…てなことで成田を飛び立った飛行機は、およそ7時間のフライトを経てマレーシアのクアラルンプール国際空港に着陸いたしました。久しぶりの海外渡航だもので、成田でもあれだけ昔ばなしが浮かんでしまっただけに、やはりこちらでも。思い返せば、初めてクアラルンプールに降り立ったのはかれこれ30年あまりも前のことになりますなあ…と。

 

ただその頃には、今回降り立ったクアラルンプール国際空港(Kuala Lumpur International Airport/KLIA)はまだ影も形もありませんで、クアラルンプール連邦直轄領の域外、セランゴール州(錫製品のブランド、ロイヤルセランゴールで知られていようかと)のスバンにあるスルタン・アブドゥル・アジズ・シャー空港という非常にイスラミックな印象を醸す空港が使われておりましたなあ。もっとも、長すぎるので、もっぱらスバン空港と呼ばれてましたが。

 

1998年にKLIAが開港して国際的な玄関口の座は譲り渡したものの、空港としては今でも国内線を中心に立派に現役であるそうな。KLIAが至って近代的で、その分、どこの国だとも知れない国際感になっている反面、スバンの方は「ああ、東南アジアに来たなあ」としみじみ感じる雰囲気が漂っておった気がします。

 

その時は翌朝のコタキナバル便に乗るため、ターミナルを出た目の前にスバン・エアポート・ホテルに泊まったですが、ここでもまたエキゾチック感を十二分に感じたものでありますよ。どうやら、このホテル、今は無いようですけれど…。

 

ともあれ、1998年開港というKLIAの方ですが、こちらも実はクアラルンプールの域外、やはりセランゴール州にあるのですけれど、クアラ市街地とKLIAの中間あたりにあるプトラジャヤ(ピンクモスクが観光名所)という町に首都機能を移転するという目論見が長らく進行中であるようで、新空港の立地もこれとの兼ね合いなのでしょうなあ。

 

で、黒川紀章設計によるという近代的なKLIAのターミナル、メインビルディングから離れて浮島状態のサテライト利用の場合は両者を「エアロトレイン」(新交通システムみたいな)が結んでシャトル運行している…はずなのですが、どうやら動いていないようす…(2025年1月現在)。

 

続々とやってくる到着客は連絡バスのピストン輸送でメインビルへ運ばれますが、なかなかこれが追い付かず長蛇の列ができておりましたですよ。

 

と、メインビルにたどり着くまでに少々時間を要したものの、2024年1月から導入(マレーシア政観HP)された「MDAC(Malaysia Digital Arrival Card)」(入国の三日前から当日までの間にWebで事前登録が必要)のおかげで、かつてここも長蛇の列になって入国審査は顔認証で至ってスムーズに通過できたのですなあ。ただ、あちこちで顔写真を撮られるのはうれしい話ではないですが、これもご時勢ですか…。

 

てな具合で到着ロビーにたどり着けば、さてとクアラ市内への移動ですな。いろいろと交通手段はあるのですが、やはり便利さではKLIAエクスプレスに敵うものはなかろうかと。なにしろ、乗ってしまえばクアラの街中にあるKLセントラル駅まで途中ノンストップで最短28分であるということで。

 

運賃は55リンギットと、他の手段に比べて格段に高いものの、日本円換算で2,000円弱。まあ、成田と都心の移動に京成スカイライナーを使うようなものではなかろうかと。車内は、ヨーロッパの普通列車のイメージでしょうかね。空港利用者のための列車ですので、バゲージスペースを多くとってある分、いわゆる特急という豪華さ、乗り心地を特に追及したものではないような。普通に快適というところかと。

 

さてと、KLセントラル駅まで到着すれば、あとはホテルへ…というのは普段の行動ですけれど、今回はお招きに預かった(とは大げさながら)身でしたので、駅の改札口で出迎えられ、タクシーですいっとホテルならぬ、招待者側の住まうアパートへと直行で。

 

アパートと言ってしまうとなんですが、結構な高層ビルがぼこぼこ並ぶ中、あれもこれもアパート物件であるというのですなあ。で、到着したアパートも36階に位置していて、窓から夜景を眺めればこのように。

 

 

眺望を誇るホテルではありませんので、ペトロナスツインタワーがシングルタワー状態で見えているのはご愛敬。ともあれ、翌日には街中に繰り出して…となるところながら、実はいろいろと障害が…。おいおい、そうした話になってまいりますですよ。