「コロナ太り」なんつう言葉も耳にするようになっておりますが、確かに運動不足にはなりそうな。
日頃から何かしらの運動をしているわけではないにせよ、休日には美術館や演奏会へ行ったりするだけでも
いくばくかの運動にはなっておりましょうからね。それが全くなくなってしまっていて。
幸か不幸か、テレワーク比率がかなり低い状況ですので、
(まったく在宅勤務もあるにはあるものの、仕事のはかどりが悪くストレスがたまるばかり…)
平日は相変わらずの通勤で体を動かすことにはなってますが、休日ともなりますと
やはり心して臨まねばならんとは思うわけです。
で、ふと思い付いてみれば、あちこちの自治体で市内歩きのマップなどを出しておったなと。
単にご近所ふらりでも構わないわけですが、こうしたマップのルートをなぞると
「こんなものがあったのか」てなことになるかなと考えた次第でありまして。
で、今回は東京都国立市で配布している「健康ウォーキングマップ」9種類のうちから、
コースNo..1「北の街 市境散歩」をたどることに。距離にして約3.3Km、ほどほどですな。
スタート地点はJR中央線の国立駅北口から。いやはや、閑散としておりますねえ。
以前、国立(くにたち)という町は大学町として構想された…てなことに触れましたですが、
それはもっぱら駅の南側のお話でして、北口の方はちょいと行くとすぐに国分寺市になってしまうほどに
国立比率が低い町、それだけに駅を背に右手に向かえば、ほどなく国分寺崖線に行き当たるわけで。
このように車では通れない坂道が国分寺崖線の上へと伸びている。
これなどかなり広い方ですね。もっと狭い(それはそれで味のある)坂道がいくつもありますですよ。
ちなみに「国分寺崖線?!」という方がおられるかも。件のウォーキングマップの解説を引いておきましょう。
太古の多摩川が何度か流れを変え、武蔵野台地を削った跡が段丘崖(ハケ)です。武蔵野段丘にできた段丘崖を国分寺崖線と呼び、立川市と国分寺市の境を起点に、世田谷区の等々力渓谷まで伸びています。
という、国分寺崖線の上に登れば、多少の見晴らしが…と思うところながら、さほどでもありませんでしたなあ。
多少の山並みは見えるにしても、視界に広がりが無いからでしょうかね。
(国立駅ホーム西端からの眺めはいいですよ。富士山が大きく見えますから)
ところで、マップのルートはやがて崖線を離れて進路を西へ。閑静な住宅街の中を進んでいきますと、
突き当りにはJRの鉄道総合技術研究所が見えてくるのでありますよ。
国鉄時代のここで初代新幹線の0系が誕生したのでして、もともとは平兵衛新田という地名であったところが、
国分寺市光町という名前に町名変更されたということでありますよ。
ということで、近くには初代0系新幹線の「ひかり」号が置かれ、電柱にはかつての地名の名残も見えるわけで。
かような鉄道研究所には、かつて中央線の線路から分岐する引き込み線があったのですよね。
個人的に知りうる限り、ここを何らかの車両が通り抜けたところを見たことはないのですが、
それでも廃線跡的にレールの上をというか、枕木を踏みながら駅までの通勤経路としていたことがありました。
それも今ではすっかりレールも取り外されて遊歩道状態。かろうじて「ポッポみち」と名付けられ、
ほんの少しだけレールが残されているのが在りし日を偲ぶよすがとなっているのでありますよ。
ただし、ご覧いただいております部分はJR中央線との分岐点に近いところでして、
ここを道なりに奥へと進んでいきますと、鉄道研究所に到達するのですよね。
途中で柵に阻まれますが、そこまで行ってみますと、このように敷かれたレールが研究所内へと続いてはおりますよ。
なんだか廃線跡をたどって歩いているようになってきてますが、
実はここから西へ向かう今回のルートの先もまたこんなふうになっておりまして。
北第一公園という公園の出口で、そこから伸びる遊歩道の入り口に当たるのですけれど、
なんとまあ、この公園自体も、そしてこれに続く遊歩道もまた、実は廃線跡なのでありますよ。
確かにかつては線路が敷かれ、中央線と結ばれておりました。
途中には、レールを使ったオブジェのようなゲートがあったりするのが名残といえば名残ですかね。
こちらはかつての国立踏切あたりで中央線から分岐して、立川飛行機の工場まで繋がっていた引き込み線の跡、
軍都とも言われた立川だけに、かつては軍用機の生産などもしていたのですよね…といっては印象が今ひとつかと。
敗戦後に工場がGHQに差し押さえられると、働き場を失った技術者たちは日本初の電気自動車作りに邁進、
このあたりのことは2019年秋に放送されたNHK「歴史秘話ヒストリア」で詳しく紹介されておりましたですね。
と、こういう話なら印象回復ですかね(笑)。
こんなかんじであちこち立ち止まりながら歩いてき、あとは国立駅まで戻れば今回ルートは踏破となるところで、
最後の立ち寄りは引き込み線の手前にあたる公園の中にポイントがありました。
「なにこれ?」と言ってはテレ朝のTV番組になってしまいますけれど、
実はそのテレ朝にかつてあった深夜枠の番組「AMAZING BANG FRONT」で、
東京都のへそ(中心)はどこかを調べて設置したものであるそうな。
東京都の東西端の経度と南北端の緯度で作った四角形の中心点がここになるということで。
何を隠そうこの公園、住まいからやたら近いところにありますが、このようなものの存在は全く知らず。
これが何かを示すものも周囲にまったくありませんので、ただただ子供たちに踏みつけにされてきたのが
現在の姿でありましょうか。もともとは左右がぴったりすっきり合っていたようですから。
ということで、なにやら歩きでのあるひと巡り。
あまりに陽気がいいので、日焼けするかと思いましたですよ。