朝パル 『東京ゴッドファーザーズ』 | ジョニー暴れん坊デップのA部屋

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・eiga.com 作品情報 『東京ゴッドファーザーズ』

■解説

 「PERFECT BLUE」「千年女優」の今敏監督が、ホームレス3人組が捨て子の親捜しに奔走する姿と、その先に待ち受ける小さな奇跡を描いた長編アニメーション。クリスマスの夜。新宿で暮らすギンちゃん、ハナちゃん、ミユキのホームレス3人組は、ゴミ捨て場で1人の赤ん坊を拾う。ずっと子どもを欲しがっていたハナちゃんは赤ん坊に勝手に「清子」と命名し、3人はわずかな手掛かりを頼りに親捜しの旅に出る。雪降る街をさまよい歩きながら、様々なトラブルに見舞われる彼らだったが……。俳優の江守徹、梅垣義明、岡本綾が主人公3人の声を演じた。

2003年製作/92分/日本/配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
劇場公開日:2003年11月8日

■スタッフ

監督  原作 今敏 脚本 信本敬子 今敏 企画 丸山正雄 演出 古屋勝悟 プロデューサー 小林信一 滝山雅夫 真木太郎 制作プロデューサー 豊田智紀 キャラクターデザイン 今敏 小西賢一 作画監督 小西賢一 安藤雅司 井上俊之 美術監督 池信孝 色彩設計 橋本賢 撮影監督 須貝克俊 編集 瀬山武司 音響監督 三間雅文 音楽 鈴木慶一 井上俊之 アニメーション制作 マッドハウス

 

■キャスト(声の出演)

■映画レビュー

◎評価:4.5 「記念すべき初の今敏監督作品観賞〜」 らま+たんさん

2023年12月31日・・・やっと観れた!しかも劇場で!めっちゃ嬉しい年末💜
 毎年クリスマスシーズンに『今年こそは観るぞー🎄』と意気込むものの、配信されてなかったり、レンタルもなかったり、今年は当の12/25に体調不良で寝込んだり、となかなかご縁が無く、半ば諦めかけてたところ新文芸坐さんで上映すると知り、年末の大掃除そっちのけで駆け込み観賞✨✨(これが新文芸坐さんデビューとなりました🌸)

 とにかくオープニングから好き!映像と映画のスタッフ紹介の融合が見事でワワクが止まらなかった🌀内容については割愛。あたしの大好物の父と娘ものにキュン。見事な伏線回収に脱帽。特にギンちゃんの競輪選手張りの自転車捌きに感動!
 予定してたクリスマスには観られなかったけど、最後のエンドロールが年末らしく『第九』(しかも替え歌ww)だし、自分にとってはこれからクリスマスよりも年末の定番映画になりそな予感🍀/お墓でお供物探してる時、狛犬いたけど……お寺さんに狛犬っているっけ??

※クリスマスはこの作品!ということで、今敏監督の名作をスクリーンで鑑賞しに行った。

 

●予告編

※初見の時と感想はほぼ同じ。ていうか、2004年の時点でもう「疑似家族」に注目してんの、スゲエなー。発表する時期が時期なら、もっといろんな世界の映画賞獲れてそうやわ。

ただし、やっぱり中盤少しダレるんよなぁーーーーー。

 

・MOVIE LABO 映画『東京ゴッドファーザーズ』の解説(ネタバレ有)

 主人公であるミユキ、ギン、ハナはまるで家族のように擬似的に描かれ、物語が進むにつれてそれぞれの本当の家族たちとの関係が描かれていきます。

 ギンの娘・きよこはハナの暴言を聞いてもギンと一緒にいようとし、ミユキの父もエンジェルを家に戻すことでミユキを許しています。身内のいないハナですが、かつて働いていたバーのママのことを『お母さん』とよび、ママもハナの失態を許しています。

『 家族の絆は何よりも強い 』

 これがテーマです。擬似家族のミユキたちも本当の家族ではありませんが、家族といえるような関係の強さを持っていますね。監督の今敏も、『ホームレスは家を失った人というだけでなく、家族を失った人という意味で捉え、本作は失った家族との関係を回復する物語と言って良い』を語っています。また主人公たちはホームレスであり、作中でも『居ても居なくてもいいクズ人間』というセリフが何度も出てきますが、物語の上でどんな人でも意味のないことはない、というメッセージも含まれていますね。

 

 92分とは思えない内容の濃い物語。随所にユーモアが溢れ、普遍的なテーマの家族を描く。偶然が重なる奇跡の物語で都合がいいかもしれませんが、ここまで重なると開き直れますし、アニメという表現なので許されますね。素晴らしい映画でした!

