栃木県那珂川町の、その名の由来は町を那珂川が貫流しているからでしょうけれど、

那珂川と聞いて、まず思い浮かべるのは茨城県であるような。

水戸の先で太平洋に注いでいることを知るばかりで、その途中の流域がどのようになっているか、

考えたこともありませんでしたが、那須を源流とする関東地方では3番目に大きな川であるとか。

 

 

そんな那珂川の恵であるたくさんの川魚をメインに、海無し県栃木だけに県内唯一の

水族館として知られる「なかがわ水遊園」を訪ねてみたのでありました。

(場所は那珂川町のお隣、大田原市になりますけれど)

 

 

先に水族館と言いましたですが、実は緑の芝が広がる大きな敷地に

子どもの遊び場があれこれ用意された複合施設でもありまして、家族連れなら一日遊べる場所でもあると。

大きな池には睡蓮の群生も見られたりしたですが、天気が悪いのでさしあたり屋内の水族館のみ一巡りでした。

 

 

とまれ、水族館だけでも結構たっぷりした展示内容でして、

那珂川ゾーン、世界の川ゾーン、あこがれの海ゾーンで構成されているのですね。

最初はやはり那珂川、その生き物との関わりはこんなふうに説明されておりましたですよ。

那珂川には、川で生まれ海で育つ魚や、海で生まれ那珂川の清流で育つ魚など50種以上の魚類が棲んでいます。また、魚たちだけでなく、動物や昆虫、植物など川とその周辺に棲む生き物の命を育み、私たち人間の生活にも大きな影響を与えています。

 

さまざまな淡水魚の水槽が続く中で、「へえ~」と思いましたのが一番右側の魚「ギンブナ」でして。

なにしろギンブナにはメスしかいないと。地域によってはオスも見かけるようですが、

少なくとも栃木県内ではメスばかりであるらしいのでありますよ。

雌雄同体とかいうわけでもなく、ギンブナの繁殖のからくりはこのようなことだそうで…。

ギンブナの卵はドジョウやコイなどほかの魚の精子で受精します。受精卵が育ちはじめると精子の遺伝子はすべて卵の外へ出されてしまい、メスの遺伝子だけで卵が育つため、雑種の魚が産まれることはありません。産まれた子どもはすべて、メスと同じ遺伝子をもったクローンのギンブナとなります。

なんだか、他の魚が滅んでもギンブナだけは生き長らえる…てな、底知れなさが窺えてしまうような。

と、気分を変えて次のコーナーに移りますと、やおら魚が巨大化していたり、狂暴なのだったり。

世界の川ゾーンと言いつつ、そこに再現されているのはアマゾンの世界なのでありましたよ。

 

 

しかし、このゾーンでは魚以上の人気者がいるというのですが、それがこちら。

カピバラはアマゾンに棲む生物だったのですなあ。

 

 

カピバラさんの気分次第ながら、時にはじゃぶんと水槽に入って魚ともども遊泳する姿が見られるとか。

それが人気のひとつでもあるようですけれど、運をカピバラさんの気分に任せるしかなく、

このときはじいっと水面を眺めるばかりだったようで…。

 

さて、園内を回遊して最後のコーナーが「あこがれの海ゾーン」、

これまで見てきたところとは違って一気に色彩豊かな世界が展開しておりましたよ。

 

 

それにしても、海の魚コーナーに「あこがれの~」と謳ってしまうあたり、

内陸県・栃木らしさが現れているのでもありましょうか。

 

訪ねる段階では「ああ、近くにこんな施設が…」というだけで来てしまいましたけれど、

想像以上に展示も設備もしっかりした施設であったことにびっくり。

「U字工事の旅!発見」ではありませんが、「めっけ!」の気分になったものでありました。

(と、このTV番組を見たことのある人は全国的にはかなり少ないとは思いますが…)