終活業務日誌~I様のケース② | JNEXT司法書士事務所のブログ~終活業務日誌~池袋 相続・遺言書・認知症対策

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池袋のJNEXT司法書士事務所と申します。
相続といえば日本一と言われる様、日々精進してまいります。
また、終活に関する記事についても掲載していき、見てくださった方の参考になりますと幸いです。

みなさん、こんにちは!

 

司法書士の落合です。

 

本日はI様のケースの2回目を書かせて頂きます。

 

公証役場の段取りの話しからになりますが、公証役場をどこに頼むのかも重要なポイントになってきます。

もちろん、どの公証人の先生にお頼みしても一生懸命やってくれますが、公証役場によっては在籍する公証人の先生の人数や忙しさによって対応するスピードが変わってきますので、今回はできるだけ迅速に動いて頂ける公証役場に頼む必要があります。

 

通常は、こちらから公証役場に出向いて公正証書を作成するので、できるだけ依頼者から近い公証役場を選択するのですが、今回はI様自身がほとんど動ける状態ではなく、公証人の先生に自宅へ出張に来て欲しいとのことでした。

したがって、今回はいつも別件でも色々とお願いしていて、迅速に対応して頂いている公証役場の先生にお頼みすることで考えています。

 

なお、公証人の先生に出張に来てもらう場合は、通常の公正証書の費用に加えて出張費や交通費が別途かかってしまいますので、ご注意ください。

 

事前にその公証役場には、至急ご対応して頂く案件がでてくるかもしれないということは前日の4月1日のうちにご連絡だけしておき、4月2日に実際に私自身がI様とお会いした後、やはり至急ご対応頂く必要がある旨お伝えをしたところ、それでも他の予定や土日を挟んでしまうこともあって、最短で出張できる日が4月7日になってしまうとのことでしたので、4月7日にお願いすることで進めることにしました。

 

公証役場とのやり取りも、必要書類は4月2日中にすべて取得し、公正証書の文案も2日のうちにまとめて公証役場にメールを送ったところ、担当の公証人の先生も一夜で文案をまとめてくださり、翌日3日の朝には最終的な文案が私宛にメールで届いておりました。

 

4月3日には公正証書の準備は整ったので、あとは4月7日の作成日までにI様の体がもつかどうかです。

 

その間もI様の状況が気になったので、終活協議会の担当の方に確認したところ、病院の先生を呼んで痛み止めを打ったりして、多少状態が安定しているということでしたが、それでも予断を許さない状況であることには変わらないので無事7日になることを祈っておりました。

 

何とか7日になり、公正証書作成日を迎えることができました。

本来であれば、私も公正証書遺言の証人の一人としてその場に立ち会うのですが、あいにく7日は別件の予定が以前から入っていたこともあって、立ち合うことができなかったため、公正証書遺言の証人については終活協議会の方におまかせし、あとは作成完了の報告を別の仕事をしながら待っていました。

 

その後、無事作成が終わったとのご連絡を頂き、一安心です。

 

作成時の状況を聞いたところ、だいぶお辛そうではあったようですが、頑張って公証人の先生のお話し聞いてご対応されたようです。

その時にI様が「もう少し早く手続をしておけば良かったかな」と漏らしていたそうで、その話しを聞いて私もその言葉がすごく印象に残っております。

 

公正証書完成後、終活協議会の担当の方から、翌日の8日にI様に入院をして頂くという話しを聞いていたのですが、9日になって再度ご連絡があり、残念ながらI様が8日に亡くなられたというご連絡を頂きました。

 

I様の体の状態が良くないことは私の目から見ても明らかだったので、正直いつ亡くなってもおかしくないということは頭の片隅にはありましたが、こうやって関わった方が亡くなってしまったことをお聞きすると心境はやはり複雑です。

 

しかも公正証書作成日の翌日に亡くなられてしまったので、一日遅かったらどうなったのだろうとか、色々と考えさせられることはありますが、最後まで頑張って生きたI様には改めてお疲れさまでしたと言ってあげたいです。

 

最低限、私自身の役目は果たせたのかなと思いつつ、それでも終活協議会の方や公証人の先生などたくさんの方のご協力があったからこそ今回の公正証書の完成があったのだと思っています。

 

終活とは、お1人の人生であっても、こうやってたくさんの方に関わって頂き、ご協力を頂かないと実現することが難しいなと改めて感じつつ、今回のI様の事例を読んでいただいた方に少しでも終活にご興味をもってくださって、ご参加して頂けるとありがたいなという思いもあって、この記事を書かせて頂きました。

 

I様も生前におっしゃっていたように、終活の準備をすること自体は早くすることに越したことがないので、早く準備をしておけば、それだけ自分の思いをかなえられる可能性も高くなりますし、残された家族がいるのであれば、家族にもご自身の思いを伝えることができます。

 

なお、I様の件はこれで終わりではなく、頑張って残された遺言の内容を実現する必要があります。

終活協議会の方を中心に私自身もご協力できればと考えておりますので、進展がありましたらまた記事を書かせて頂きます。