「マイ・ブロークン・マリコ」(コミック) | ジョニー暴れん坊デップのA部屋

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・Amazon マイ・ブロークン・マリコ (BRIDGE COMICS) コミック 平庫ワカ(著)

 あたしは骨になったマリコと、最初で最後の旅に出た。柄の悪いOLのシイノは親友の死を知り、ある行動を決意した。女同士の魂の結びつきを描く鮮烈なロマンシスストーリー!

【内容紹介】

『マイ・ブロークン・マリコ』で各漫画賞に続々ランクインした新星、平庫ワカによる初期作品集。MFコミック大賞入賞の表題作『天雷様と人間のへそ』のほか、妊娠中の夫婦のすれ違いを描き話題を呼んだ『ホットアンドコールドスロー』、デビュー前の未発表作品を収録!

■登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ KADOKAWA (2020/1/8)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2020/1/8
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • コミック ‏ : ‎ 194ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4040642465
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4040642468
  • 寸法 ‏ : ‎ 12.8 x 1.5 x 18.2 cm
  • Amazon 売れ筋ランキング: - 3,577位コミック

■レビュー

◎ろっくおん 5つ星のうち5.0 「実写映画の影響で購入」

2022年10月16日・・・原作がある事は知らなかったが、実写映画の予告を映画館で観た時から気になっていて、公開初日まで観るのを楽しみにしていた。予想以上に心を揺さぶられる作品だった。すぐに原作が読みたくなり注文し、翌日には届いた。魂で繋がっていた友の死によって、深い関係性と想いを抱きながら旅に出る展開。ふと読み返したくなる愛しさに溢れている。

◎勿忘草 5つ星のうち5.0 「是非読んで頂きたい傑作短編漫画てす!!」

2022年5月7日・・・1度は読んで頂きたい短編傑作です!女性同士のシスターフッドな作品です。この作品は荒削りです。親からの理不尽な暴力描写もあります。でも心から大切な人が突然いなくなってしまったら…マリコとの旅に心揺さぶられますよ。バスの中で小さなマリコを抱き締める主人公のシーンは漫画史に残る描写だと思いました。
 恋愛感情を超えた強い絆。この女性同士の強い想いは百合作品などと言う甘いジャンルではない作品です。マリコからの手紙に何が書いてあったのか……是非読者の皆さんのお気持ちをお聞きしたいですね。この読者として放り出されたエンディング構成が切なくも。この作品を傑作としていると思います。
 マリコの手紙には何が書いてあったのか?
 何故マリコは主人公を置いて逝ってしまったのか…
 幼い時からの二人に想いを馳せて考えてしまいます。
 映画化も決定しましたね。お薦めなので是非読んで頂きたいです!
(追記)
この短編には収録されていないマリコの番外編で救われました

※映画を観てから原作コミックを読んでみましたシリーズぅ~~~~~!って、シリーズゆうほどやってねえんだよォ!!w(シイちゃん風おたけび)

 

 

・伊藤裕一オフィシャルブログ マイ・ブロークン・マリコ

 無理をして折り合いをつけたり、考えないようにしたり、乗り越えたり。それって、やらなきゃいけないことなの?って僕はずっと思っています。残された人間の命が続いていくだけ。明日が来るだけ。たしかに、時間が風化させてくれるかもしれない。

 そんな気持ちに抗ったっていいと僕は思います。だから、彼女も乗り越えようとか折り合いをつけようとか、そう思ったわけではないんじゃないかな。もう、どうしようもなくて行動した。僕もそうありたい。

※主人公に感情移入できる作品好っきぃい~~♪(お見送り芸人しんいち風)

 

●【公式】『マイ・ブロークン・マリコ』第1話(試し読み動画)ボイスあり

◆キャスト トモヨ…瀬戸麻沙美 マリコ…市ノ瀬加那 マリコ父…佐東充 マリコ義母…三木晶 ニュースナレーターほか…中村純也

※ボイス付き動画、宜しいなーー。また一味も二味も違う表現畑だー。

 

