歪みの種類と性質
先日の記事の中で、歪み(ひずみ)には種類があり、それぞれ音質が異なるという話をした。
今回は、歪みの種類と性質について考えてみた。
大きく分けて、歪みには、偶数次歪と奇数次歪とがある。
一般的に偶数次歪は耳に心地よく、奇数次歪は耳障りな音がするというが、はたして本当だろうか?
偶数次歪( ぐうすうじひずみ)とは、アンプ増幅の際、元の音に対して付加される、2倍、4倍、8倍etc...の波長を持つ偶数倍音の歪み成分である。
例えば、音叉でドの音を鳴らし、それをマイクで集音し、アンプで増幅し出力したとき、ドの音に合わせて高いドの音が検出されたとする。ここでは、アンプが2次歪が発生しているという事が言える。
奇数次歪(きすうじひずみ)は、アンプ増幅の際、元の音に対して、3倍、5倍、7倍etc...の波長を持つ歪み成分である。ドの音をアンプに入力し、ソの音が同時に検出されたら、そのアンプは3次倍音が発生しているという訳だ。
そもそも、楽音自体が倍音のかたまりである。
クラリネットの音波は耳ざわりといわれる奇数次倍音を中心に構成されているが、すぐれた演奏家はこの楽器を用いてまろやかな心地よい音を奏でる。
フルートは耳に心地よいとされる偶数次倍音が多いが、演奏者によっては耳ざわりな楽音を奏でる。
どうだろう。奇数次歪とは耳ざわりな音だとは一概に言えないようである。
残念な話だが、アンプの歪み成分を解析して人間の脳がどのような反応を示すかという事まではアンプのカタログには記載されていない。
カタログでは、ただ単に歪み全体の歪み率が記載されている程度である。
結局、アンプ選びは自分の感性に従うしかないようだ。