ウィーンの話 が思わぬ寄り道になってしまいましたですが、
ベルギーはメヘレンの街歩きの続きでありまして。
マーガレット・オブ・ヨークの宮殿 から歩くことしばし、
ブスレイデン邸博物館(Museum Hof van Busleyden)に到着しました。
かつてメヘレンはネーデルラントの政治の中心であったことがあるとは先に触れたですが、
そうしたところには自ずと文化人も集まったりするもの。
人文学者でもあった貴族ヒエロニムス・ファン・ブスレイデンのこの邸には
エラスムスやトマス・モアも訪ねてきたのだそうでありますよ。
今では当時の栄華を偲ぶ芸術作品などが展示されているとのことで
期待度高しの状態でたどり着いたのですが、やっぱりここにも人がいない。そして…。
「2018年に来てね!」の看板があって、要するに大改修工事中なのでありました。
これを書くにあたって改めて検索したところ、この3月23日からの企画展でもって
リニューアルオープンであるとのこと。検索するなら出かける前にしときませんとねえ…。
とまれ、気を取り直して博物館のちょいと先にある聖ヤン教会(Sint-Janskerk)の方へ。
ここには「東方三博士の礼拝」を描いたルーベンスの祭壇画が見られるということでしたので。
ところが、上の写真で教会の周りが柵で囲われているのをご覧いただけましょうか。
何とまあ、こちらも改修工事中…。建物をぐるりと廻ってみるのが関の山なのでありました。
こうも閉まっていたり、工事中であったりが続きますと、すっかり気落ちしてくるわけですが、
それでも路地裏を通り過ぎておりますと観光ポイントを示すプレートに出くわして、どれどれと。
解説板によりますれば、聖トラウデン修道院の避難所?(The house of refuge)とあり、
1926年以降はメヘレン=ブリュッセル大司教が使っている建物であるそうな。
メヘレン=ブリュッセル大司教座は何でもベルギーで唯一らしいですので、
カトリック国ベルギーにあってその大司教は大変な存在とも思うところながら、
かような裏道にあって…。それでも、大司教の居館がここにあるというのも
メヘレンの栄華の残照でありましょうかね。
そして大司教のお宅からそのまま細道を進んで別の道と出くわす角にもまたプレートが。
「Koninklijke Manufactuur De Wit」とは、どうやら王立のタペストリー工房であるようで。
ブルッヘをはじめフランデレン地方(フランドル地方)は毛織物の加工技術に
長い歴史を誇っていますから、そうした伝統がこの王立工房にも息づいているのでしょうなあ。
門戸が固く閉ざされていることにはもはや何も言いますまい…。
近付いて案内を見ると、グループのビジターはアポをとってください、
個人は土曜の10:30だけと書かれておりましたですよ。
なんだかあっちもこっちも閉まっている…というお話なだけにタイトルは「メヘレンの休日」。
この次にはちゃあんと中に入れたお話をしようと思っておりますよ。