられるとも思っていたよ。」
エバ>
「あなたがすぐに死ぬという事ではないわ。実は、私たちの生命科学でも、地球人の細胞分裂の回数を100倍以上にする事は困難なの。あなたの 身体を再生するのに、12000年かかったわ。それからでも、すでに普通の地球人の90倍は生きているのよ。それであなたの細胞分裂の回数からすると、地 球人の身体のままでは、残りは10倍ぐらいしか生きられないのよ。」
アダム>
「えっ、君はそんな年なの。そうは見えない。私は、君と、そんなに長くいきてきたの。計算すると、9000年も生きてきたの。そして、残りの生命は、十回分の1000年もあるの。」
エバ>
「残り1000年が、長いか短いか、それはあなたの感じ方次第よ。」
アダム>いままで、君とこの衛星でくらして来た時間は、幸せだったけれど、残りが、いままでの十分の一しかないというと短いような気もする」
エバ>
「あわてないで。地球人の身体で生きられるのは、1000年分という意味よ。あなたが、その肉体でいる事を放棄して、私たちと同化したら、これからもずっと生きられるわよ。こんどどういう事か見せたいから、M惑星に一緒に行かない?」」
アダム>
「M惑星には行ってみたいとは思っていた。君の両親や姉妹達にも、挨拶しておきたいと思っていたし。9000年もほったらかしにしていたのか。すごく悪い事をしてしまった。」
エバ>
「あなた、まだ地球人を引きずっているのね。私たちには、だれが親で・誰が兄弟や姉妹という区別はないのよ。」
アダム>
「区別がないというのは、頭では理解しようとしてきた。でも、具体的にはどういう方法で、区別がなくなるのか、わからないよ。」
エバ>
「それは、見ればわかるよ。では、来月」
ーーーM惑星でーーー
アダム>
「M惑星というのは、私にはどうも理解ができない。私の周りは、なんか地球に似ているし、介護病院衛星にもにている。でも、遠くの方は、霧がかかっているようにかすんでいる。エバ、時々君の身体の輪郭が、崩れて見えるのだけども錯覚なのだろうか。」
エバ>
「この星の環境にもどったので、私の身体の中にいる生命体達の全部が喜んでいるからよ。地球人の形をしているのを忘れそうになるからよ。人間の身体でも消化器や性器は、それぞれのリズムで、刺激に応じて喜んで動いているよね。」
アダム>
「そう、その通りだよ。ちょっと、まだ実感出来ない事がいっぱいある。」
エバ>
「そのうちわかるは。では、地球人用のスペースに戻りましょう。あなたはここで過ごして。私は久しぶりにこの星に帰ってきたので、自分の所で休むことにするよ。」
アダム>
「えっ、こんばんは、一人で寝るのかよ。なんか新婚旅行に来た気分になっていたのに。独り寝なんて。君の行く所に一緒に行きたいよ」
エバ>
「こないで。あなたの住んでいる世界とはちがうのよ。「ヨムミの国」というの。このドアの向こうに入り口があるわ。みたら私の事を嫌いになるわ!」
アダム>
「そんな事ぜったいないよ。君への愛は変わらないわ」
エバ>
「でも、地球人の脳に刻み込まれた本能で、私たちを受け入れる事は難しいよ。だから、お休み。明日の朝は元気になって帰ってくるから、朝から愛し合いましょうね。ですから、お願い。こないで。お休み」
好奇心たっぷりの元宇宙飛行士のアダムには、エバがどんな所へいったのか?何をしているか?M惑星には、私以外に夫のような存在がいるのだろうか? エバの「こないで」という声にますます我慢出来なくなって、あけてはいけないドアをあけてしまった。「ヨムミの国」への入り口のドアの向こうは、洞窟で あった。開けた瞬間に、発酵しているような臭いが漂った。まわりはまっ黒であったが、ペンライトを使い一歩一歩と下っていった。しばらく行くと、つよくエ バの気配を感じた。いや、エバだけではなく沢山の生き物の存在が感じられた。よくみると、蛍や夜光虫やホタルイカが点滅しながら発光しているような塊が あった。その光の塊の中にエバの身体のシルエットがあった。ペンライトで確かめようとしたらエバの声がした。
「アダム、来ないでと言ったのに。ここはヨムニの国よ。ここに来た以上、よく覚悟してね。あなたの選ぶべき事は、私たちの中に入って、同化するか、 あるいは、地球に帰るかよ。そのペンライトで、私の本当の姿をよく見てね。すぐに決める必要はないけど、ありのままの私たちの事を見て欲しいの。」
