アムステルダム紀行と言いながらも

ザーンセスカンス に行ったり、アルクマール に出かけたりと

アムステルダムを離れてばかりですけれど、またしても。


同行者の間からリクエストのあがった行き先ヒートホールンは

電車とバスを乗り継いで、しかも本数が少なそう…とあっていささか行きにくそう。

そこで今回はオランダ版はとバスツアー(のようなもの)に参加する方向で。



かような冊子をぱらぱら眺めますと、バスツアーのコースもたくさん出てますな。

アムステルダム発でブリュッセルブルッヘ への日帰りツアーなんつうのもありましたですよ。

移動時間ばかりが長いのではと思うところですが、結構参加者はいたようすです。


中央駅近くにある主催旅行社リンドベルフの店先から、

行先別に微妙な時間差でバスへと案内されていくところを見ている限り、

どのコースもそれなりの賑わいでありましたよ。


とまれ、英語、ドイツ語、スペイン語を一人で操るトリリンガルのガイドさんに連れられ、

バスに移動。まずは本日のコースをご紹介とばかりに説明が始まりますと、「えっ!?」と。

どうやらこのツアーはヒートホールンを単純往復するのではなかったのですなあ。


単にヒートホールンへの行き来が楽ちんと選んだバスツアーでしたですが、

ツアー名が「Giethoorn & Enclosing dike」とは知らずにいたのでありました。

要するにヒートホールンを見に行くついでに「Enclosing dike」(締切大堤防)まで見られるとは、

こちらはこちらで行きたいけれど行きにくいところなだけに

何だか妙に得した気分になったものです。


ちなみに締切大堤防(オランダ語「Afsluitdijk」の直訳)は

「オランダ北部にある世界最大の堤防」でして、全長32kmもあるという。


元は北海からつながる湾であったところを堤防で仕切り、高潮の被害を防ぐとともに

大きな湖にした上で干拓地を作ったりしたという、オランダらしい建造物でありますね。

Wikipediaからの引用ついでに画像も拝借されてもらうといたしましょう。


締切大堤防

上の方の斜めの線が締切大堤防でして、堤防の下側を大きな湖にしてしまったのでな。

その最奥部、丸印を付けたあたりがアムステルダムになります。

ここからバスは北へ北へとひた走り、やがて堤防の上を通る自動車道路に差し掛かる。

と、堤防の途中にモニュメントがあり、売店やトイレもある場所で小休止となりました。



バスが停まっているのは湖側で、自動車道路を跨ぐ歩道橋で海側にも出られます。

歩道橋から自動車道路を眺めればこんなふうです。




上がバスの走ってきた方向を振り返ったところ、したはこれから先を走る抜けるところです。

全長32Kmともなりますと、どちらを向いても陸地は遥かに霞んでいるような。

結構、自転車で走破しに来ている人たちがいましたなあ。


それにしても、下の写真ですと左側が海、右側が湖となりますですが、

堤防の高さからして水位の異なることが、ここでもやはりお気づきになろうかと。

低地オランダの執念の構築物でしょうかね、この大堤防は。


海側の堤防上にはこの堤防に関する解説パネルがあったりしますけれど、

モニュメントとしてはこちらのコルネリス・レリーの像でしょうかね。



大堤防の建設を含めた一帯の開発に力を尽くした土木技師ですけれど、

この方が見据えているのは湖の側なのですよねえ。

海岸でこの手の像があると、大きく開けた海に向かってすっくと立つ姿が想像されますが、

この場合には未来は海の側にあるのでなくして、堤防で仕切った内側にこそ

新たなオランダの国土があるということにもなりましょうか。


ということで、バスツアーには最初から組み込まれていた訪問地ではありながら

個人的には期せずして訪ねることになった締切大堤防は、ここでまたオランダを考える…

そんなことになったのでありましたよ。