さて、牛たん弁当の一夜(?)を過ごしたのち、いよいよ石巻の町なかへと繰り出すことに。前日に仙石東北ラインで石巻駅に到着早々、思った以上に「漫画で町おこしであるか?!」感に溢れていたわけですが、駅前から続く目抜き通りといいますか、バス通り沿いには漫画由来とする数多の像が置かれているようで、曰く「石巻マンガロード」と。かようなマップもあったりする具合でして。
ただ、このマップをパッと見で「サイボーグ009ばかりでは?」と思われるのも当然でして、とにもかくにも石ノ森章太郎尽くしなのですよねえ。といって、個人的には(石ノ森というよりも)石森章太郎といった方が馴染むのですけれど(Wikiに曰く、1984年まで名字が「ノ」無し表記の石森だったので単純に「いしもり」と呼ばれていたのであると)、いずれにせよ、読みは「いしのもり」だったのですかね。
読みはともかく、石ノ森はそも石巻市のお隣、登米市の出身のようですけれど、映画好きだった少年時代、自転車で石巻の町まで映画を見に来ていたという所縁(?)があって、石巻の石ノ森推しに繋がっているのでもありましょうか。かくて、かのマンガロードは駅前から石ノ森萬画館という施設の方向へと通じておるというにことになるのでありましょう。
で、ことさらにマンガロードを辿って数多の像を見て回る…ということはしなかったものの、何せたくさん置かれてありますので、嫌でも?目に付いてしまうのですよね。ま、ここではその目に付いたあたりを振り返って、たくさんある度合の一端を思い起こしてみようかと思っておりますよ。まずは、目立たない場所で「こんなところにも?」と思った仮面ライダーから。
『仮面ライダー』は確かに石ノ森が漫画版を手がけていますけれど、実写版TVドラマの方が圧倒的に知られていて、驚いたことに(とは、もはや認識したおらず)2024年の今に至るもシリーズが続いているという、なかなかモンスターな作品ということで。
こちらのライダーは仮面は似たるもエネルギーを得るベルトが無いではないか…と思えば、『仮面ライダーBLACK』というシリーズ(1987~1988年放送)の主人公の姿だそうな。知らんなあ…(笑)。というのも、個人的には『ウルトラマン』指向で、少々下の年代が仮面ライダーに入れ込んで、駄菓子屋で「仮面ライダースナック」をたくさん買い込む姿を冷ややかな目で見ておりましたよ(あのスナックの味も好みではなくって…あくまで個人の感想です)。
てなことで、シリーズが長くなれば長くなるほど、仮面ライダー=石ノ森章太郎というつながりは薄れていったものと思うだけに、やっぱり代表作のひとつは『サイボーグ009』でありましょうね。001から009までそれぞれのキャラ立ちもなかなかですし、分けても主人公島村ジョー=009の印象はかなり強いような。子ども心に「かっちょええ!」、ときにしんみりもしたりして。そのあたりが、像の造形にも表れておるような。
なんとはなし倉吉で見て来たフィギュアさながらの9頭身?とも思ってしまいますが、しんみりした憂い含みはこちらのロボット刑事にも漂いますなあ。これはサイボーグやロボットという、「人間ではないのだ…」といった感情を根っこに宿しているからなのでありましょうか…。
石ノ森漫画には人造人間的な主人公が結構あるように思いますが、そのあたり、後に立ち寄ることになる「石ノ森萬画館」で何かしら気付くことがあったかどうか…は、また別のお話として余談ながら、このロボット刑事ですけれど、作品タイトルは『ロボット刑事K』だとばかり思い込んでおりましたよ。このほどちら見したWikipediaには「本番組のタイトルは『ロボット刑事』だが、主題歌でタイトルと主人公名を繋げて「ロボット刑事K」と歌われているため『ロボット刑事K』と誤解される場合もある」との記載がありました。『ロボット刑事K』は誤解だったのですなあ…。
ついでながら当然に、憂い含みとは無縁なキャラクターもいるところを見ておきましょうかね。
昭和のひと頃、子どもたちに中国系の方々が「あるよ言葉」を使っていると思わせる事にもなったサイボーグ006(張々湖・ちゃんちゃんこ)。昭和期アニメ版では石ノ森原作とは異なって子どもの姿の007との掛け合い漫才のようなやりとりが思い出されますなあ。
また、思いっきり子ども向けとしては『がんばれ!!ロボコン』のロボコンも石ノ森が生んだキャラクターでしたか…。とまあ、そんな具合に石巻の町なかをぶらりとすれば、石ノ森章太郎が作り出したキャラクターのあれこれに出会えるというお話でありました。