MFM(ミートフリーマンデー)」のことを書いていて、

思い出したのはEテレ「サイエンスZERO」の2月6日放送分でありましたよ。

 

その前回の放送終了時、次回予告で「昆虫食」の話が取り上げられると聞き及び、

これを見るのはちと無理…と思ったところながら、ついうっかりと(?)録画予約をしてしまっていたようで、

迷った末に結局見てしまいました。ずばり!「もうムシできない!“昆虫食”が世界を救う」でありました。

 

2013年に国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した報告書に「食品としての昆虫の活用」が記され、

世界的には「じわじわ来てるな」感を抱いたのは、しばらく前に見たドキュメンタリー映画『0円キッチン』から。

2015年制作の映画に、ミールワーム(要するに食用の虫ですな)の養殖風景が映し出されていたことからも

察せられたわけですけれど、じわじわは日本にもすでに到達しておるようで。

 

じわじわにしても昆虫食が拡大傾向にあるのは、

「地球の食糧不足・貧困・環境問題を解決する切り札」と目されておるからなのですなあ。

 

例えば、牛肉を食用にせんがため飼育する場合には、森林を伐採して牧草地の面積を広げなけりゃならんとか、

牧草を反芻しながら食す牛のげっぷがそのままメタン放出になっているとか、いろいろ問題ありですが、

食用コオロギを飼育する際に、必要となるエサ(基本的には草ですな)の量は牛の5分の1、

使う水の量は77分の1、そして飼育で生ずる温室効果ガスの量1780分の1という、エコ仕様なのだとか。

もちろん、人にとっての食料となる同じ量で換算した場合に、ということで。

 

ちなみに、必要な水の量がかなり少ないのは、「食べ物として取り入れたタンパク質やアミノ酸を

分解する過程で出る「アンモニア」の処理の仕方」に、ヒトを含めた哺乳類と違いがあるからだそうです。

 

哺乳類の場合、「毒性のあるアンモニアを「尿素」に変えて、…尿として排出」するため、

大量の水を摂取する必要がありますけれど、昆虫の方はアンモニアを「尿酸」に変え、

「半固形状、あるいは固形状の状態で、糞と一緒に排出」するので、多くの水が必要ないと。

 

その点では、昆虫を食べることそのものはとりあえずも、昆虫の体内アンモニア処理の方こそ

何かしらヒトにも応用できないかと思ってしまいますなあ。

全国に1300万人余りもおられるという腎臓病の方々に朗報となる成果が期待できそうな気もして…。

 

てなことで、「昆虫食」はいいことづくめ…ということのようなのですけれど、

やはりどうしてもその姿かたちがそのまま料理に乗っかって出てくる形には「むむむ…」となりますなあ。

コオロギを乾燥させ、粉末にし、これを配合して焼いたクッキーあたりならば、

手の出しもあるところながら。

 

ところで、昆虫を食として注目するのは「高たんぱく」であるということでもあり、

先にも触れましたように、牛の飼育が地球環境に与える負荷の軽減と考え併せるならば、

もっぱら食肉の代用食としての意味合いもあろうかと。

 

個人的にはおよそ肉への固執はありませんので、

まあ、すぐさま「どうしても食さねばならん」ということもないのでは(と、手前勝手な…)。

 

映画『0円キッチン』で紹介されたミールワームの養殖は、オランダでのお話でありました。

以前、オランダ、アムステルダムの飲食店街で肉押しの店ばかり見かけたと申しましたですが、

まさにそのオランダでミールワームが増産されている(もちろん、オランダだけの話ではないとしても)。

 

やはり、肉は食べたいがこのままでは無理という考えがあってこそと想像すれば、

やがては「牛肉代わりに昆虫食はいかがでしょうか」てなことになったりするかもしれませんなあ。