読書感想『翼の翼』 | 栗山家の日常

栗山家の日常

夢はでかくなけりゃつまらないだろう 胸をたたいて冒険しよう

Audibleで『翼の翼』を読了?聴了しました~。

分量10時間くらいでした。

 

 

↓書籍版はこちら

 

 

Audibleで初めて読んだ小説がこれでした。

読む前は耳読書で小説って、世界観に入り込めるかしら…とちょっと気がかりだったのですが、中学受験という親和性高いテーマだったせいか、もう、スポンジが水を吸い込むように入ってくる入ってくるw

スルスル飲み込めてちょっと怖いくらいでしたw

文体がむずかしくなくて、心情に共感できて、会話劇が多いのも聴きやすさを助けてたのかもしれない。

 

 

こんな辺境ブログまで読んでるような人、教育熱心な方が多いと思うので全員におすすめしたい。

 

未読の人、読んだ方がいいです…!

 

特にこれから中学受験(検)を控えているような人は、ワクチン接種だと思って読みましょう!w

 

受験伴走病に対する免疫をつけておくことをおすすめします!

高校受験でも大学受験でもかかる場合ありありなのでぜひご一読を…


 

もうね、ヤバかったです…。

 

聴いてて、身に覚えがありすぎて!!

 

主人公の円佳(まどか)の心境や言動が、もう身に覚えありすぎる~~~~~!!

 

お、お前は俺か!?

 

俺がお前で、お前が俺で!?!?

 

私たち…

 

入れ替わってるーーーー!?(違う)

 

 

ママ友に子どもの優秀さを褒められて「そんなことないわよ、うちなんて…」と謙遜しながら、内心喜びをくすぐられて止まらない…

 

あるあるあるーーーー!

 

子どもに「やってみたい?どうする?」と子どもの意志を尊重するフリしながら、巧みに親が誘導している…

 

あるあるあるーーーー!

 

リアルなママ友には受験の話ができないので、ネットを読み漁ってそこでの交流にハマってしまう…

 

あるあるあるーーーー!

 

自分には収入がなく、塾代にしろ学費にしろ旦那が生殺与奪権を握っているので、旦那に媚びざるをえない…

 

あるあるあるーーーー!

 

嬉しさあまって子どもの成績を義父母に報告するも、「将来は●●だな!」とプレッシャーをかけられて言わなきゃ良かったと後悔する…

 

あるあるあるーーーー!

 

「もう受験なんてやめなさい!」

 

あるあるあるーーーー!

 

 

キリがないのですが…!?

 

 

もうね、最初はキッチンカウンターのecho showに読み上げさせてたんだけど、アカン、これリビングで大音量でかけていい小説やない!ってなって、イヤホンで聴くようにしてたの。

ちょいちょいエピソードがぶっ刺さるもんだから、突然「お、おいヤメロ~~~!」と台所で叫んでる不審者になってたわ…。

 

 

極めつけは

 

『手ーをーうーごーかーせー』

 

いやああぁあああああぁあぁああ

 

叫んでクッションに顔うずめて停止ボタン押してバタバタしちゃったわ!

 

もういっそひと思いに殺せ!!!!

 

 

アタシもやったよぉ~~

手をうごかせ激詰め身に覚えあるよぉ~~~泣

私の中にも真治住んでたよぉ~~~

あそこまでひどくなかったけどさぁ~~~

 

 

そして後半、我が子への愛があふれるところで、もう涙止まらんのやが!?!?

 

キッチンで枝豆ゆがきながら嗚咽している不審者こと栗山…

 

子ども達はお母さんが頭オカシイことに慣れてるので特に触れてこない…w
 

 

いろいろエグかったのですが、最初から最後までめちゃめちゃ面白かったです。

こんなに感情移入できた小説がかつてあっただろうか…。

 

 

中受あるあるがてんこ盛り、実在する塾や学校や掲示板を記号的にちりばめられていて、沼の皆さんにはすんなり理解できる世界観…

でも経験者じゃない人にはきっと一生わからない世界なんでしょう…

そんな極めて異質な沼の住人であることにせめて自覚的でありたい…そしてそれを当たり前と思わず、こんな風に俯瞰で見る機会を得て、自分の行いを恥じたり反省しながら、一番大切なことを思い出していきたい…

 

そんな風に思ったのでした。