「困った人」も困っている | 介護の誤解

介護の誤解

いま苦しんでおられる介護者のために

このブログは義父と義母を介護した過去の経験をもとに書いたものです。

思いつくままに書いており時系列順ではありません。

あらかじめご了承ください。

 

認知症患者とその家族が集う

コミュニティーカフェ

ボランティアをしていた時の話。

 

 

患者さんのお一人

同じ話を繰り返される以外は

とくに変わったことが

ありません。

実に温厚そうです。

 

 

 

ところが奥方によると

夕刻になると

「家に帰らなければ」と言い始め

実際に元あった家に向かって

歩きだされるそうです。

 

 

 

すでに家は取り壊されていますが

今の自宅から徒歩で2時間半の距離。

 

そして

家を出て歩き出してから

1時間ほど経過すると

スマホから自宅に電話が。

「もう歩けないから

迎えに来て欲しい」

これが毎日繰り返されます

 

 

 

奥方からみると

じつに「困った人」です。

 

 

では

当の御本人はどうなのでしょうか。

 

何も困っておられないのでしょうか。

 

 

 

いえ

「家に帰らなければならない」

ある意味で強迫観念です。

 

絶対に帰らなければならないのです。

 

 

 

方向は分かっています。

しかし

何故か歩いて帰らなければならない。

 

 

 

そして

体力的な限界を覚えます。

 

ひょっとしたら

家がなくなったことに

気づいているのかもしれない。

 

 

 

そして

救いを呼びます

 

 

 

しかし

明日になれば忘れる

 

 

そうなのです。

 

御本人も

毎日困っているのです。

 

 

 

似たような現象が

周囲にあるかもしれません。

 

 

 

あまり

ワンサイドで考えない方が

良いのではないか。

 

諦めないで

専門医に相談し

大変ならば地域包括にでも

SOSを送ることです。

 

決して自滅してはなりません。