※演者さんの熱気も伝わってきます。岡本綾さんは、あんなストッキングマン歌舞伎役者に引っ掛からなきゃあまともな女優人生送れていたのに、、、惜しいこっちゃでホンマ。

 

・KON'S TONE 2004年7月 台湾から「東京ゴッドファーザーズ」に関するインタビュー

1 なぜ今回の主役を「ホームレス」にしたのですか?この3人のキャラクターに実在のモデルとかはありますか?
・・・主人公たち三人に実在のモデルはありません。すべては私と共同脚本を担当してくれた信本敬子氏の創作によるものです。ただ、モデルはありませんが三人に 対するイメージはありました。「“家族”に見える」という条件です。彼らは擬似的ですが、家族のような関係にあります。
「ハナ」という母親役にあたる人物をオカマに設定したのはあくまで「擬似的」というイメージを残そうと思った面もあります。また同時に、本当の女性だと生々しくなってしまう母性とか女らしさを純粋な形で見せられる、と考えたからだと思います。なぜ主人公をホームレスに設定したかということですが、確かに主人公がホームレスというのは夢のある映画やアニメーションには相応しいとは言い難いかも しれません。しかし私はこの企画を思いつく以前からホームレスという存在が気になっていました。豊かな時代でありながら生まれてしまうホームレス、同時に世の中が豊かであるがゆえに養われ得るホームレス。それで彼らは街(都市)に生かされてるんじゃないかと思ったのが発想のきっかけのひとつです。


 もうひとつは都市におけるアニミズムというか、都会の建物や路地にも魂は宿るのではないかという考えで、そこに“異界”を見てみよう、と。主人公たちは都市に重なる異界に踏み込んで行く、と考えました。
 疑似家族のように暮らしているホームレスの3人が、赤ちゃんを拾って親元に返そうとする話を軸に、奇妙な偶然が連鎖する“異界”に踏み込み、その道中に 出会う人々や事件を通して、彼らが家族や社会との関係性を回復して行く。そんな彼らを「東京」というもう一人の主人公が見守っているというイメージでし た。
 当時も現在も日本は不況不況といわれ、人間全体から活力というか活気みたいなものが失われているように思います。ホームレスの増加はその一端をよく表し ていると思いますが、だからこそ彼らホームレスを主役に据えて、彼らが生きる気力や活力を回復する過程を描ければ、見ていただくお客さんにも少しは元気に なってもらえるかもしれないと考えました。実際我々スタッフもこの映画を作ることで活力や活気を得られました。「東京ゴッドファーザーズ」において、ホームレスを弱者や不幸の代表であるとか、あるいは社会の邪魔者であるといった観点で見たつもりはありませんし、彼らは現実のホームレスの存在というより誰にもある弱さや後悔の象徴として捉えていました。ホームレスである彼らは、以前に比べればそれぞれの人生に輝きを失っています。ホームレスだから不幸ではないのです。そのなにがしかの輝きを失ったこと が不幸なのであり、それを回復することに彼らの幸福があり、その過程がこの作品の物語そのものだと思っていました。
(中略)

 

 

4 主役の3人の中で、誰が一番好きですか?理由もお聞かせください。
・・・誰が好き、ということはありません。私はみんな好きですが、何より私は「三人の関係」が好きです。ある意味三人がワンセットになった状態が私にとってはまるで一人のキャラクターのような感じです。誰か一人が欠けても寂しいです。
 ただ、敢えて一人上げるとなるとハナちゃんでしょうか。先の答えとも関連しますが、たとえば訪れた幸運のすぐ隣には不運があるでしょうし、幸運と見えた中にも不運が、不運の中にも幸運があると思います。結局は関わる人間の態度次第で、それらは常に逆転しうる性格なんだと思います。
 この「幸運なんだか不運なんだかよく分からない」という感じを私はひどく面白がっていました。相反する性格のものが無表情に同居している世界観は目指す ところです。本作では幸運と不運が渾然一体となり、偶然に彩られて押し寄せる、というイメージを描いていましたが、同じように、ハナちゃんも「男だか女だ か分からない」、つまり男性性と女性性が混然とした存在であり、だからこそこの話には相応しかったと考えています。もしかしたらハナちゃん無くしてはこの お話は成り立たなかったかもしれません。

5 赤ん坊の名前には何か意味が込められているのですか?
・・・賛美歌「Holy night」は日本語で「きよしこの夜」と言います。この「きよし」から「清子(きよこ)」と名付けただけで、特別に深い意味はありません。この場合、本 来なら「聖子」とした方が良かったのでしょうが、字面がどうもしっくり来ないので音であてて「清子」としたように思います。

