鹿児島県・大隅半島の突端にあたる佐多岬を訪ねたことでひとつ目的を達した感がありますな。続いては来た道をちと引き返すことになりますけれど、錦江湾(鹿児島湾)の湾口近くを渡って薩摩半島側へと移動すべく、フェリーなんきゅうの乗り場に向かったのでありますよ。大隅半島側の乗り場は南大隅町の根占港にあるのでして。

 

実は雄川の滝をひと巡りして佐多岬へと向かう道すがら、「道の駅ねじめ」に立ち寄って昼飯タイムをとったのですが、港のあるのはもそっと北側のようですな。ともあれ、余談ながら道の駅のことに触れますと、なんとも小ぢんまりとした施設でありましたなあ。

 

 

ここでもやっぱり「日本本土の、いちばん南の道の駅」と看板にありますが、佐多岬のところでのように突っ込むのやめにしておくとして、併設レストランの話ですけれど、小ぢんまりとしつつも、テラス越しの眺めの良さはいいですねえ。気分は南国リゾートといったふうにもなりそうな。うすぼんやりしてますが、開聞岳も見えています。

 

 

でもって肝心なのがランチです。海が目の前だけに海鮮ものをお得意にしているのは想像のつくところながら、ご当地根占はヒラマサ推しのようでしたなあ。「高速で泳ぐため、筋肉しっかり」というヒラマサをメインした数量限定の海鮮どんをいただいた次第(数量限定に釣られやすい…)。

 

 

たっぷりした切り身が隙間なく並んで、じっくり味わいましたですが、ふと気付かされたのは「鹿児島の醤油も少々甘めであるのか…」ということ。ちょいと前に訪ねた長崎で、地元では当然に甘めの醤油ということを聞いたわけながら、「鹿児島よ、お前もか…」と。ま、郷に入らば郷に従えということで。

 

 

と、昼めしに関わる余談はともかくとして、フェリー乗り場の根占港へ。早めに到着しましたので、乗船順位1番の場所で船を待つことしばし。薩摩半島の山川港から折り返しの便が見えてきましたが、思いのほかフェリーなんきゅう、船が小さめな気が…。

 

 

 

鹿児島県の半島部、取り分け大隅半島側の自治体は過疎化が進んでいるとも聞きますので、船の大小は物流量の見合いということにもなりますかね。運航会社HPの船舶紹介には「積載能力: 大型車2台と乗用車6台、旅客95人 ※普通乗用車だけなら18台程度が積載可能」と。

 

 

見たところ、そんなに載せられるのであるか…と思ったりしましたが、そこはぎりぎりに詰め込む日本人らしい技の冴えがあってこそかもですね。余談ながら、先日見かけたNHK『探検ファクトリー』では東京・葛飾区の鉛筆製造会社を紹介して、鉛筆発祥の英国由来であるのか、規格の決まった大きさの板から

6~7本の鉛筆が加工されていたところを、日本人の発想でぎゅうぎゅうに詰めて削り出すことで9本作れるようになった…てなことも、書いていて思い出した次第です。

 

ともあれ、乗船時間は50分ほど。夕暮れ時の出航でしたので、薩摩半島側の山川港に着く頃には夕陽でシルエットになった開聞岳の姿が大きく見えたものでありますよ。なるほど薩摩富士と言われる山の形ですなあ。

 

 

ということで、錦江湾(鹿児島湾)の湾口をフェリーで渡りまして、到着した山川港は指宿市ということになります。先日、NHK『ブラタモリ』でも訪ねていた山川港ですが、この港自体がカルデラのようでいて、カルデラとは異なるマールというものであると紹介していましたですねえ。カルデラが火山噴火によって地中のマグマが噴出し、空洞ができたところに地表が陥没してできるのに対して、マールの方は水蒸気爆発でどかんと吹き飛ばされた跡である、ということだったかと。

 

この後、薩摩半島内を少々巡って鹿児島市を目指して進むことになりますが、まずは(ブラタモリに曰く)火山銀座の指宿市で一泊ということに。続く。