ブルッヘでの4泊の間には、町を歩き回り、オステンドやシント・イデスバルトにも出かけたり。
そんなブルッヘ滞在を終えて、ようようブリュッセルへと移動したのでありますよ。
ブリュッセルを訪ねるのは10年ぶりですかね。
さすがに記憶があいまいなのか、
それだけでなく駅の周りもずいぶんと変わったんではないかと思うんですが、
前回と同じホテルだったのにたどり着くのにちとうろうろしてしまいましたですよ。
ところで変わったといえば、この10年の間にテロ事件が起こったりしたこともありましょう。
2016年にはブリュッセル空港で、2017年6月には中央駅で爆破事件があった。
ブリュッセル中央駅は宿泊先にも観光施設にも最も便利な駅ですけれど、
こんな具合でありました(ただし、写真はブルッヘから移動した翌朝のものですが)。
右側に写っているのは軍用トラック。
さすがにどこかの王宮の兵衛交代ではないので
迷彩服の軍人にカメラを向けるのは憚れましたけれど、この駅前広場にも
駅構内の通路のそこここにも映画でしか見たことのないような自動小銃を手にした
巡回兵の姿を目にすることになったのでありますよ。かつてはもちろんそうではなかったわけで。
このような現実を日本で目の当たりすることはまずないわけですが、
欧州域内からなのか、あるいはアメリカからなのか、多くの観光客の方も
そうした状況を余り気に掛けているふうでもない。
そんなこともまた現実なのですかね…。
それとはまた別の現実というべきでしょうか、
中央駅の建物入り口の灰皿があるところで一服しておりますと、
一人の男性が近付いてきました。
よくあることなので、煙草を強請られるのかと思ってますとどうやらそうではなく、
薄い雑誌を見せて「買ってほしい」と。
話を聞く限りでは「ビッグイシュー」の類いのようでしたので、
そういうことならと言い値の2ユーロを渡して雑誌をもらおうとすると、
「これは渡せない」というのですな。これを渡すと「売るものがなくなってしまう」いうわけです。
早い話が2ユーロをせびられたようなもので、瞬時あっけにとられましたですが、
続けて「子供が病気で薬を買うのに20ユーロ必要で…」と言いだす。
もしかしたら本当なのかもしれませんが、この話の持っていき方には呆れてしまい、
強く拒絶するしかありませんでしたなあ。
これをもってどうのこうのと決め付けはできないものの、
これもベルギーという国の現実の一面なのだろうなあと。
日本にもホームレスの人たちがいて、
駅頭でビッグイシューを売っていたりする人もいますけれど、
結局のところお金をせびるだけという状況にはなっていないはず。
どこか根本的なところで社会が歪んでいるとは言い過ぎかもですが、
やはり一面を垣間見る思いがしたものでありますよ。
この後もレストランのテラス席で食事をしているときに、
並ぶ店店のテラス席の客の間を泳ぐようにしてお金をせびって歩いている若者がいたりも。
おそらくはベルギーだけの話では無いだろうとは思うところでありますけれど。
と、ちと深刻ぶった話ぶりになってしまいましたが、
こうしたことも出かけて行ったからこそ気のつくことでありましょう。
とはいえ、この後のお話はいつもの観光の話に戻ることにいたします。