JR横川駅とはもはや繋がっていない線路に導かれてたどり着いたのは「碓氷峠鉄道文化むら」なのでありました。線路は園内(というか、むら内?)に繋がっておりますが、堅く門扉が閉ざされていて、中には誰もいないように見えるところからすると、訪ねたのは月曜日ですし「閉園日?」と思ってしまいますな。観光施設には珍しく月曜営業、火曜休業と、予め調べはついていたにせよ…。何せがらん…としておったもので。

 

 

ついつい入場券売り場の方に「やってます?」と。もっとも休園日だったら、入場券売り場が開いているはずないのですけれどね。ただ、売り場の人もようすを察したのか、「昨日(の日曜日)は賑わっていたんですよ」と。おぎのやの話ではありませんが、いささか危機的状況かと、ちらりよぎった心配は杞憂でありましょうかね。

 

ともあれ、入場券(昔の切符、いわゆる硬券を模したもの)に挟みを入れてもらって園内へと進む際、「ところでトロッコ列車は…」と尋ねかけたところ、少々きょとんとされて「トロッコ列車が走るのは土日祝だけですが…」という宣告が下されたのですなあ。予め休園日の確認は怠り無かったものの、開いてさえいれば走っているものと勝手に思い込んでおり…。まあ、園内のようすを見れば、休日オンリーというのは頷けてしまうところ。これで走らせていたら、おそらく貸し切りにも近い状態であったでしょうし。

 

 

ちなみに乗れたら乗ろうと目論んでいたトロッコ列車はこんなふうにいかにも観光仕様になっておりましたよ。かつて碓氷峠越えの路線として実際に使われていた線路を登っていった先で、アーチ型の橋梁やらトンネルやらの鉄道遺構を巡って遊歩道を歩いて下りてこようという作戦は、別の機会に送ることになってしまいましたですが、ここはひとつ気を取り直して、正面に大きく見えている「鉄道展示館」なる建物へ向かったのでありました。

 

 

元来、鉄道文化むらは国鉄以来の車両基地(横川運転区と言ったらしい)で、いかにもそうした場所にありそうな上屋がそのままに転用されているあたりも、鉄分の多い方々なら心躍るところなのかも。ですが、皆がみな鉄分が多いわけではありませんから、オリジナル・キャラクターを設けて集客の一助になれば…ということでありましょうかね。

 

 

まあ、こうした傾向は何もこの場に限った話ではありませんでそこここで見かけるわけですが、そのキャラクターというのが往々にして女子であるのは、かつて鉄道マンと言えば男の仕事的だったものが、今では運転士にも車掌にも、おそらくは保線区というそういう仕事でも男女関わりなく働く場となってきているでしょうから、昔とは違ってきてるんですよというアピールが込められているかも。さりながら、結局のところ女子キャラを集客の材料としようというのが、そもそも「うむむ…」のような気がしないでもない。勘ぐりすぎですかねえ…。

 

余談ついでに集客という点では、上の写真で見た「鉄道展示館」なる建物の手前、入口を入ってすぐに広がる「シンボル広場」には子どものための遊具がたくさん置いてあって、親子連れの客を意識しておるようですなあ。

 

 

さりながら「鉄道展示館」の上屋はもとより、上の写真の左側に見えている建物(鉄道資料館となっていて、後で見学しますが)もかつて車両基地であった時代に使われていた建物をそのまま利用していて、いずれも結構な年代もの感を醸している。後者はおそらく横川車両区の事務棟とか、宿直要員の仮眠施設とかがあったのでありましょう。とまれ、そんな印象なだけに、手前の子ども用汽車ぽっぽなどと併せてみると、場末の遊園地然とした雰囲気を自ら演出してしまってもいるような。

 

同様の子ども向け施設は埼玉・大宮の鉄道博物館にもあって、置かれていること自体悪いわけではありませんですが、もそっと大人にアピールするもの、それこそ奥まったところに配置された実物車両の展示場が前面に押し出されてもいいような気がしたものです。もっとも、ここまでやってくる観光客は園内のようすを垣間見て入園するのでなくして、予めここを目的地として来るのでしょうから、通りすがりをつかまえる心づもりはさらさらないのかもですが、それにしても…と思ってしまったような次第でありまして。

 

と、「鉄道展示館」に向かっていきながらもその手前のところで引っかかってしまって余談が長くなりました。展示館のようすはじっくりと次に振り返ることにいたしましょうかね。