エバの声で安心したけど、ライトを当てた瞬間、背筋に戦慄が走った。エバの身体をウジ虫やミミズが食いつくしている光景だった。「エバ、大丈夫」と思わず声をだしたら、
「大丈夫よ。よく見て、ウジ虫やミミズに見えるものの一つ一つが、私たちの生命体の最小単位(ユニット)なの。地球人の赤血球の一つ一つには意識は ないけども、私たちの身体の最小単位である多細胞のユニットになると、意識をもち、独自にいきているの。だから、私には地球人のような一つの消化器官や脳 はないの。それぞれのユニットにあるの。。一つの命が感じている事を、他が感じる事ができるの。いつも、あなたの前では、何万ものユニットが、あなたの為に地球人の姿形をしているけども、本当はバラバラなの。いまM惑星人達の命の塊の中にいて、私は、とても幸せよ」
しばらくすると、エバの身体の輪郭と、全体の光の塊との区別がつかなくなってきた。「エバ」という呼びかけにも答えを感じる事はなくなってきた。アダムも「その塊のなかに飛び込みたいような懐かしい衝動」がしてきた。でも、もと来た道を駆け出した。飛び込めば、二度と地球に帰る事は出来ないように感じたからだった。
元の部屋に帰ったアダムは、今の体験を理解しようとしたが、まったく整理つかなかった。地球人としての自分の神経はゾクゾクと怖がっている。でも 「大丈夫よ。いまとても幸せよ」というエバのしっかりとした声に、安心したばかりではなく、自分もその生命の塊の中に入ってみたいように感じたのも事実で あった。
次の朝、エバはいつもよりも元気になってアダムの所に現れた。
エバ>
「私の事は嫌いになった?見た通り、虫の様な生き物(ユニット)が何万匹も集まって、地球人のエバの形をしているのよ。それぞれの意識が集合して、エバとしての意識を形成しているわ。」
アダム>
「ようやくはっきりとわかったよ。君たちがsexの事を融合という意味が理解出来たよ。エバ、君とsexしていると思っていたときは、実は、虫のようなものが私の身体にまとわりついていたのか?」
エバ>
「そうよ、それぞれの虫が、あなたの身体を愛していたし、全体としてのエバもあなたを愛していたよ。そして、いまも同じよ。実は、昨日の夜 は、私は、M惑星人の多くと融合していたの。ナンシーの一部もいたわ。つまり、エバの意識はM惑星人全体の意識にとけ込んでいたのよ。あなたとのsex融合で感じていたより、もっと深くて気持ちいいのがヨムニ(黄泉)の国での融合よ。あなたも、地球人の身体をすてて、私たちと同じにならない。いままでに、 そういう地球人もいたから。」
アダム>
「いたからというのはどういう意味?地球人の身体をすてるというのはどういうことになるの」
エバ>
「簡単に言うと、あなたの身体を食べるのよ。食べたら、それが私たちの身体になるわ。そして、あなたの意識を感じている部分を受けついだ、生 命体がいっぱいできるは。あなたの身体は、外側は消滅するけれども、食べられた有機体は、私たちの身体になるし、あなたの意識の一部は、M惑星人の一部として組み込まれるの。みんなとといつまでも一緒にいきるのよ。すばらしいでしょ。」
アダム>
「いつまでもというと、もう死ななくなるの?もう一つ、君の親や兄弟とはどこで会えるの。」
エバ>
「どうなるかは、もう答えているわよ。私たちの個体(ミミズの一匹
分)の生命がおわりに近づくと、他の個体達が食べるのよ。身体も意識も繋がっていると言ったでしょ。私たちはとても効率よくできているの。排泄物も、みんなが食べてしまうのよ。だからあなたの排泄物も、精子もみんな私が食べたといえるし、吸収してきたわ。」
アダム>
「人間は、人間をたべないよ」
エバ>
そうね、だから人間の意識の進化は、本当に時間がかかっているの
ね。どうして地球人は、肉体ばかり大切にするのかしら。どうして今の身体の外観を失う事を怖がるの。人間の白血球は10日で死んで行くのよ。赤血球は百日ぐらい。他の臓器もどんどん細胞が入れ替わっているよ。新陳代謝するでしょ。食べ物をたべて、新しい身体を作って行くのは、私たちと同じでしょう。大切なのは意識なの。それぞれの意識はあるし、他の個体の意識とも繋がっているよ。」
アダム>
「でも、食べられる時には、きっと痛いだろう」