 

・コミックナタリー 特集

 上記は平庫ワカのマンガ「マイ・ブロークン・マリコ」の筋書きだ。ドラマチックで疾走感あふれる物語展開は多くの読者の心を惹きつけ、無名に近い作家の初連載作にも関わらず、「マイ・ブロークン・マリコ」の名は瞬く間にネット上を駆け巡った。

そんな「マイ・ブロークン・マリコ」の単行本が、2020年1月8日に発売。コミックナタリーではこれに合わせて、ライター・CDBに「マイ・ブロークン・マリコ」の魅力を紐解くコラムを寄せてもらった。第1話が読める試し読みページも用意しているので、未読の人はこの機会にチェックしてほしい。

※この絵柄からは確かに、永野芽郁さんは連想しにくい・・・。

 

・コミックウォーカー 祝!『マイ・ブロークン・マリコ』文化庁メディア芸術祭の新人賞を受賞‼

 TVBrosコミックアワード2020大賞受賞、このマンガがすごい!2021 オンナ編第4位。デビュー作『マイ・ブロークン・マリコ』で漫画賞に続々ランクインした新星、平庫ワカ先生が、この度、文化庁メディア芸術祭の新人賞を受賞いたしました!
コミックウォーカーでは、先生の受賞を記念して厳選した作品の一部を公開中!
 初期作品集!MFコミック大賞入賞の表題作『天雷様と人間のへそ』のほか、妊娠中の夫婦のすれ違いを描き話題を呼んだ『ホットアンドコールドスロー』、デビュー前の未発表作品を収録した『天雷様と人間のへそ―平庫ワカ初期作品集―』(2021年3月8日発売)もご紹介します。
鬼才・平庫ワカ先生の世界観にどっぷりと浸ってみてください。

※久しぶりに画力とストーリーでグイグイ引っ張られてく漫画に出会った気分。下手すっと「カイジ」以来かもやわ。驚きフルッ・・・

 

・映画ナタリー パンサー菅良太郎が語る(コミックのことを喋ってる部分のみ引用)

 原作は2020年の単行本発売後に大きな話題を呼んで即重版が決定し、「輝け!ブロスコミックアワード2020」大賞、「この漫画がすごい!2021年オンナ編」第4位、文化庁主催のメディア芸術祭マンガ部門新人賞に輝いた。/原作をWeb連載時から読んでいたという菅は、このたび封切られる映画をどう観たか? また、永野が主演を務めることについて「意外でした」と語っていた彼が、「シイちゃんだ」と感じたシーンを明かしてくれた。

──菅さんが「マイ・ブロークン・マリコ」の原作を読んだのはいつ頃でしょうか?

僕の記憶では、Webで連載が始まった2019年に、第1話がSNSですごく話題になっていたんです。その盛り上がりを見て作品を知ったような。1話を読んで「すごい入りだな」と驚きました。

──第1話は、主人公のシイノが、友人マリコの死をテレビで知るところから始まります。

そのシーンもそうですが、物語としての“入り”が印象的だったんですよね。親友の死を知って、彼女の親の家へ行って、遺骨を奪って窓から飛び降りて逃げる。物語の起承転結の「起」として、すごくインパクトがあった。「これ、どうなっちゃうんだろう?」と。そのあと単行本が出たと知って、全部通して読みました。

──原作のコミックスが発売されたのが2020年1月、2021年の「このマンガがすごい!」でも4位にランクインするなど、大きな反響がありました。コミックスで通して読んだ際の感想を伺いたいです。

エネルギーが乗っているお話。全4話で、長い話ではないけれど、この短さに魂が乗っている。「なんか、すげえものを見たな……」と感じました。同時に「これはこういうお話です」と言語化するのが難しい作品でもあるなと。あえて言うならロードムービーものに近いなと感じるけど、シイちゃん(シイノ)の旅に目的はない。かなり衝動的に動いているのがシイノというキャラクターなんですよね。

