やっぱり暖冬なんですかね、今シーズンは。
何年もこの時季に新潟へ出張しておりますけれど、
越後湯沢のあたりこそ雪だらけであったものの、長岡、燕三条とほぼ雪は無く、
新潟市内に至っては東京とおんなじようすでありましたなあ。
昨年の状況 との違いには驚くばかりです。
ということで新潟に行ってきたわけですが、
昨年は雪の中、わずかな空き時間を見つけて少々歩き回ったものの、
今年はそのような余裕もなく。
ですので、こたびは駅弁の話などでお茶を濁そうかと思っておる次第です。
でかけしな、大宮から上越新幹線に乗り込んだ車内で昼食にまず駅弁を。
大宮乗車だけに「大宮弁当」でありますよ。
「埼玉の味」と銘打つだけありまして、埼玉県が誇る?名産品を並べた
いわば埼玉オールスターズ的な陣容なのですよね。
ヒレカツには「彩の国黒豚」という埼玉産のブランド豚肉を使用、
海無し県としては川魚で勝負とばかりにうなぎの蒲焼となまず の天ぷらを。
他にも深谷ねぎ、川越いもなどなど、県内産をとことんフィーチャーしています。
ですが、結局のところ「埼玉…?」という気がしてしまうのが本音ではなかろうかと。
さりながらこの大宮弁当、かなりいい出来だと思いますですね。
海無し県の矜持として?なまずの天ぷらを二種入れてありますが、
この抹茶風味の衣で包んだものはもそっと食べたいと思いますなあ。
海の魚を名物にしているところであっても駅弁には生で使いにくいところでしょうから、
結局のところ調理して使う。となると、川魚も決して負けていないということでありましょう。
と、今度は帰りしな、食すのは帰宅してからでしたが、
手早くありつけるように新潟駅で調達してから帰路の新幹線に乗り込んだのでありました。
買ってきたのはこちら、「えび千両ちらし」というひと品でした。
JR東日本では毎年末に駅弁の人気ランキングを発表しているらしいのですが、
2017年のナンバーワンに輝いたのがこの「えび千両ちらし」であるというのですね。
ただ、蓋をあけたところを一見すると、「え?!」と思うばかり。たまごばっかりじゃんと。
ですが、敷き詰められた出汁入りたまごをそれぞれめくってみますと、
その下に隠れている食材があれこれ顔をのぞかすのですなあ。
こはだ、海老、イカ、うなぎ…と、それぞれがひと手間かけた具材となっていて、
さまざまな味わいにつながるといいますか。
たまごをめくったときのお楽しみを奪わないように敢えて写真は撮ってませんが、
というより実際には即座に食べ始めてしまったのではありますが…(笑)。
食して、確かに人気というのも頷けるものがありましたな。
実のところ、ちらし寿司系はあまり好みではないのですけれど、
なんとなく具材のバリエーションに騙されて、あっという間に平らげてしまったような。
パッと見と実は異なるといった遊びの要素が入っているのも、駅弁の楽しいところでしょうかね。
ただ、ご覧のようにたまごが多過ぎ(個人的意見です)かなとも。
別に白いご飯をこぶりに盛って用意しておくといいかもしれませんですね(可能な場合には)。
と、今回出張での駅弁二題でありましたが、ついでのこの機会にもうひとつ。
先日、伊勢方面に出かけた際、最初の目的地とした伊勢若松界隈では
昼食処が見つけられそうにない予感(その予感はほぼ的中したわけですが)がありましたので、
近鉄に乗り込む前に名古屋の駅弁を購入しておいたのでありました。それがこちらです。
「ご当地限定」とあるのは、ここでしか買えないレア感があってつい手を出してしまう。
しかも内容は「なごや満載」というだけあって、名古屋コーチン、天むす、あんかけパスタ、
みそかつ、エビフライと名古屋名物をワンパックに閉じ込めたあたりも誘いますなあ。
(名古屋にも、何気なく名物がたくさんあるものなのですねえ)
これを、「大黒屋光太夫漂流記」壁画 のある若松緑地で
ネコに見守られながら(なぜかしらネコの多い土地柄でしたなあ)食したわけですが、
味わいがバラエティーに富んでいるのはもちろんのこととして、
「これで温かかったらなあ…」と無いものねだり。
ですが、駅弁の本来は「冷めても旨い」がおそらく鉄則なはずですから、
やはりその点では残念と言わざるを得ないような…。
とまれ、駅弁の本来は車中で食すものということになりましょうけれど、
今回はそれぞれに重宝したものでありました。
百貨店などで「駅弁まつり」みたいな企画がままあり、
全国各地の名物弁当が手に入るてな触れこみには「ご当地性」が無いので
ちいともそそられないところながら、例え車中で食すのではないとしても
出かけた先の土地に関わるとなれば、やはり雰囲気が伴われるような気がするわけですね。
停車した列車の乗客に向けて、ホームで駅弁を売り歩くなどという光景も
もはやすっかり過去のものとなりましたけれど、
旅のアイテムのひとつとして駅弁自体が生き残る道はあるような気がしましたですよ。





