実にいいお天気に恵まれました昨日、ミューザ川崎にランチタイムコンサートを聴きに行ってきたのでありました。気温は上がるも、未だ湿度はほどほどというのがいいですなあ。もっとも、コンサートホールに入ってしまうと、天候は関わりないところですが…。

 

 

この日はパイプオルガン独奏で3曲、ヴァイオリンとオルガンのデュオで3曲(アンコール含む)という内容でありましたよ。ここのホールではオルガンと何かしらの、異種格闘技的組み合わせ企画がまま登場しますですね。これまでにもオルガンとサックス(1本)オルガンとオーボエ(1本)オルガンとピアノなどといった組み合わせを聴いてきましたが、今回もまたヴァイオリン・ソロとの組み合わせで。

 

一般にヴァイオリニストがリサイタルを行う場合、ピアノ伴奏であることがもっぱらでありますね。クラシック系ではヴァイオリンとピアノによるデュオのために書かれた曲が誠に多いわけですしね。ただ、またまた個人的な印象ながら、ヴァイオリンとピアノという組み合わせのみならず、管楽器などとのデュオでピアノが寄り添う場合でも同様ですけれど、どうもピアノの音が鋭く耳に届いてきて、音の溶け合いという点ではピアノに存在感がありすぎに思えるのですなあ。

 

もちろん打鍵の鋭い曲やら奏者やらばかりではないにもせよ、そもピアノという楽器が持つ音が個人的な耳(というより聴覚)にはきつすぎるのでもありましょう。これは体の構造の問題ですので、誰にも共感してもらおうとは些かも思っておりませんが…。

 

とまあ、そんな状況であるだけに、いざヴァイオリンとオルガンとが組み合わさった音を耳にしますと、あたりがとても心地よく感じたものなのでありました。アンコールで演奏されたフォーレの「夢のあとに」などは取り分けそのように。

 

ピアノを含めた室内楽、はたまたピアノ・ソロによるリサイタルも全く聴かないわけではありませんですが、このところはこのミューザ川崎や東京オペラシティ、さらにサントリーホールなどでパイプオルガン演奏を耳する機会が多くなっているのは、自覚的ではなかったものの、オルガンの(個人的な)耳馴染みの良さに惹かれていたのかもしれませんですよ。

 

それだけに、何を聴いてもおんなじ?みたいに受け止めてしまったオルガン曲の個性がだんだんと判別できるようにもなってきたろうかと。今回のプログラムでは「前奏曲とフーガ ト短調 Op.7-3」(というタイトルだけだと、バッハの曲みたいですが)が演奏されたマルセル・デュプレのオルガン作品あたり、もそっといろいろ聴いてみたいような気になったものなのでありました。