往路はうっかり道を間違えて余計な回り道をしてしまったですが、
群馬県立館林美術館 からの館林市街への戻りはしっかり道を見極めておきましたので、

実にスムーズ。何だ、こんなに近かったのかと。


とまれ、そうしたいささかの自転車遠乗りを経て帰ってきますと、ちょうどいい具合に昼飯タイム。
先にも触れましたように館林にはさほどの名物がなく、もっぱら「うどん 」一点張りだものですから、
ここでもまた、うどんを食することに。さすがに店は違うところにしましたですが。

今度の店は駅前というより館林城跡に近いあたり。


前日に「歴史の小径」沿いで立ち寄れなかったポイントを巡る都合もあり、
予め近付いた方まで行ったわけですが、なるほど場所柄を反映してか、
お店の名前も「うどん本丸」でありました。


うどん本丸@館林


ここのお店も製麺所直営の御食事処ですけれど、
観光客に媚びた(?)メニューに頼らない実直さのようなものがあるのやも。
ですので、ざるうどんに天ぷらという、相当にオーソドックスと思しき一品を頼んだわけです。


なまず御膳@うどん本丸


とはいえ、オーソドックスな中にも少々変わった趣向をと思ったのが、天ぷらの中身。
「なまず御膳」との名付けからも想像できますように、なまずの天ぷら付きでありました。


しばらく前にわざわざ「なまずの里 」と言われる埼玉県吉川市の老舗料理屋へ足を運んで
なまず料理を食したですが、それでなまずにはいささか味をしめて…というわけでして。
やはりふんわりした食感はなかなかに捨てがたい。おいしく頂戴いたしましたですよ。


で、うなぎ屋での川えびではありませんが、またしても順序が後先になった感あるも
「なまずはこの辺りでとれるのですか」と問うてみるに、「いいえ」と。


ただ、榊原康政 が土地改良を手がけたように元来湿地や沼が多い土地柄なれば、
いかにもなまずがいそうな感じで、かつては普通に取れたからこそ
こうした料理に名残を止めているのでもありましょうね。


ひとつ思い出したですが、善導寺移転の話を聞かせてくれた地元の方が
市街地のすぐ南を流れて城沼につながる鶴生田川(ここの店から100mちょっとくらいですが)のことを
「あのどぶ川」てな言い方していたのですね。


すぐさまその方の奥様が「今ではそんなことはないんですよ」と言ってましたが、
あんまり環境を気にしない当時、生活排水をどんどん流したりもして、
鶴生田川は群馬県で水質ワースト1になってしまったこともあったそうな。
年配の方にはまさに「どぶ川」のイメージが根強いのやもしれません。


その鶴生田川と魚の関係はどんなことになっているのかは分かりませんですが、
今では城沼に流れ込むあたりに桜並木が植えられて、
開花の時期には両岸を跨いで何千という鯉のぼりが泳ぐのだそうで。
(2005年には鯉のぼり世界一でギネス認定されたとか)


館林さくらとこいのぼりの里まつり


気温の高くなることでも、館林は(熊谷と競うくらいに)有名ですから、
すでに今頃は桜吹雪の中を鯉のぼりが泳ぐといった光景になっているかも。


ところで、立ち寄った「うどん本丸」のほんの目と鼻の先に「丸亀製麺」の大きな看板が。
讃岐うどんを売りに(しかも讃岐とは関係のない会社ですが)している店が
館林にも支店を出しているとは。


これはいわゆる「殴り込み」の部類であるのか、
それとも館林の人がうどん好きなら、たまには違う種類も食べたくなるのではとの目算か。
秘かにうどん戦争が展開していたりするんでしょうか。


ただ観光客が館林まで来て、丸亀製麺にはわざわざ行かないですよね。
もっとも東京で入ったこともありませんですが…。