女子美アートミュージアムを目指して女子美術大学の相模原キャンパスを初めて訪ねたのですけれど、キャンパスを取り囲むように緑が広がっている。市が運営する相模原麻溝公園、そして県立相模原公園という違いはあまり意識する必要もないくらいに一体化して、女子美を取り囲んでいるのでありましたよ。と、そんな広い公園内にひときわ高い塔が建っていましたので、「もしかして展望台でもあるか?!」と近づいていってみたのでありました。
この、正式名称をグリーンタワー相模原というらしい塔は相模原麻溝公園の方にありまして、その足元には芝生広場やフィールドアスレチック、さらにはふれあい動物広場なんつう施設まであるので、お日柄も良く子どもたちがわんさかおりましたな、小学校低学年だか幼稚園だか、団体でやってきていたようすの子供たちは何度も来ているのか、展望塔にはおよそ近寄らずに広場を駆け回る方に余念がない。結果、これだけ目立つ建物なのに、高さ38mという展望室はがらがらでしたが、周囲に遮るものがありませんので360度の眺望が見渡せるのでありました。
西方に丹沢の山々を望むのと、南に下っていく稜線の先には海(相模灘)があるという点で、「ああ、神奈川県であるなあ」という気がしたものです。反対方向、東側には東京スカイツリーも望めるということらしいのですが、どう目を凝らしても「あれ、かな…」くらいな感じ。ま、遠いですからねえ。
でもって、北側のすぐ目の前には県立相模原公園が広がっています。左下に見えている橋から先が県立公園、ちとそちらも覗いてみることに。「りりちゃんばし」(というらしい)の上からは、女子美の建物がよく見えましたですよ。
ところで県立公園側に入ってすぐと目につく大型構造物がありました。どうやら「サカタのタネ」として知られる(といって全国区として通用するのかは分かりませんが)種苗会社が手掛けている大温室だそうで。
こちらの大温室を見るのは有料(といっても100円)でして、だからというわけではありましせんが、今回はパスったのでまた女子美で別の展覧会の折にでも訪ねてみましょかね。で、「サカタのタネ グリーンハウス」の向こうには、公園自慢の?フランス式庭園が広がって、時折噴水が噴き出しておりました。
左右に並ぶのはメタセコイアの巨木並木で、その木陰に当たる裏手の小道には女子美ゆかりでしょうか、彫刻造形作品が点々と並んでいたりも。散策、思索に打って付けではなかろうかと思うところです。
真ん中の作品は「distortion」(歪み)というタイトルですけれど、先ごろに小惑星りゅうぐうで炭酸水が発見されたことから、水の誕生は小惑星の激突にもよるのでは…という話があっただけに、そんなイメージに擬えて眺めてしまったもしましたですよ。
てな具合で、女子美に来たついでの公園そぞろ歩きのひととき。折しも昼飯どきとなって、園内のカフェでそばめし(数量限定というのに、つい釣られ…)&ビールでランチを。こんなふうにテラス席で昼からビールを飲んでおりますと、すでに3年ほどご無沙汰となっている海外への旅、その最後が2019年夏の「ゲーテ街道紀行」だったわけですが、なにやら懐かしく思い出されたりもするところです。まあ、まだしばらくは今回の公園散策のように、近くで「!」とか「?」との遭遇を楽しむことになりましょうかね。