◆人はなぜ駆け込み乗車をしてしまうのか?
電車の発車間際に駅員さんから、「(発車ベルが鳴った後の)駈け込み乗車はお止めください」という注意喚起がなされます。
にもかかわらず、毎回、閉まりかけたドアに無理やり入る、挟まれる、こじ開ける人が後を絶ちません。
こういう行為は危険なばかりか、結局電車が遅れる原因にもなります。
しかし、これって必ずしもマナーのなっていない人が多いからというわけでもなさそうです。
発車ベルが鳴り終わったあと実際にドアが閉まるまでに猶予のための空白の数秒間があるため、地下鉄でホームに降りてきた人にとっては、目の前の電車の状態が、ベルが鳴った後なのか、ベルが鳴る前なのかを瞬時に判断できないということがあるのではないでしょうか?
◆駆け込み乗車を抑止するために
であれば、発車のベルが鳴った後であることを何らかの方法で示すことができれば、このようなトラブルが大幅に削減できるはず。
とはいうものの、効果的な告知(警告)方法を具体的に考え始めると、なかなk良いアイデアが浮かびません。
ベルが鳴り終わった後に空白の時間があるために間違うのだから、発車ベルが鳴り終わると同時にドアを閉めるという方法が考えられますが、人は「鳴っている間はまだ大丈夫」と思いがちなので、こうすると、やはりドアに挟まれてしまう人が続出すると思われます。
あと、最近はホームドアを設けて転落や電車との接触を避ける線や駅も増えてきましたが、電車のドアの開閉とホームドアの開閉のタイミングでうまく制御できないかといろいろ考えてみましたが、良い案が出ませんでした。
一番簡単なのは、電車のドアの脇か、ホームドアの脇にランプを設けて、駆け込み乗車禁止の警告として使うという方法ですが、ただでさえ急いで乗り込もうとしている乗客が、入り口ではなく、その脇にあるランプに気がつくかというと、はなはだ疑問です。
やはり、入り口の空間そのものにバリケードか何かがあるくらいでないとなかなか気づかないでしょう。
◆ひとつのアイデア
そこで思いついた私のアイデアは、電車の入り口の空間いっぱいに、何らかの方法で巨大な「☓」印を映写するというもの。
単なる映像なので、仮に人が無理やり入ってきても、何か物にぶつかることはありません。
あくまでも心理的な障害を設けるだけです。
ただ、空間に映像を映し出すという技術が実用的に難しいんだろうなと思っていました。
◆実現に向けたニュース!
そんな中、一昨日の2/17に、以下のようなうれしいニュースが流れてきました。
→「三菱電機、空中に映像を映し出せる大型ディスプレイを開発」
おおっ! こういう技術を待っていたんですよ!
前々から大学の研究室レベルでの報告はなされていましたが、いよいよ企業からの製品コンセプトが出てくる段階に至ったというわけですね。
とはいえ、人の混雑している電車の中で、いかにして映像の通り道を確保できるようにビームスプリッターや反射板を設置するかという点でまだまだハードルが高いかも知れませんが、期待は持てますよね。
あっ、あとコストの問題もあります。
こちらの課題の方が大きいかな~
ところで、この駆け込み乗車への対処方法は、高速道路の出口からの侵入や逆走の防止にも使えそうです。
高速道路の出口部分の空間に大きく「☓」印なり侵入禁止マークを表示するのです。
もちろん出る側からは見えないようになっています。
以上です。