ビートルズのことを書いていて思い出したのですけれど、
ちょいと前の新聞(調べてみれば、1月26日の東京新聞夕刊)にポールの名前が出ていたなあと。
音楽ともビートルズとも関係の無い記事ではありますけれど。
英国では元ビートルズのポール・マッカートニーさん(79)が09年、いち早く家畜と温暖化の関係を訴え、「ミートフリーマンデー(MFM、月曜日だけ肉を食べない)」運動を提唱した。
これを見かけて思ったことは、週一回でも肉食を抜くことを有名人が声を挙げて
「運動」として取り組まねばならないほどであるのか…ということなのですなあ。
西洋人の肉食文化(?)は昔からあったにせよ、そんなに肉ばかり食しているとは?!と
思わずにはいられないわけでありまして。
ここでは肉抜き運動の理由として、「家畜と温暖化の関係」が挙がっておりますな。
「家畜の中でも、特に牛と羊は胃袋が四つある反芻動物で、温室効果ガスのメタンを多く排出する」と同時に、
「牧草地を作る際の森林伐採に伴う二酸化炭素(CO2)の増加など」も問題となっている…と記事を見れば、
確かに地球温暖化への影響は大きいのだねと思うところです。
さりながら、それ以前に欧米の方々の体型を思い浮かべてみるとき、
(といって全てが全てではありませんし、欧米に限ったことでもないですが)
その尋常とも思えぬ肥満の具合だけとっても、バランスの良い食事など度外視されているのではとも。
つまりは、地球温暖化への影響もさりながら、そも個々人の健康に関わる問題なのではないかいねと。
2018年の夏にアムステルダムに行った折、何か食事をとレストランの並ぶエリアをうろうろしましたですが、
その時に「何だか肉系の店ばかりだなあ」と思ったのですよね。元来、肉食を好む人たちに対して、
肉の料理を提供する店が膨大にあるという需給関係、これはこれで均衡しているのかとも思うところながら、
実際にはドキュメンタリー映画『ありあまるごちそう』でも見たとおりに、生産過剰と思しき大量生産の結果、
それに見合う消費を促さなくてはならない(例えば肉を安く提供するとかいう)方策の結果なのではなかろうかと。
これを考えるとき、何もアムステルダムの街角での話ばかりでなくして、
東京のいわゆる繁華街に並ぶ飲食店、居酒屋などにも「肉」を売り物にする店が異常に増えていることに
思い至るのですなあ。こんなに肉押しの店が並んでやっていけるほどに、皆、肉を食しているとすれば、
やはり生産過剰(安くするために、結構「食」として危うい部分もあるように思いますが)のスパイラルに
日本もまた巻き込まれておるのであろうなあと思うのでありますよ。
かつては「安かろう悪かろう」と、「安い」ことには安いなりの「何か」があるものとして受け止めたですが、
昨今は(経済の低成長が続いていることもあり)「安さ」を手放しで喜ぶようなことになってはおりませんでしょうか。
もちろん消費者の側にとって「安い」というのは有難いことですけれど、
経済という周り回ってもとに帰るような仕組みの中では、必ずどこかに、何かにしわ寄せが行っておりましょう。
だからといって、逆に高ければ信用できるということでもないでしょうから、
モノひとつ買うにも熟慮が必要なのかもしれませんですねえ。
ところで、ポールのベジタリアン歴はもはや30年にもなろうかということのようですけれど、
そもそもポールがベジタリアンになった背景には、子供の頃に出かけた魚釣りの思い出があるそうな。
釣り上げた魚が目の前にピチピチしているのを目の前にして、「この魚の命を奪ってしまうのだな…」と思い至った。
これがどうやら遠因であるそうでありますよ。
子供の頃には、東京の東、荒川(放水路)の河口域、つまりは海も近いわけですが、
そんなあたりに住まっていて、ずいぶんと釣りには出かけたものですけれど、
釣り上げた魚を見て、「やったぁ!」くらいにしか思わなかったことに比べると…。
まあ、こんな比較は全く詮無い話ではありますが、
かといって今さらにしてやおらベジタリアンを指向するものではないものの、
さまざまな食材(それが動物由来にせよ、植物由来にせよ)をそれぞれに有難く思いつつ、
ほどほどに食してまいろうとは思っておる次第でございます。