──マリコの死を知ってから、転がるように遺骨を奪取し、旅に出ます。

「そういえばあの頃、海が見たいって言ってたよな……」と思い出して海に行く。海に行って何をするか決まっているわけでもないし、確かな約束を果たすための旅というわけではない。シイノの衝動的な行動と感情のエネルギーが、作者の平庫ワカさんのペンに乗っているような感じがしました。読み進めながら、読者としてその衝動とエネルギーに必死で食い付いて行きました。

──付いて行く。

はい。この物語は、めちゃくちゃ共感できる人と、全然共感できない人がいると思うんです。こういう言葉を使っていいかはわからないですが……シイちゃんとマリコは、親友を超えた、特別な関係。言葉にはしづらいけど、こういう関係性って、実際に存在していますよね。きっとそういう相手がいた人にはすっげえ刺さるだろうし、2人のことが本当にわからないと感じる人もいると思う。

──菅さんはどちらかというと後者だったということでしょうか?

どちらかと言えばそうですね。しかもこの作品は「そういう相手がいる」のさらに先の話なんですよ。親友を超えた相手がいて、そんな相手に1人置いていかれるという。ただ、僕自身には正直そういう経験がないのですが、だからこそ、理解して、シイノと同じ感情で進んでいきたいと思いながら読んでいました。そういう意味での「付いて行く」です。「どうしてシイちゃんはマリコを見捨てなかったんだろう?」とか、「どうしてマリコは何も言ってくれなかったんだろう」とか、たくさんの気持ちが浮かんできました。

──主人公のシイノについて、どんな印象を抱きましたか?

シイちゃんのキャラクターは、なんて言えばいいんですかね? 柄が悪くてものすごくサバサバしている。10代の頃からたばこを吸っているし、やさぐれているようにも見えるんだけど、いわゆる不良の感じでもない。マリコとは全然違って、凸凹のコンビ感がよかったです。(中略)

──映画を観ていく中で、キャスティングを意外に思った気持ちに変化はありましたか?

マリコの親父をシイノが怒鳴った瞬間に、「あ、大丈夫だ。シイちゃんだ」と感じて、そこからずっとシイちゃんでしたね。怒りの演技って、かなりうまさがわかるし、人生が出る。永野さんの演技、シイノとしての感情の爆発はすごかったです。

──マリコを演じる奈緒さんはいかがでしたか?

本当に原作通りでした! マリコが持っている不安定な感じや、壊れてしまっている感じを、すごくうまく表現されていたなあと。

──タナダユキ監督は原作の大ファンだとコメントしていますが、原作の空気を感じる演出でしたね。

キャラクターとキャラクターが重なって見えるとか、切り替わって見えるとか、記憶の中の存在が現実の自分に寄り添うとか、けっこうマンガ的な表現、マンガだからこそできる表現だと思うんです。それを実写でも印象的な表現にしているなと感じました。シイノとマリコが同一人物のように見えるときもあれば、まるで親子のように見えるときもあって。映像の雰囲気がすごくよかったです。

──原作との違いを感じることはありましたか?

相当忠実だったなと! あ、窪田正孝さん演じるマキオの部分は、より丁寧に描かれていたように思います。マキオは、シイノを止める人。マキオがいなかったら、シイノは感情の爆発のままにいなくなっていたかもしれない。そこを変えずに、原作ではさらっとしていた、マキオの重みのあるいい言葉を際立たせているなと。

──旅先で出会って、マリコの旅を見届けることになるマキオ。窪田さんは存在感がありました。

普通のお話だったら、シイノとマキオがなんかこう……始まりそうな感じがしますよね。例えば連絡先を交換して東京で会うんじゃないかとか、今はなくともこの先何かありそうだとか。でも、あの出会いによって、マジでなんもないじゃないですか。あのマジでなんもない感じがすごくよかったです。そこが変わってしまうと原作通りではないし、なんもないことで、現実味のあるお話だと感じる。そういう感じをちゃんと出してくれてありがとう!と思いました(笑)。

