夏の水場は何とも清涼感のあるものでして、先に富士山の湧水に接してつくづくそのように。

で、これに味をしめてというところでもありますが、今度は八ヶ岳の湧水を巡ってきたのでありますよ。

 

まず向かったのはJR中央本線・小淵沢駅から徒歩で30分ほどになりましょうか、

(今回は車便乗ではありませんでしたので、実によく歩き回りました…)

大滝湧水公園と言う場所、ここは看板にもありますように(といって小さくて見えませんが)

環境庁選定による名水100選のひとつということでありまして。

 

 

湧水の場所はこの鳥居の先に小さく見えるトンネルで中央線の線路を潜り抜けた先。

山の斜面に広がる木立の中に、大事な水を守る神様でしょうか、大滝神社とともにありましたですよ。

 

 

説明書きによりますと、この神社の起こりは「武淳別命が当国巡視の折、清水の湧出をご覧になり、

農業の本、国民の生命、肇国の基礎と賞賛し、自ら祭祀し」たことからとありましたですが、

これは崇神天皇十年(西暦ではなんと紀元前88年)に四道将軍のひとりとして東方に派遣されたという

武渟川別命(たけぬなかわわけのみこと)のことのようで、どうやら説明板は誤字であるような。

 

とまれ、武渟川別命が(おそらく)「おお!」と思って神社を起こしてしまったという、その湧き水。

社殿のすぐ隣に、こんこんとどころでない勢いで湧き出しておりました。

 

 

もそっと奥の崖から沁みだすわけですが、これが集まり木を刳り貫いた樋を伝ってくるころには、

勢いよくほとばしり出て、滝のように流れ落ちているという。まあ、大滝と言いたくなる気持ちも分かりますですね。

 

 

八ヶ岳南麓高原湧水群のひとつとされるように、

八ヶ岳連峰に降った雪や雨が伏流水となって標高820mのこの場所で湧き出している。

社伝によりますと「井戸水が濁った時にはこの湧水を井戸に注ぐと清澄になる」と伝わるだけあって、

この湧水は「おいしい水」として知られているということで。

 

そういう清水だからこそでしょうか、神社では(?)わさび栽培をしているようです(ちなみに遠景は南アルプス)。

帰りがけに小淵沢駅に入っている売店を覗いたところ、ここのわさびを売っておりました。

小さいものを買って帰りましたので、その後に蕎麦などに添えておいしくいただいておりますよ。

 

と、話を当日に戻しまして、水源からちょいとぐびっとやっただけでも「うまい!」と思ったくらいですので、

昼飯に立ち寄った近所(といっても、暑い中結構歩きましたが)のお店で出されたお冷がなにより美味かったなあと。

思ったとおりに、大滝湧水を汲んできたものであるということでありましたよ。

 

 

ということで、激しい暑さのなかではありましたですが、清涼な水を求めて歩き回り、

水場に辿りついたときにマイナスイオンに包まれる。これはこれで爽快なものでありますなあ。

もっともマイナスイオンなるものの効果のほどは、いわゆるプラシーボ的とも思われるものの、

気分爽快なればそれはそれで何よりではなかろうかと。

次は清里の湧水に向かいます。