エバ>
「それは違うわ。特別な粘液を出すから大丈夫。地球人のあなたの肉体が、溶けてゆき、発酵し吸収されるのよ。気持ちいいよ」
アダム>
「発酵というれど、腐るのと同じじゃないか」
エバ>
「確かに、プロセスとしては似ているけども、ずいぶん違うわ。地球人の肉体は、死ねば、腐敗してまわりに散乱するか、焼却して散乱する。私た ちは、大切な人の肉体を散乱させるなんてできないわ。一つ生命体の寿命がきたら、残りの生命体が吸収する(たべる)のよ。だから、全体としての、私達は死 ぬ事はないわ。アダム、あなたが地球に帰るよりも、私に食べられて同化して欲しいのよ。愛しているわ」
アダム>
「昨日、黄泉(ヨムニ)の国で『地球に帰りたい』と強くおもったんだ。いつか君は、『私の身体の一部を取り出して、完全に地球人と同じ構造 の女性をつくればいい』と言ってくれたよね。エバ、君と同じ地球人のエバをつくってくれれば、僕とそのエバの間には子供はできるよね。」
エバ>
「もちろん、地球人どうしだから、その女性との間に、地球人の子孫はできるわ。」
アダム>
「君と、私の子供が欲しかったんだ。だから君と私の間の子どもがほしいから、地球に行きたいとも言える」
エバ>
「どうして子孫だけ大切にするの。アダム、地球にはもう地球人はいないのよ。そんなところに、あなたとその女性が行くのをのぞむなら、そうしてあげるよ。でも、地球に人間を再生させ、復活させるのは、簡単な事ではないよ。」
アダム>
「エバと地球であたらしい生活をはじめられるなら何でもチャレンジする」
エバ>
「地球人の女性は、あなたの脇腹の骨と、細胞をとりだして作る事は出来るわ。M惑星人の私とは構造も違う100%地球人の女性よ。あなたが、昔に愛した、地球人のエバに近いわよ。」
アダム>
「もう一度地球を見てみたいという思いはとても強いんだ。この気持ちどうしょうもない。」
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こうして、戦争で一度滅びた人類を再興しようと、アダムはエバをつれて、地球に帰り、「再びの最初の人間」になった。でも、地球人のエバは、するこ となす全くの地球人であった。M惑星人のエバのように、知的でもないし、思いやりもまったくなかった。きわめて感情的で、何度言葉で説明しても、意志の疎通は困難であった。意志の疎通の為のテレパシーができないから、同然ともいえる。アダムはM惑星をはなれた事に後悔ばかりしていたが、エバには、次から次へと子供が産まれていった。ある意味では、アダムの天命だったといえる。しかし、エバは地球人の寿命を迎えると、あつけなく死んでしまった。しかしアダム の遺伝子は操作されていたので残り九倍ぐらいの命があった。最初の内は、アダムはおじいさんであったが、次第に不老不死の仙人や神様としてあがめられるよ うになった。六代ぐらいたつと、増えていった人間は、部族をつくり争いを繰り返すようになった。一族や部族でまとまる事により、結果的に、子孫である人間が争いをしている。そんな、自分の子供達に失望したアダムは、人の前から姿を消していった。洞窟でその姿を見たという人もいるし、人間が危機を迎えるとど こからともなく、助けに出てくるともいう。助けた大きな亀に乗って、天空の彼方に飛んでいったという人もいた。久米島や沖縄の島の伝説のように、見初めた エバに似た女性を神隠しにしたという伝説もある。いつしか、宇宙飛行士のアダムとその妻のエバの事は、最初の人間の神話として伝えられるようになった。。 別説では、アダムとエバの乗ってきた宇宙船がノアの箱船という人もいる。アダムとエバの話は旧約聖書のなかの過去の話ではなく、予言書であったのかも知れ ない
一応これで今まで書きためたモノは終わりです。
次の作品ですが、メモはありますが何時書き上げられるか未定です。
つづくかも、あるいは 続かないかも(To be, or Not to be continue? Who knows!)
星 あゆむ。
▼ http://石垣.okinawa.jp/
http://www.psychosynthesis-japan.net
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