※マキオ、ええ奴やなーー。窪田くん、ハマリ役やなーい?漫画の感じだともうちょっと長い髪がボサボサで不潔な感じなんだけど。。。

 

・大原扁理ブログ 『マイ・ブロークン・マリコ』

 平庫ワカさんの、これなんとデビュー単行本。友達マリコの遺骨を奪って、生きてるうちに叶わなかった最初で最後のふたり旅に出るトモヨ。もんのすごいヘビーな話を若さに任せて疾走する。でいて、カラッと笑えるところもたくさん。

 マリコの家庭環境も最悪だけど、弱者や被害者だからといってキレイなだけの都合がいい設定にしちゃわないところに、キャラクターに対するほんものの愛を感じます。なんと言っても、マリコがちゃんとめんどくさい!

 で、逆に、強者の加害者が血も涙もない冷血人間かといったらそうでもない。そこらへんを、きちんと描けるの信頼がおける!これがデビュー作なんて!!

次作が楽しみな漫画家さん発見です。

 

※デビュー単行本なんスねーー。へぇえー、へぇえーへぇ~。

 

●原作漫画×実写映画、エモすぎるコラボ!

 

※あ、そうか、このシーン、叫んでるのがマリコに替わってたんだ・・・。映画じゃ気が付かなかったや。(シイちゃんとマリコ、泣き叫んだらなんか似てねぇ?)

 

◎オマケコーナー 広告&音楽

★書籍&サイトの情報は、1月1日の記述を参照あれ。

 

◇今日10月19日のコピー

「広告コピーと100の物語」より “”編

 

省略させておくんなまし。

 

◇大人のミュージックカレンダー

2018年10月19日

1981年の本日、10月19日、伊藤つかさ『つかさ』がオリコン・アルバムチャートの1位を獲得

執筆者:丸芽志悟

・・・1981年(昭和56年)の本日、オリコン・アルバムチャートの1位を射止めたのは、伊藤つかさのデビューアルバム『つかさ』だ。10月1日リリースされた同アルバムは、発売12日目にしてアルバムチャート1位という大快挙を達成し、以後3週にわたり1位を独走。その2週目となったのが、10月19日付のチャートだった。

 1981年といえば、メガヒットアルバムに「一家に一枚もの」と言う勲章を与えてもまだ通用する時代だった。3月21日発売された不朽のロング・セラー、大滝詠一『ロング・バケイション』はまさにその代表と言えるアルバムだが、それでさえ、12週も1位を独走したモンスターアルバム、寺尾聰『リフレクションズ』とかち合ったため、最高2位止まりに終わった。そんな輝ける時代が、貸レコード店という想定外の撹乱勢力の台頭により、いよいよ終わりを告げようとしていた。

 『リフレクションズ』の落城後、さだまさし、横浜銀蝿、シャネルズ(当時)、サザン、オフコースとカラフルに交代を続けていたアルバムチャートのトップに、突然14才の少女が君臨した。たのきんトリオ同様、ドラマ「3年B組金八先生」の生徒役として大ブレイクした彼女は、幼少期より「劇団いろは」に所属し、演技者としてのキャリアを積み重ね、既に大物の予感を漂わせていた。そんな彼女が、アイドル歌手としてのデビューの罠にはまるのは当然の成り行き。ただ、彼女の個性をレコードに刻み込むには、相当ドラスティックな発想の転換が必要だったに違いない。そこで登場するのが、ベルウッド・レコードを育てた大プロデューサー、三浦光紀である。意表を突く彼のプロデュース術、特に作家陣の選択がなかったら、ここまで成功したレコードが作れたであろうか。