6 今回は一人の赤ん坊の出現をきっかけに、3人のそれぞれの過去を観客に見せていくという演出方法を使っていますが、なぜこういう方法を選んだのですか?監督にとって未来よりも、むしろ人の過去を見せたほうがストーリー的にも面白みがある、とお考えですか?
・・・そうではありません。私は基本的に「身の上話」を語ることが好きではありません。得てして身の上話はつまらないからです。それはすでに「起こっていた」 ことであり、目の前で展開する話でもないですし、たいてい登場人物を説明するために身の上話が用いられることが多い。「説明」はあまり面白いものではあり ません。
「東京ゴッド〜」で登場人物の過去が語られるのは、登場人物たちの説明という側面もありますが、登場人物たちの行動原理を明確にするためです。進行している物語にシンクロして語られる彼らの過去は常に未来に向かっているのです。
 典型的なのはギンという男の捏造された過去です。ギンがウソの過去を語るのはハナに対して「自分をそう見て欲しい」という欲求があるからです。そのウソ はやがてばれることになりますが、「ウソがばれることで現実に向き合うことになる」というのがギンの進行形の物語ということになります。登場人物の過去が 語られるのは三人それぞれの物語をストーリーにシンクロする形で織り込みたかったのです。

(中略)

9 監督はアニメ作品の題材としてはかなり珍しい「サイコホラー」もの(PERFECT BLUE)の挑戦に成功していますが、次回はどんな題材にチャレンジしたいとお考えですか?
・・・手がけてみたいと思う題材はたくさんありますが、アニメーション作品という多くの人が関わる創作物は私一人の欲求だけで立ち上がるものではありません。 一緒に作るプロデューサーやスポンサー、多くのスタッフやさらに多くの観客、世間の動きといった私を取りまく状況やそれに対する私の考えや感情、それに もっと個人的な状況なども合わせた流れの中に企画は起動して来るものだと思っています。
 SFやロボット、老人と子供によるファンタジー、少年の冒険物、青春物、中年夫婦の危機……などなど私の頭の中にはアイディアのガラクタが散乱していま すし、これからもアイディアは生まれてくるでしょうが、その時どれが選び出されて作品になって行くかは私と私を取りまく状況次第だと思います。

10 次の劇場作品の制作予定はありますか?
・・・現在、劇場用アニメーションの新作に着手したばかりです。「夢」を題材にした作品だという以外はまだお知らせできませんが、再来年には公開になると思います。楽しみにしていて下さい。

※この次回作ってのは『パプリカ』のことやねえー。あ~『パプリカ』も観たくなってきた♪

 

●【今敏月間】奇跡が起こりまくる⁉︎「東京ゴッドファーザーズ」レビュー!

※なるほど、嘘で固めた人生噺は、ホームレス取材の賜物ってわけかー。

 

 

・おまけ 映画台詞&ウルトラ怪獣 12月25日

 

ー元ネタの詳細は2023年元旦の日記参照のこと!ー

 

☆映画と旅する365日 

「心も使わないままでいると、いつか使えなくなっちゃうのかも。」

→『ホーム・アローン2』(アメリカ/ニューヨーク/ロックフェラーセンター)

・・・クリスマス休暇中、ひとり家に取り残された少年ケビンの活躍劇を描いたコメディシリーズ第2弾!前作から1年後のクリスマス。家族でマイアミに向かうはずが、ケビン一人が誤ってニューヨークに飛び立ってしまう。そこで、脱獄した泥棒コンビと再会し・・・。

 

・アキブログ 『ホームアローン2』のロケ地11選!

 家族が恋しくなったケビンは、ロックフェラーセンターのクリスマスツリーに家族に会えるようお祈りします。毎年11月から1月までクリスマスツリーが飾られます。11月中旬に全米で選び抜かれた1本のツリーがここロックフェラーセンターに運びこまれるのです。

 今年2021年は、メリーランド州で85年育った木が選ばれました。

 

 写真は2017年にツリーが設置される現場を撮影しました。近くで見るととっても大きいですね!大迫力でした。ツリーの点灯式は、毎年サンクスギビングデーの翌週の水曜日に行われます。

 

●トランプさん出演シーン

※撮影当時のザ・プラザ・ホテルのオーナーがトランプさんだったので、自分を出演させる代わりにホテルの撮影を許可したとか。相変わらずプロレス体質の人です!!

 

☆彡今日は何の日?ウルトラ怪獣日和 

 

休止

 

(感想)我らが今敏監督、永遠なれ。ホーリーナイトに捧ぐー感謝の気持ちを。