こんにちは。





前回の続きから記載していきます。『【ドイツ】体外受精日記 1』こんにちは。なんだか毎日が忙しなく過ぎてあっという間に前回の投稿から1ヶ月以上経ってしまいましたこの1ヶ月は仕事に、家のことや友人との交流、日本への一時帰国な…リンクameblo.jp







今回は主に治療までの流れとドイツの保険制度、飲み薬について記載していきます。







治療開始前


前回の記事にも書きましたが、治療に入る前には不妊の検査をします。私も旦那さんも一度もこういった検査をしたことが日本でもアメリカでもありませんでしたので、どんな検査が一般的なのか分かりませんが私は採血と膣エコー検査、旦那さんは採血と精液検査のみでした。採血ではホルモン値を確認しているようです。





病院で不妊の検査を実施したのちに、必要に応じて医師が治療計画書を作成してくれます。公的保険に加入している場合には保険会社に医師が作成した治療計画書を提出して承認をもらう必要があります。




方法は至って簡単、医師から提供された治療計画書を指定された宛先に郵送するだけです。

宛先は保険会社によって、もちろん異なるので保険会社に直接連絡して確認しましょう。




ちなみに、ドイツでは日本人が沢山いるようなデュッセルドルフでは日本語で色々なサービスを受けられるので、もしかしたら保険会社も日本語で対応してくれるところがあるかもしれません。

私はドイツ語が流暢でないのと、入社時に保険に入る際に日本語サービスがあるものは見つけられなかったので英語でも対応してくれる比較的大手の会社にしました。





ドイツ企業に入社した方の保険の加入については以下を参照下さい。




さらに、治療計画書を送付する際ですが私達の場合は2人とも外国人、市役所に住民登録なし(SOFAビザ)の為か、保険会社から婚姻証明書を提出するように言われました。というのも、前回記事のドイツの行政サイトにも記載あったと思いますが公的保険で不妊治療が認められる場合には2人が婚姻関係にないといけないためです。




ここで役に立ったのが、在韓米国軍人との結婚の時に用意した婚姻届受理証明書+認定翻訳者が英訳したものと、その証明書でした。




私の場合は、この結婚の手続きで提出した書類は手続き完了後にすべて返却されたので結婚の記念に関連書類を全部保管していました。そのお陰で、新たにドイツで色々準備する手間もなく婚姻証明を提出することができ、無事に治療計画書が承認されました。










​体外受精の流れ


不妊治療についてや体外受精の方法は人によって大きく異なるため、ここでの内容は参考までに私の場合はこうだったという感じで読んでいただけますと幸いです。





日本語でもネットで色々調べると産婦人科や不妊の専門医が色々な治療について情報を提供していますので、そちらの方がもっと参考になると思います。ニコニコ







まず、私の場合はいわゆるアゴニスト法という方法だったと思います。アゴニスト法でもアンタゴニスト法でも自然排卵をホルモン剤で抑制しつつ、採卵のために複数の成熟卵胞を作る方法と思います。医師からは治療開始時にアゴニストかアンタゴニスト法のどちらかとしか言われてないので、どっちだったかは正確に分かりませんが薬剤的にアゴニストだったんじゃないかなと思います。






治療計画書が承認されたら、医師から渡された処方箋を持って薬局に行きます。不妊治療の薬剤は基本的に保険が適用されないので、保険証の提示などは必要ありません。また、日本の薬局のように薬剤情報提供書の提供はありません。簡単な口頭説明といつ飲むかのチェックシールが貼られるくらいなので、質問があったら薬をもらう時や診察時に医師に聞いてみた方が良いと思います。




また、こちらも日本の薬局との大きな違いですが日本では処方箋は薬局に渡すと返ってきませんが、ドイツでは処方箋原本又はそのコピーをもらえます。保険が適用されない薬剤に対してのみかもしれませんが、使用済みであることが分かる記入(署名?)をした後に処方箋を返してもらえるというのは日本とは大きく異なるところと思います。

処方箋にも飲むタイミングが記載されているので、個人的には返してもらうか、コピーもらっておいた方がいいと思います。また、確定申告でも使えるかもしれませんしね。







体外受精の治療で最初に処方された薬剤は以下のものでした。



Valette: エチニルレストラジオール0.03mg/ジエノゲスト2mg

俗に言う、経口避妊薬(ピル)です。



こちらは女性ホルモンの一種であるエストロゲン薬と黄体ホルモン剤の合剤で、子宮内膜の肥厚(俗にいう子宮内の血液のベット、経血として生理時に出る血液)を抑える働きがあります。服用をやめると少量の血液量の生理が2〜3日後に来ます。