 80年、徳間音工(当時)系列に新規設立されたジャパンレコードは、従来の日本のポップスと一線を画す実験的な制作ポリシーを貫き、音楽業界に新鮮な驚きを与える存在となった。制作陣の一人として迎えられた三浦光紀はまず、当時YMOのサポートとして活躍し、新たなファンを大量に獲得した矢野顕子を抜擢、CMソングとなった「春咲小紅」を大ヒットさせる。その波に乗って手がけたのが、伊藤つかさのデビューシングル「少女人形」だ。9月1日リリースされた同曲は、またたくまにチャートを駆け上り、最高5位にまで達する。

同曲の大ヒットと切っても切れない言葉、それは「労働基準法」である。当時14歳だった彼女は、この掟のため、21時より生放送が行われていた人気番組「ザ・ベストテン」への生出演を一度も行うことがなかった。しかし、山口百恵だって、14歳のデビュー時にバンバンテレビに出ていたではないか(21時過ぎの生番組とは限らないが)。

後年、「労働基準法」はあくまでも生放送に出ない口実にすぎなかったと匂わせる発言をつかさ自身が行った時は、なんか夢が壊れたなぁという印象を抱いた。そう、歌番組に出ないという行動は、彼女の歌手活動に神秘性を与える重要なファクターだった。事実、あがり症だった彼女といえども、キャンペーンは度々律儀に行っているし、高校で同級生だった熱烈なファンM君から、それらのイベントで行動を共にした劇団いろはの同窓生・つちやかおりを撮影した何枚かの写真をいただき、未だに持っているのは物証だ。

 ともあれ、そんな神秘のヴェールに包まれつつ、「甘ったれた歌声」とか、ちょっと時が過ぎた頃には「ロリ声」と形容されることもあった歌唱は、当時の中高生男子の多くを覚醒させ、アルバムへの期待を大いに加速した。何せアルバムチャートのトップという崇高な土壌が受け入れた若手女性歌手なんて、松田聖子がやっとという、そんな時代にである。

アルバムの1曲目は、当時ジャパン専属のアーティストでもあり、「ランナウェイ」などCM絡みのヒット曲作曲で乗りに乗っていた井上大輔による「ふたりぼっち」。歌い出しからして「あれ、レコード間違えたかな?」という既聴感にドキッとしてしまうが、その後の展開はさすがに職人技だし、一曲目らしいインパクトも十分だ。続いて、南こうせつ作曲による大ヒット曲「少女人形」。その後も、水越恵子、天野滋、伊藤薫ら所謂ニューミュージック勢がクオリティの高い作品を提供し、抜群の安定感がある。中でも吃驚させられるのは、安井かずみ・加藤和彦のコンビによる「わたしの友だち」だ。アルバムの流れを突然異次元へと傾けてしまう清水信之によるアレンジもヤバいが、これぞ役者魂としか言いようがない歌唱を聴いてほしい。彼女の歌唱にネガティヴな形容を与える気が、一気に失せてしまうはずだ。もちろん、歌詞カードに何点かのイラストを寄せている彼女に、やる気のなさなんて感じられるわけはない。

 翌年3月、わずか5ヶ月というインターバルを経てリリースされたセカンドアルバム『さよなら こんにちは』では、この「わたしの友だち」路線から一歩踏み込み、よりニューウェイヴ色を強めた音作りへと接近する。大貫妙子、原由子、矢野顕子、竹内まりや、坂本龍一、高橋幸宏ら、錚々たる面子が作品を提供する中、自らの作詞作曲による、打ち込みを使用したコンパクト・オーガニゼーション的とでも言えるポップス「彼」が異彩を放っている。

