うちの父は、小学3年生から30年以上、現役でハイレベルなサッカーを続けてきた。その父の教えで、4歳から両足でサッカーの基礎に取り組んでいる息子。
年中の4月からは世界No.1メソッドと言われているクーバーコーチングで、徹底的に両足にボールを馴染ませてきた。
息子の所属するチームや試合相手に、両足を意識して使っとる子は今のところほぼ見当たらない。
息子も父がちょっと目を離すと利き足ばかり使うようになるので、毎回ビデオチェックし意識させてきた。
私は尊敬する先輩から『機会の平等』の必要性を学んだ。
例えば頭が良いのに経済的理由で進学できないとか、家庭環境によって子供の可能性が制限される事はあってはならないし、人権が大切なように、みんなが平等に良い情報や環境にアクセスできるようにすべき。
だからサッカー未経験の親だからって、両足基礎という概念を知らないまま、大切なゴールデンエイジを過ごす事はもったいなく思う。だから書いとる。
父は、サッカーに正解はない、強いもんが正解だと言う。けど、その強さも時代によって変化していく。かつてイタリアがオフサイドトラップしすぎて強かったし、ある時はポゼッション、次はフィジカルの時代が来て、今はデータに裏付けされたAIみたいな監督が強いようだ。
そういえば、ブラピが野球チームの監督になって、データを元に統計学を駆使して奇跡のチームを作ったマネーボールという映画、面白かったなー。
それで、いつも愛読している千の顔さんのブログで、早稲田大学大学院の青山悠吾さんの修士論文が紹介されとって、読んだ。
千の顔さん↓
(最近、目立ちたがり屋の反対のような気がしてリンク貼るの我慢してたけど、もう貼っちゃう!!笑)
青山さんの論文↓
https://www.waseda.jp/tokorozawa/kg/doc/50_ronbun/2021/5020A001.pdf
これが早稲田の大学院か、、、すごい。(このデータの多さ、引用文献の量を見て、自分の卒論を思い出して恥ずかしくなった。)
題目は、サッカーの試合中における非利き脚の使用頻度と傾向だ。
ここでは膨大かつ緻密なデータが取られていて、46ページからの結論を読むだけでもとても意義深い内容。
そして『A代表とU17代表の違い』として、
ここから論文より引用↓
2018W 杯をプレーした A 代表の上位 4 チームと,2019U-17W 杯をプレーした U-17 代
表の上位 4 チームを比較することで,年代ごとの利き脚と非利き脚の使用頻度と傾向の違いを調査した.
(中略)
A 代表は DF のプレッシャーを受けている際に 非利き脚を多く使用しているのに対し,U-17 代表は DF のプレッシャーを受けている際 は利き脚を多く使用していた.
このことから,U-17 代表は簡単なプレーでの非利き脚の使用が多く,非利き脚の精度が高いとはいえないことからも,難易度の高いプレーではあまり非利き脚の使用をしないという傾向にあると考えられる.
また,A 代表は U-17 代表に 比べ,味方の利き脚により多くのパスを出していた.
よりプレーのしやすい利き脚で味方競技者にプレーさせるということも,A 代表と U-17 代表の競技レベルの差であることが 示唆された.
2) DF のレベルの差
U-17 代表の利き脚と非利き脚の技術のレベルには差があった.
それにも関わらず,A 代表が DF のプレッシャーを受けている際により多くの非利き脚の使用をしているのに対し, U-17 代表はそのような状況でより多くの利き脚を使用している.
これは A 代表における DF が,攻撃側選手が使用する脚の制限を出来ている一方で,U-17 代表における DF はそ のような守備を出来ていないということが要因として考えられる.
Grouios et al.(2002)の研究では,「サッカー選手は両脚でボールを扱うことが高いレベル でのプレーを可能にしているのか(人工的),高いレベルでプレーしている中で彼らは両脚 でボールを扱うことが出来るようになったのか(自然的)」ということが課題として挙げら れていた.
本研究で挙げられた年代による 2 つの違いは,年代が上がり,周囲の競技レベ ルが上がるにつれて自然的に変化していくと考えられる.
本研究における A 代表での DF のように,利き脚の使用を制限するような DF と対戦した時には非利き脚での質の高いプレーが求められる.
その中で活躍していくためには,非利き脚の技術レベルの向上は必要不可欠となる.
また自身が守備をする際に,攻撃側選手により良いプレーをさせないため には,利き脚の使用を制限する必要がある.
このように環境が変わり,求められるレベル が高くなる中で活躍するためには,本研究で挙げられたような A 代表の選手との差は埋め なければならないのである.
V.結論 本研究の目的は,サッカーの試合中のどのような場面において非利き脚が使用されてるのかを明らかにすること,加えて A 代表と U-17 代表における利き脚と非利き脚の使用 頻度や傾向の違いを明らかにすることであった.
その結果,プレー種類やプレーする位置, DF との関係によって非利き脚の使用頻度や傾向に違いがみられた.シュート,ディフェ ンス,パス,DF のプレッシャーを受けている際のプレーにおいては非利き脚の必要性は 高い一方で,DF のプレッシャーを受けていない際のプレーと,ドリブルにおいては非利 き脚の必要性は低いことが明らかになった.
また,特に右利き選手は非利き脚のパスの習得が,自身のプレーする位置を広げることに繋がるといえる.
以下略
引用ここまで
『両足基礎はサッカーを高いレベルで続けていくなら必ず役にたつ。』
このように論文データで裏付けられていなくても、現場でプレーしとる人なら誰でもその必要性は感じとる事だ。
最後に千の顔さんが、冒頭でこのように書いている。
どんなに自分がいいと思っていても、たとえば地球上で最もサッカーがうまいメッシのプレーが自分の考え方と違うならば、自分が間違っていると考えます。
メッシでなくとも、世界の一流選手のプレーが私の考えと違うのならば、そちらが正しいと考えます。
潔いです。
この地球上で最も強い、ワールドカップ上位チームのデータが示す、逆足の重要性、伝われば幸いです。
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