さて、栃木県宇都宮市にある「石のまち大谷」を巡ってさらに奥へと進んでいきますと、
観光スポットとしてはもっとも知られた場所へとたどり着くのですなあ。
右を向いても左を見ても、あたりじゅう人工的に石を切り出した痕がありありのちと奥まった場所、
その片隅に大谷資料館はありました。しかしながら、上物の建物は小さなガイダンス施設なのでして、
メインはその建物の下に広がる地下採掘場跡、TVドラマや映画のロケに使われたりもするそうで。
リーフレットによりますと、古くは1981年の映画「セーラー服と機関銃」(どんなシーンだか思い出せん…)、
近年では東方神起のPVや映画「翔んで埼玉」の撮影で使われたということでありますよ。
とまあ、そんな地下空間のイメージとしては、いつになく大きめの画像でご覧いただこうかと。
掘りも掘ったりの印象がありますなあ。
地上との行き来は右手に見える階段で上り下りするのですけれど、
正面ある大きな斜面は切り出した大谷石を運ぶために大型トラックが通ったのだとか。こんな地下ですが。
ところでこの辺に見えている切り出し後の壁面はなんとなく職人による仕上げのような具合でありますね。
これは、人足たちがツルハシをふるって手掘りした跡なのだそうです。大谷石の採掘は
「本格的に始められた江戸時代の中期頃から、機械化になる昭和34年頃まで」は手掘りだったということで。
一方でこちらに見える幾何学模様のような痕跡は、機械化後のもの。
地上の資料館には、「この機械が付けたのだねえ、あの痕跡は…」という切り出し機械が展示されておりましたよ。
いささか狂暴な?姿をしているようにも思うところです(笑)。
とまれ、そんなこんなの地下採石場跡は本来的には歴史的な産業遺産的なるものですけれど、
その幻想的な空間らしさ(今風に言えばインスタ映えする場所ということになりましょうか)を演出するように
ところどころにオブジェが置いてあったりもしますので、アートスポット的な楽しみ方もあろうかと。
ちなみに、およそ地下30メートルの空間は年間の平均気温が8度くらいとか。
訪ねたときは(入り口に温度計がありますが)13度くらいだったでしょうか。
真夏の納涼スポットにもなり得るなと思うところですが、
かように幻想的でインスタ映えするからとか、涼しいからということでなしに、
本来的には歴史的役割をしっかりと押さえて見学する場所であろうなと思ったりするのでありました。