群馬藤岡の温泉旅行では楽山園
に立ち寄ろうと甘楽町まで足を延ばしましたので、
ここまで来たらついでにお隣の富岡へ。
高山社跡
と同時に世界遺産となりました富岡製糸場を訪ねることになりました。
ですが折しも昼飯どきとなりましたので、富岡の街なかで名物を食したのでして。
粉もので有名=小麦粉がたくさんとれる=米があまりとれないという図式の群馬、
「おきりこみ(おっきりこみ)」といううどんの類いを賞味したのですよ。
鍋のまま熱々で供されるあたりは山梨名物「ほうとう
」を思い浮かべるところですが、
きしめん様の平打ち麺が異常に幅広なのですよね。より分かりやすくご覧にいれましょう。
同じ群馬県の舘林
で見かけて土産に買って帰った「鬼ひもかわ
」に似ている。
そもそも「おきりこみ」として食するものだったのでありましょうか…。
とまれ、その特徴や名前の由来、さらには歴史・風土とった説明が
店内の掲示にコンパクトにまとめてありましたので、ご参考まで。
とまあ、上州のからっ風ですっかり冷えた体を「おきりこみ」で暖め、
歩いてしばしの富岡製糸場へと向かったのでありました。
まずもって、展示解説にはこのように。
1872年(明治5年)に明治政府による最初の模範工場として富岡製糸場が誕生しました。西洋の技術を取り入れて建設した、当時世界最大規模を誇った製糸場は、百数十年の時空を経てもほぼ変わらない姿を今に伝えています。
「ほぼ変わらない姿」であるということには「ほお」と思うところですけれど、
(「時」は経ても「空」は経ないだろうと突っ込みたくなるところですな、SFじゃないんだから)
1987年までしていたというのがすごいことですなあ。
しかも、その当時に製糸場を持ち主であった片倉工業はここが単なる工場ではなくて
歴史的遺産であることを意識して保存に努めたのだとも。
だからこそ、今でも往時の姿を偲ぶことができるのでありましょう。
展示室の奥にあるビデオ上映のコーナーでは、
富岡製糸場の建設から操業開始に関わったフランス人技師バスチャン(役の人)が
製糸場の事始めを紹介する映像を見ておりましたですが、ここが寒いのなんの。
なんでも古い建築を守るすべとして空調を控えめにしているのだとか。
まあ、ここの建物の特徴はレンガ造りではありますけれど、支えているのは木骨ですものね。
人工的に寒暖を急激に操るのを繰り返すことは、この建物には負担になるのでしょう。
負担になるといえば、製糸場内をくまなく見て回るのは両親にはいささかしんどそう。
そこで入口側の建物をいくつかちらちら眺めることで今回はよしということに。
ちなみに正面に建物が東置繭所で、左に少し見えているのが繰糸所ですが、
繭の保管倉庫(置繭所)は東と西に同規模のものが二か所あるのですね。
当時としては巨大な工場を造ったところながら、実はここの倉庫がいっぱいになるほどに
繭の生産が追いついていなかったのが当初の実情であるとか。
高山社での取り組みは富岡製糸場の生産能力を存分に発揮するために
大きく貢献したことでありましょうね。
というあたりで、富岡製糸場の見学はさくっと終了。
個人的にはいささかの消化不良感が残るものの、両親本位に考えれば
とにもかくにも「世界遺産を見た」ということが満足感につながるところでもありましょうし。
温泉に入って温まり、おいしいものを食し、カラオケやトランプ遊びもやって、
大名庭園や世界遺産を覗いてみたということで、両親が楽しんだようであれば
このほどの群馬の旅はこれはこれでということなのでありますよ。