 つかさにまつわる都市伝説めいた話の一つに、ラジオで好きな音楽は何と訊かれた際、キャバレー・ヴォルテールとかスロッビング・グリッスルといった、相当尖った英国オルタナ勢の名前を挙げていたというのがある。確かにこの2組のレコードの日本盤は、当時英国のラフ・トレードと独占契約を結び、一部のファンを狂喜させていたジャパンが発売していたし、彼女がサンプル盤をもらって愛聴していても一切不思議ではないのだが。この辺りのセンスを、アレンジを担当した清水信之は受け止めたのかもしれない。歌詞にあるジミーとは、まさかジミー・パーシーのことではないだろうな。

 「労働基準法に囚われた少女」というイメージが消え去った後も、マイペースにレコードリリースを重ねたつかさだったが、ほとんどのオリジナルアルバムのCD化は2010年代になってからと、再評価には時間を要した。彼女の孤高な佇まいは、喧騒に満ちた現在のアイドル界から捉えると、清涼剤としか言いようがない。

伊藤つかさ「少女人形」ジャケット撮影協力:鈴木啓之

 

◇関連画像&動画その他

 

・日刊大衆 タモリは伊藤つかさ「芸能人が会いたかった」憧れの人は?

 誰しも憧れの芸能人に一度は会ってみたい、と願うものだろう。それは、芸能人になっても同じ。一般人が芸能人に会おうとするよりも、芸能人同士の方が簡単に会えそうな気がする。しかし実際のところは、それほど簡単ではないようだ。

『森田一義アワー 笑っていいとも!』(フジテレビ系)内で人気コーナーだった「テレフォンショッキング」は、タモリが憧れていた女優の伊藤つかさに会うためにスタートさせた企画だった。「テレフォンショッキング」は、1982年10月4日に第1回目のゲストとして、歌手の桜田淳子に出演してもらって開始。そこから次々と”友達の輪”を広げ、最終的に大ファンである伊藤つかさにたどり着くことが目的だった。

 実際に約3年後の1985年7月8日に、伊藤が出演し、会うことに成功した。その後は、自他ともに認める吉永小百合ファンということもあり、芸能人たちが持つ交友関係を利用して、いつか吉永に会うという目標を再設定していた。結果、「テレフォンショッキング」のゲストではなかったが、2014年3月31日に放送された最終回特番に吉永がVTR出演し、タモリは長年の夢をかなえた。

 

 お笑い芸人のいとうあさこが会いたかった憧れの人は、歌手の近藤真彦だ。幼少時に公園で撮影中の近藤に出会ってうれし泣きして以来、ずっと再会できる日を待ち続けていた。そして、2017年12月16日に放送された『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)で、再会することに。番組MCの久本雅美に「大大大ファンの、あさこ!」と紹介されるやいなや、いきなり大号泣。近藤にプレゼントの最新シングルを差し出されると、「待って待って待って! スイマセン!」と取り乱しつつ、土下座して受け取っていた。

 俳優の菅田将暉も、憧れの人に会って涙が止まらなくなってしまった。2016年5月13日に放送された『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)で、ダウンタウンの松本人志と浜田雅功と初対面。「会ったときに舞い上がってしまって、どうしようもなくなるから」という理由で、それまで共演オファーを断ってきたほどの大ファンだった。

 同年12月10日に放送された『王様のブランチ』(TBS系)に出演したときに「今年の重大ニュースは?」という質問に対して、先述の出来事を挙げ、「泣きましたらね!」「あんなに泣くんだ、オレ! と思いました」と振り返り、一緒に出演していた俳優の松坂桃李にも「芝居以外で、泣いているのを初めて見た」と言われていた。さらに「もう、しばらくはお会いしたくないですよ。ダウンタウンさんも泣かれても困るでしょう」「ひな壇とかでお会いしても、どうしていいか分からない」と、熱烈なファンならではの心理を明かした。

 どんなかたちであれ、会いたかった憧れの人に会えたのは、羨ましい限りだ。

 

●伊藤つかさ 少女人形 (2022)

※もう労働基準法に縛られることもありません。音声だけ聴いてるとあの日のままです。