東武日光線の南栗橋駅で乗車した五霞町 コミュニティバス「ごかりん号」は、

公共交通機関が乏しい故か、細かく曲がりながら町の主だったところをカバーしているかのよう。


ただ途中にある「ウェルシア前」なるバス停には、

こうした地域にも結構立派な福祉関係施設があったりするし…との想像をものの見事に裏切り、

単にそこここにあるドラッグストア・チェーンのお店だったりしたものですから、
なかなかにバス停の名称をどうするかにも難儀するのかなと…。


五霞町はのどかに広がる…


これは「道の駅ごか」から先を歩いた際の風景ですけれど、

実に伸びやかな穀倉地帯の雰囲気ではありませんか。


先に土産の「干し納豆」を喜んでいた母親(茨城出身)に

「五霞、行ってきた」というと「五霞村?」と即座に。


明治以来、1996年に町になるまで「五霞村」だったのですから、

かような反応もむべなるかなでありますね。
ざっくり言って、工業団地か田んぼかどっちか…というのが、五霞町でありましょう。


とまれ、最短距離を通ればあっという間のところを

バスは紆余曲折して25分ほど、「道の駅ごか」に到着。
他にいた3~4人の乗客たの目的地は、いったいどこだったのでしょうね…。


道の駅ごか


てなこと言いつつ、個人的にもこの「道の駅ごか」を目的地としているのかといえば、さにあらず。
有体に言って、ここから先のどこかしらで昼飯どころがあるものか知らんと思われるわけでして、
また「ごかりん号」の利用はひどく時間に限りがあるもので、ここへの到達時はすでに11時過ぎ。

そういうことならここで早めの昼食を済ませておくにしくはなしと考えたわけです。


それにしても、移動をしてきて何よりも先に昼飯とは遠くに来たな感の募るところ。
そして併設のレストラン「華こぶし」に入って早々に「そうだよなあ、茨城なんだよなあ」と思うことに。
要するに店員さんたちの言葉(茨城訛りというやつです)でありますよ。


天然なまず天丼@華こぶし(道の駅ごか)


オーダーしてほどなく出されたのは見るからに天丼ですけれど、
天ぷらがそそり立ってますですね。実に大盤振る舞いであるなと。

しかも、この手前側の厚みもたっぷりの天ぷらの正体ですが、これがまた「なまず」なのですなあ。
「天然なまず天丼」900円なり。ボリュームがあるから、妥当な金額かもですね。


そも「なまずを食してみよう」とわざわざ思い立って、
自称「なまずの里」たる埼玉県吉川市 に足を伸ばしたのは今年の1月。
その後、3月に行った館林 でも食する機会を得、またここ五霞町でも。


吉川に行くまでは何十年来食したことのなかった食材にこうもめぐり合うとは…

と奇縁を感じもするものの、北関東を歩き廻れば出くわすことが多いというだけなのかもですなあ。


で、今回は日帰りでちょこっと出かけてくる的なものでしたから、
予め土産物を持ち帰るなどとは全く考えてもおらなかったですが、
独特のイントネーションを持つ茨城訛りを耳にしたことも遠くに来たな感を増すところとなり、
「何か買って帰るか…」と土産物コーナーを物色することに。


わずかながらの土産物


茨城に来たとはいえ、例えばつくば市の品を買って返っても意味がないと
地域へのこだわりを示したところ、結果としてうどんとお茶くらいしか見つけられずじまい。


うどんは館林 あたりで散々食したように、

米代わりの小麦栽培の結果として有名になっているところはままありますが、

五霞は冒頭ご覧いただいたように田んぼが広がってますから、このうどんも米で作られている。


早速食してみたですが、もちっとした食感がいかにもと感じさせるも、

煮込んでかけうどん状態にすると、しばしの時間でなんだか雑炊を食べてるような気にもなり、

むしろざるうどん的に賞味するのがよろしいかと。


また、お茶の方はパッと見で「何で、ここでさやま茶(狭山茶)、売ってんの?」と思ったところが、
実は「さしま茶(猿島茶)」であったという(五霞町は猿島郡)。


知る人ぞ知る茶どころであるらしく、全国手揉み製茶技術競技大会なるコンテストで
2011年堂々優勝を飾ったことがあるんだそうですよ。


と、土産の話は相当以上に余談でありましたが、この後に腹を空かしてへばる心配も拭い去り、
いよいよ本来の目的達成へと歩みを進めることにしたという。
まずもって目指すは利根川堤。もはや頼るべきは自分の脚のみであります。