大阪・枚方市に淀川べりにあります淀川資料館を訪ねて、まずは魚の話に終始してしまいましたが、もちろん展示はそればかりではないのですよね。入館早々に出くわすこちらの大きなモニターが「淀川」なるものを掻い摘んで紹介してくれておりまして、じっくり見入ってしまったものです。

 

 

日本最大の湖「琵琶湖」を源とする淀川は、その上流部では瀬田川、中流部では宇治川と呼ばれ、京都府・大阪府境界付近で桂川、木津川と合流した後は淀川となり、大阪市をはじめとする近畿圏の中心部を貫き大阪湾に注ぐ流域面積8,240㎢、幹川流路延長75.1㎞の一級河川です。

琵琶湖を発した流れは、治水や利水(発電や水道利用)の関係で瀬田川洗堰や天ケ瀬ダムを経由して山間部を抜けると、大阪湾を目指して南西に流れ下るわけですが、流量をなおのこと増やすことになるのが宇治川、桂川、木津川の三川合流でありましょう。ちょいと前にそのありようを目の当たりにしたい思いから、京都・八幡市にある淀川三川合流域さくらであい館の展望塔に上ってみたりしたものでして。さりながら、やっぱり航空写真で見るのがいちばん理解しやすいですね(臨場感はいささかもありませんが)。

 

 

長さの点では他の大河川に見劣りするものの、流域面積の広さではトップ10に入る淀川がここから大河の印象を得て悠々と下っていくわけですが、流域の面積が広いということはその流域で暮らす人々も多いということになりますなあ。その数、1,210万人とはちょっとした驚きです。

 

 

それだけの数の人たちの生活を支える水の供給が淀川に頼られているのでして、その水の確保の話が出てくるのですな。仕組みのほどを、ちと淡々とお伝えしてみるといたしましょう。

 

 

 

 

と、ここまでは「ふむふむ」と見て来たものの、この次に出て来たスライドを見て「えええ?!」と思ってしまったのでありますよ。

 

 

まあ、もちろん再利用にあたっては都度都度、人体に影響の無いまでに浄化されているからこそ再利用できるわけですけれど、こうも繰り返し、使っちゃ浄化、使っちゃ浄化したものを水道水として使っていると聞かされますと、下流域の人たちにすれば「そうだったの?」と思ったりしないですかねえ…。東京の多摩地域にあっては、多摩川の水が…というのではないのですが、米軍横田基地からダダ洩れされた(と断言するのは疑義もあるらしいですが)PFASのせいで、井戸水利用などに大きな支障を来しているところでもありますので、ちと飲み水には敏感になってもおりまして。よもや、伏見の恵みの水にかような事態の無いことを願うばかりです。

 

てなことで、淀川の利水の一面を見て来たわけですが、この川にはまだ別の面でも知っておくべきことがあると展示は告げておるのでして、淀川資料館のお話はもそっと続くということになるのでありますよ。