釈迦は王子たる豪奢(ごうしゃ)な生活を一切捨て、厳しい苦行に身を投じる。そこで苦行を極めた後、自らの方法でついに新たな道を切り開く。かくして釈迦は魔王の誘惑を退(しりぞ)け、大いなる悟りを開いた。仏陀(ぶっだ)の誕生である ............ 。 釈迦はいかにして悟りに至り、そこで何を獲得したのか。釈迦の悟りの核心に迫る。
◎邪悪な魔王との対決 1
スジャータに乳がゆを捧げられるシッダールタ。乳がゆを食すると、
シッダールタの衰えた体はもとどおりになり、金色の光を放ったという。
背後では五比丘が様子をうかがっていた。
前回のつづきから。
日がたち、月をへて、年が過ぎた ............. 。 シッダールタの体の肉は剝(は)げ落ち、皮は皺(しわ)だらけになり果てた。目は深く窪(くぼ)んで、毛は全部抜け、皮膚は荒れて黒ずみ、骨や筋や血管の一本一本がはっきりわかるまでになった。腹の皮をつかむと背中の骨に触れるほどの悲惨きわまる姿になってしまったのである。もはや、生きていること自体が奇跡としかいいようがなかった。
「修行者の数は多いが、私は自信を持っていう。この私以上の苦行を重ねた者はいない ................と。 しかし悟りを得ることはついにできなかった。求める真理は、この修行法では不可能である」
決然として立ち上がると、ネーランジャラー河のほうに少しずつ歩みはじめた。すでに、修行の森に入ってから6年の歳月が流れていた。苦行を放棄したシッダールタは川岸にたどりつき体を清めたが、弱りきり、疲れきっていた体は、あとわずかで流されてしまうところだった。歩くことすら、ままならなかった。
ようやく岸に戻り、神聖なバニヤンの樹の下に坐っていると、ひとりの村娘が通りかかった。スジャータ(善生、ぜんしょう)という名のこの娘は、祈願がなかったので、バニヤンの樹へ極上の乳がゆを捧げ物として持ってきたのだった。
「あら ......... この修行者の方は、瞳(ひとみ)の輝きは素晴らしいのに、何という疲れ果てた体なの .......... 。 そうだわ、この乳がゆをさしあげましょう」
受け取ったシッダールタは、心がこもり滋養にあふれたこの捧げ物をゆっくりと喉に通した。実に、実に久しぶりの食べ物だった。これを5人の修行僧が見ていた。シュッドーダナから密(ひそ)かに王子を見守るように派遣されていた男たちだった。彼らはひどく失望した。王子の側にいれば、いずれは悟りを得られるだろうと期待していたからだ。乳がゆを食べる王子を見て修行から脱落したと判断し、修行者の集まるサールナートのムリガダーヴァ(鹿野苑、ろくやおん)へと去っいってしまった。
シッダールタは、川を渡り、菩提樹のもとに聖なる草を敷き、静かに座り瞑想に入った。「私は、悟りを開くという目的を達するまでは、決して、この場を立つことはない」 断固たる決意を下して、足を結跏趺坐(けっかふざ)に組み、金剛のようにゆるぎない禅定(ぜんじょう)にはいった。
次回につづく。
追記、空腹にまずいものはなし! といわれますが、はるかに次元が違い過ぎですね(^^)/ 今の私は恥ずかしくなります。これだけの覚悟ができているからこそ、宇宙の摂理や宇宙のパワーがお釈迦様に委ねられるんですね。
法華経は釈尊の肉声の教え、経典です。 是非とも、
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