鳴門では大塚国際美術館 にいるうちに昼飯どきに至っておりましたが、
館内の食事処の混みようは相当なもので。


次は渦潮だあと、シャトルバスで送られた駐車場のすぐさきに見えた観潮船乗り場、
そこにたどり着けば何かしら食することができようと足を向けたのでありました。


うずしお観潮船乗り場

ですが、期待は空しく待合室にはただただ売店があるのみ。
だからといって、飲食店を探しに駐車場からいったん車を出すと
また駐車場に入れられるかは分からないという状況では、
売店で買えるこんなものでしのぐしかありませんなあ。



ただ、「竹ちくわ」(文字通りですな)は鳴門の名物のようですね。

それに朝の徳島駅で看板を見たものですから「すだち酎」にはついつい手が…。


と、そんなことはともかく渦潮です…が、知っている人にとっては当たり前でしょうけれど、
いかに渦潮で有名な鳴門とはいえ、日がな一日中ぐるぐるしているわけではないのですなあ。
瀬戸内海と紀伊水道の潮位の変化でぐるぐるするタイミングが一日に二度。
訪ねたこの日は直近で15時20分というのが最大の見せ場になるようで、
その前後1時間半くらいが渦潮の見られる可能性が高いと。


そこで(その後の予定もありますし)14時20分に出航する便を予約して、待つことしばし。
いよいよ奥側の大きな船「わんだーなると」に乗船でありますよ。


うずしお観潮船「わんだーなると」

鳴門に向かってくる途中、車窓から遠く見えた大鳴門橋は、
乗船場所のあたりからは岬の陰になって見えなかったわけですが、
岬を廻り込むように船が進んでいきますと、おお、見えて来た、見えて来た!


大鳴門橋が見えてきた

全長1,629mの吊り橋、大鳴門橋。長い橋好きにはたまらない景観ですなあ。
その真下を速い潮流がぶつかりあい、渦潮を生み出すということのようですな。


大鳴門橋の真下を通過

やがて橋の真下を通過するころには、海ってこんなに流れるものなのかいねというくらい。
海なればこそ波に揺られるというのはよくある話として、
流れに翻弄されるというのはそんなにあることではないですよねえ。


実際、鳴門の海はイタリアのメッシナ海峡、カナダのセイモア海峡と並ぶ
「世界三大潮流」のひとつなればこその渦潮であるということで。
(観潮船のHPからの受け売りです)


そうしたことを知るとなお、世界で一番通用度の高いパスポートが発行される国にいながら
パスポートの所有率が低いということも、さまざまな自然の景観が日本の国内で見られるなら
なるほど…と思えたりもするのでありますよ。





それはともかく肝心の渦潮ですけれど、なんとなあく巻いているようにも見えましょうか。
どうせならも少し我慢して、さらに遅い時間の船に乗れば、いかにも渦潮という巻きが
見られたのかもですねえ。


とはいえ、広重奥村土牛 も、古今の画家たちが描いてきた鳴門の渦潮、
その片鱗に触れたこと自体に満足感もあったりしたものです。


気分は「戦い済んで日が暮れて」的な…

船は大鳴門橋の雄姿を背にして、桟橋へと戻ります。
たどり着いた桟橋では先ほどまでの潮流がうそのようにおだやかなもの。
中では、関東でよく透明なのとは違う、くっきりした色のついたくらげが

ぷかぷかと泳いでおりました。


鳴門の海を漂うくらげ