先日来、立川市の昭和記念公園を訪ねつつも
無料入場エリアにある花みどり文化センターの展示だけしか見ていなかったわけですが、
このほどようやく(入場料を払って)公園内部をそぞろ歩いてきたのでありますよ。
当初の思惑としては、花みどり文化センターで写真展を見たりしたところから、
園内をぶらぶらして、いわゆる「映える」景色でも切り取って…と思っておりましたけれど、
どうも気持ちの向く先はあっちこっちで、雑多なものを撮ってきてしまいましたなあ(笑)。
差し当たり、中に入ってまず「昭和記念公園って、こんなにあちこち、彫刻があるのだったか…」ということ。
さりげなく佇む彫刻たち、その気になって探してみると結構な数を見かけたものですから。
なぜかしら空を仰いでいる姿ですなあ。「空に憧れて…」と言ってはユーミンの歌になってしまいますが。
ま、うつむき加減のもありましたけれどね。
ともあれ、この辺までは人型の彫刻であるわけながら、それがだんだんと崩れて?
抽象的な彫刻作品へと移行していくのですなあ。そんなふうに進むにつれ気付いたですが、
その移行期的作品がこちらでありましょうか。
まあ、まだまだ人型とは言えるものであるうちは目に留まりやすいようではあるのですけれど、
本格的に?抽象化してきますと、なぜかしらより目立たないような場所にあったり、
そうでなくても何だか自然の中に溶け込んでしまっていたりするような。
例えばこの「怒る鬼太郎のおやじ」的なるオブジェは、ほとんど人が通らない木立ちの中ですし、
下の小さい作品はなどはアートを探す目でおりませんと、完全スルーしてしまいそうです。
そして、自然の中に溶け込んでしまっているのは、こんな作品でもありましょうか。
石が「T」字型に組まれていて、およそ自然の姿であるはずもないのですが。
さりながら見ようによっては廃線になった鉄道がかつて通っていた鉄橋の橋脚のようにも。
そうした印象から来る廃墟感が、旺盛に繁茂する自然と妙に調和しているような気もしてくるわけですね。
ただ、奥の方にやおら見えてきたパンパス・グラスの方が、ともするとアート的なるものでもあるような。
インスタレーションにありそうではありませんか。
と、最後にご覧いただきますのはバランスが気になる作品。
重さのありそうな鉄製のキューブを微妙な加減に組み合わせてあるだけに、
崩れそうな気がして、いささかハラハラしてしまったりも。
なんだかすっかり、彫刻を見るために昭和記念公園に出かけたようにもなってしまいましたけれど、
それだけでは無いのでありまして…というあたりを、この次にご覧いただきたく存じます。