桜島からフェリーでもって鹿児島市街へと帰ってきたわけですけれど、フェリーターミナルのすぐ脇に水族館があるとあって「寄って行く?」てな話になったのですなあ。はっきりとした理由なりを申し述べらないところながら、個人的にはどうも動物園よりも水族館の方に引き寄せられるものでして。近年でも、規模の大小はともかくも、福島県小名浜でも、静岡県焼津でも、神奈川県相模原でも、栃木県大田原でも水槽を前にして海の生きもの、川のいきものなどをしばし眺めたりもしたりしましたし。
とまあ、そんなことはさておき、立ち寄ったのは「いおワールド かごしま水族館」。魚(うお)のことを鹿児島弁では「いお」と言う(らしい)ところから「いおワールド」という愛称になったようですな。
で、うっかり入り込んだこちらの入り口は団体入口だったようですな。本来の入り口側からはエイ(魚です)のイメージと言われる、独特な水族館の外観が見えたのかもしれませんが…。ともあれ、エイを模した外観となれば当然に展示の目玉はエイであるのかと思えば、どうやらそうではなさそうで。黒潮大水槽という館内最大の水槽にエイともどもゆうゆうと泳いでいる巨大魚で夙に知られる水族館であると。
世界最大の魚と言われるジンベエザメ。映画『ジョーズ』に出てくるがちがちの肉食系ではなして、「気はやさしくて力持ち」的な存在であるようす。大量のプランクトンを食して、最大では20mにも成長するらしいのですが、こちらの水族館では「定置網に入ったジンベエザメの幼魚を5.5mになるまで飼育し、海へ帰しているということで、館内のビデオ上映では海に戻す大作戦のようすを見ることもできるのですね。
ところでこのジンベエザメ、なまじ気性おだやかなだけに捕獲しやすいのでしょうか、要するに中華料理などで使うフカヒレ用に乱獲され、絶滅危惧種になっているそうな。だからこそ、一定期間だけ展示し、当然その間にさまざまな研究もするのでしょう、その後には海に還すというスタンスをとっているのでしょうなあ。
もちろん水族館ですのでジンベエザメ以外の生きものもたくさん見られるわけですが、ちと目を引いたのはこちらのイセエビ。ま、鹿児島市街に至る以前に南九州市の「いせえび荘」でおいしくいただいてしまったこともありましょうけれど、こんなに立派な体躯と同時に色合いに目が向いて…。
また、特別展示室というコーナーでは「実は〇〇だった生きものたちPart2」という特別企画展が開催中でしたなあ(~2024年6月2日)。
「触れていないのに刺すクラゲがいる」とか「ホンゾウワケベラは鏡に映る自分がわかる」とか、生きものの不思議に迫るあれこれを解説していましたですが、同企画Part1段階から人気で、今回再登場したのがこちらであると。
「ハリセンボンの針の数は本当に千本あるのか?」という誰もが抱く?疑問に応えるべく、一本一本勘定したような次第。結果としては個体差があるようですけれど、名前の半分にも満たないようでして、展示では300本あまりだったような(すいません、正確な数は忘れました…)。
ちなみに、訪ねたときにちょうどタイミングが合いましたので、イルカのイベントを見にプールへと。要するに「ショータイム!」とか思えば、「イルカ研究所~イルカの見ている世界~」というテーマのもと、「イルカたちが目や音を使って周りを見る能力について、実験をおこないながら紹介」するという体裁。もちろん、イルカくんたちの大ジャンプあり、大宙返りあり、そのたびにプールの水がばっしゃばしゃ跳ねて、なまじ近くに陣取った観客はずぶ濡れになっていたりしたわけですが。
てなふうに、かごしま水族館をひと巡りして一日の観光は終了。ホテルに帰ってひと休みの後、晩飯に繰り出した先が海鮮居酒屋であったとは、許されよ、海の生きものたち。それとこれとは話が別で…と言ってよいかどうか…。