避妊の他にも、ドイツでは青年期のニキビにも使われることがあるようですね。



こちらの薬は食前食後はあまり関係なく、毎日一回一錠決まった時間に服用するのがとても大切です。飲み忘れがないようにリマインダーを毎日かけるのがお勧めです。


ちなみに、一枚のシートは21錠で錠剤の下には曜日が記載されています。生理開始日の曜日から服用を開始します。


添付文書にも記載ありますが、飲み忘れた場合には気づいた時にすぐに服用し、その後は通常の時間どおりに服用します。



重大な副作用として知られるのは血栓症で、以下に当てはまる方はリスクが高いので注意が必要です。

  • 肥満である(BMI 30以上)
  • 喫煙者
  • 35歳以上
  • 4時間以上のフライトや寝たきりなどほぼ体を動かさない状況が続く
下脚が腫れる、息苦しい、ろれつが回らない、激しい腹痛がある場合などは医師に連絡しましょう。




HerzASS: アセチルサリチル酸50mg (アスピリン)。

こちらの薬は俗にいう血液サラサラの薬です。



日本ではどうか分かりませんが、ドイツでは子宮や体全体の血流を良くして妊娠率を高めるために処方されるようです。


医師からもらった説明書には記載なかったですが、個人的にはValleteの塞栓症防止の意味もあるのかなと思いながら飲んでました。



こちらは一日一回一錠、食後に服用します。アスピリンは胃に負担がかかりやすいので空腹時での服用はなるべく避けた方がいいです。



また、この薬を飲んでいる間は通常より血が止まり辛い状態になるので、歯医者を含めて外科的な処置が必要な医療行為を別の病院で受ける際には必ず申告しましょう。場合によっては一週間程お薬を飲むのを止めないといけないことがあります。



ちなみに、この薬は添付文書にも記載ありますが解熱鎮痛作用は期待されません。





Galen Tabletten: デキタメタゾン0.5mg

これは、俗にいうステロイドというものです。



こちらも日本で体外受精時に使うのか分かりませんが、ドイツでは良質な卵胞を作るために低容量のステロイドを使うことがあるようです。

私はこの分野の専門家ではないので詳細は書きませんが文献を調べてみるとそのような内容のものもありました。



こちらは一日一回半錠(0.5錠)を毎日服用します。

ステロイドと聞くと色々副作用を心配する方もいると思いますが、医師の用法用量とおりに服用する分には過度な心配は不要です。

ただし、ステロイドに限らずどんな薬でもアレルギーなどの副作用はありますので、服用後に体調が著しく悪くなる場合には医師に連絡しましょう。




ちなみに、こちらのボトルタイプは日本では見たことがなくて開け方に少し苦労したので、開け方について少し紹介します。






1. まず、蓋の上部にある赤いところを矢印の方向に沿って引きます。




2. 以下の写真のようになるので、はみ出した赤い部分を下から押し上げます。





3. 以下のように蓋が開きます。




半錠にする時は錠剤に割線があるので、そこを中心に外側に割るようにして半錠にします。





Folsan 0.4mg: 葉酸

こちらは妊娠を希望する方なら絶対に聞いたことがあるビタミンですね。

こちらは一日一回朝食前の服用でした。写真でも分かるとおり服用時点を薬局で貼ってもらいました。


葉酸は良質な卵胞を作ったり、妊娠初期には胎児の神経管閉鎖症を予防するのにとても重要な栄養素です。






これらの飲み薬は全て生理初日から服用を開始し、医師から服用中止の指示があるまで継続して服用します。

薬を止める順番としてはValletta(注射薬に切替)→アスピリン(採卵日の薬5〜7日前)→すぐに胚移植しないのであれば、デキサメタゾン、葉酸という感じです。





私は元々医療系の背景(薬剤師)があり、それまでの経験や知識と添付文書(ドイツ語)を翻訳して読んで今回の記事を記載しています。しかし、ドイツで医療資格があるわけではないので、こちらの記事は参考までに医師の指示に従ってお薬は服用又は中止するようにして下さい。





今回は、飲み薬だけで大分長くなってしまったので注射薬については次回に続きます。ニコニコ




ではでは。:)


つづき