立川の昭和記念公園花みどり文化センターで、ぶらり見て回った展示の三つ目は
「国営公園はなまっぷ」展というもの。全国に国営公園なるものは全部で17カ所あるようですが、
ここ昭和記念公園もそのひとつ。そんな関係からでしょう、全国の国営公園で見られるたくさんの、
そして色とりどりの花の写真を、回ごとに公園をいくつか選んで展示を続けていくシリーズ展として
開催されているようでありますよ。
開催中の第2回展では、北海道札幌市の滝野すずらん丘陵公園、宮城県のみちのく杜の湖畔公園、
そして新潟県の越後丘陵公園がクローズアップされておりまして、展示のようすはこんな具合です。
会場のようすの写真よりもフライヤーを見た方が「なんと素敵な花畑!」と思うところですけれど、
そういえばと思い出すのが四国・香川県の讃岐まんのう公園ですな、そういうえばここも国営公園だったと。
溜池大国である香川県にあってひときわ大きく、日本最大とも言われる満濃池に隣接して公園はありますが、
つい先頃に放送されていたNHK「よみがえる新日本紀行」では「満濃太郎〜香川県讃岐平野〜」として
満濃池が取り上げられておりましたっけ。
と、ここから先はもっぱら満濃池の話になってしまうのをご容赦願うといたしまして、
その昔、弘法大師が開いたとも言い伝えられる満濃池は水に乏しい土地にとって実に実に大切な場所。
「ブラタモリ」では水に乏しい場所ならではとしてうどん文化が根付いてきたことを紹介していたものの、
人はうどんのみにて生きるにあらず、やはり稲を育てるためにはどうしたって豊富は水が必要なのですよね。
先の「新日本紀行」は元々1972年の放送、大阪万博で日本の発展を声高らかに歌い上げたその近く、
香川県ではその頃も水争いが切実な問題として現前していたのであるなあと改めて思い知ったような次第です。
近隣農家としては、満濃池の水のたまり具合、開放された水路がどれほど下流の田んぼまで潤してくれるのか、
そのようなことを死活問題として話しあっていたわけです。
山国でもある日本は山の保水性の発露として水に恵まれていると考えがちですけれど、
そうでないところもあるのですよね。昨年、湧水を巡って歩いた八ヶ岳山麓でも、
あちこちで水が湧いてとばかり考えてしまうところながら、実際には三分一湧水と言われる疏水の分岐に
工夫を凝らしたような場所があったりもしますし。
また、かつて熊本に訪ねた通潤橋は山の上の土地に水を引いてくる手段として、
大がかりな水道橋が造られた、それが通潤橋であったわけですし。
暑い暑い毎日にあって、蛇口をひねればじゃあっと水が出てくるのを当たりまえのように考えてしまうながら、
江戸・東京でも玉川上水の掘削という大工事もあったのですし、今一度ありがたみを噛みしめる必要は
ありそうですなあ。夏盛りの今なればこそ、ありがたさはひとしおですから。