てっかり晴れたり、ざんざと降ったり。冷房つけちゃおかというほどに暑くなったり、暖房恋しと思うくらい寒くなったり。まったくもって猫の目天気が続いておりますけれど、思いがけないほどに好天が巡ってきたことでもあり、友人との間で予て懸案の低山ハイクに出かけてきたのでありますよ。

 

低山ですので「予て懸案の」とは大仰ながら、三浦半島の鷹取山から神武寺へと歩いたのが2019年の2月。「また出かけような」と言っていたものの、その後はご存知のとおり新型コロナウイルスの襲来に曝されて、「そのうちに、そのうちに」と先延べしているうちに現在に至るという次第。ともあれ、待った甲斐のある良い天気に恵まれたのでありました。

 

今回出かけましたのもまた神奈川県。箱根あたりにでも向かうのか、結構乗っているという印象の小田急線を本厚木駅で下車。、バスに乗り換えて30分ほどでしょうか、いつしか市街地を外れ、山里らしい景観が現れたところ、飯山観音前のバス停から歩き始めることに。

 

 

あたりは一帯は「飯山白山森林公園」という自然公園となっているようで、里山ハイクにはうってつけのようす。その入口として、まずは飯山観音こと飯上山長谷寺へと向かいます。のっけから長い段々ですなあ。

 

 

 

 

早くもひと汗かいたところで、山門(仁王門)に到着です。白木が妙に新しさを見せておりますが、2020年に大改修が施されたのであるとか。

 

 

それでも手前の柱で分かりますように、古い部材で活かせるものは使って、新しいものと組み合わせてあるようですな。安置されている金剛力士像は宝永六年(1709年)のものだそうですから、かつての門もその頃に造られたのかもしれません。ただし、創建は古く、行基によって神亀二年(725年)開かれた古刹ということです。

 

 

それだけに本堂(観音堂)手前には、樹齢400年と伝わるイヌマキの巨木があり、鐘楼に下がる銅鐘もまた室町時代、嘉吉二年(1442年)と刻まれているのだとか。

 

 

さて、本堂の観音堂です。建物としては18世紀中頃の建築ということで、仁王門よりはちと後になりましょうか。それでも十分な年代ものですけれど、これを保つのはやはり大変なようですな。とりわけ、このあたりは人里近いにも関わらず、野生動物が多いそうな。

 

 

お堂の開口部には全て網が張ってあるのですな。動物の侵入除けだということでありますよ。このことはこの後、ハイキングコースに入ってすぐにまた思い知らされることになりますが、これはのちのお話。

 

ところで、飯山観音と通称されるごとく、ご本尊は木造十一面観世音菩薩立像(年に3回ほど御開帳とのこと)でして、坂東三十三観音霊場の第六番礼所となっている…ということなのですが、古刹であり広く知られてもいるものの、参拝に訪れる人もおらず…。まあ、時季が時季なれば三千本もの桜がに山が染まるという名所なだけに、たくさんの人が訪ねてきた後だったのでもありましょうかね。とまれ、かような飯山観音のお堂の脇から、いよいよハイキングコースへと入っていくのでありました。