舌の根も乾かねえ | 理都の人生悪あがき

理都の人生悪あがき

3児の母です。
子どもの事、日常の事、料理や趣味の事など綴っています。

コロナ自宅待機5日目。賞味期限を半年後に控えた災害用備蓄食料の携帯おにぎりを食べていた私のスマホが電話の着信をやかましく知らせてきた。


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嫌な予感しかしない。おそるおそる電話に出た私の耳に飛び込んできたのは、おそらく中年女性であろう人物の「〇〇中学校の者です~」という声だった。


「お母さん、長男君が、37.9℃の熱を出してまして」


予想どおりの台詞にうんざりする。


「ご本人にうかがってみたら、ご家族の皆さん感染症だそうで、ご自分もかかったかもしれないとおっしゃっていて。どうなんでしょう~」


どうなんでしょう、と聞かれてもそうでしょうね、としか答えようがない。これってもしかして、「何で家族が感染してんのにノコノコ登校させてんだよ」って意味だったりするのか?というか、今の学校の先生ってここまで生徒と保護者に対して尊敬語使うもんなのか。


「……あー、えーっと、迎えに行って大丈夫ですかね」


被害妄想とも現実逃避ともつかない思考を重ねたあと、私は当たり前の事を聞いてしまう。


「それがですね~、これから給食なので、食べさせてから帰そうと思って。長男君、食欲はあるとおっしゃっているので」


「はあ」


「今から20分後ぐらいには食べ終わっているかと思うので、それぐらいの時間にお車で来ていただいて、お電話いただいたら外に出します~」


「はあ。どうも」


電話を切った瞬間私は脱力して頭を抱えた。


先週の長女の感染からから一週間。


続く自宅待機。毎日毎時の消毒作業。職場への連絡。様々な事が頭を駆け巡る。やっと私の自宅待機期間が今日で終わるのに。夫も金曜日からは外出出来るのに。これからまた5日。長い。長すぎる。


迎えに行くと長男はダルそうではあるもののまあまあ元気でよく喋った。


「俺、コロナやったら金曜日にある生徒会の街頭演説聞けん」


「アンタの友達が立候補するの?」


「いや、せんけど面白そう」


「……そうか」


「でも、明日の小テストやらんでいいのはラッキー」


何がラッキーだ。ふざけるな。お前のせいで隔離期間が来週まで伸びてしまった。真っ先に感染した長女は回復し、自宅待機期間も明けて無敵状態だが、次女はまだ発症していない。これで来週の月曜日なんかに次女が発症した日には、私の仕事はどうなるんだ。


頭の中で暴れる思考は 口には出さず長男に相槌を打つ。元気とはいえ発熱している長男は自宅に戻るとすぐに寝てしまった。


おりしもインフルエンザ、コロナともに大流行のさなかである。病院の予約が取れたのは17時半。 診察と支払いがすべて終わったのは実に18時半を過ぎていた。


結果は勿論陽性である。分かってはいても脱力感は否めない。ぐったりしながらハンドルを握る帰り道、長男がまた口をひらいた。


「お母さん、 オレさ」


「うん?」


「今めっちゃ喋るやん」


「うん」


「でもシンドイから。そこんとこ分かっとってよ」


「……」


やかましいわ!




…………自宅待機、あまりにも憂鬱なので小説風に書いてみたんですがどうでしょう。という訳で、「さっきの記事で長男、次女よ感染してくれるなと言った舌の根も乾かぬうちに長男が熱出しやがった」というお話でした。オチはねえ。笑えねえ。




 

 

感染症の時の必需品。



 

 

消毒もしてたのに