「要介護認定基準は
身体能力や認知機能で決まる」
そう考えておられる方が
多いのではないでしょうか。
たしかに認定調査員の方からは
「片足で立てるか?」など
身体的な問題について問われ
さらに時計やペンを見せておいて一旦しまい
しばらく他の質問をしてから
「さっき何を見せましたか?」
つまり短期記憶の確かさを確認されます。
ここで最初の「不思議」を経験されるでしょう。
普段ぼうっとしている親御さんが
はっきりと発言したり
自らお茶を出したり
別人のように振舞います。
滅多に合わない他人なので緊張のあまり
しっかりしてしまうといった
珍現象が起ります。
これは結構あるようです。
このため
普段の言動について
レポートを書かれることをお勧めします。
・テレビを大音響にする時が多い。
・お金の計算ができないので小銭が溜まる。
・病院の受診日時をよく間違える。
・財布を頻繁に探している。
などなど。
できるだけ「いつ何があったか」と
具体的に書かれることをお勧めします。
次に戸惑うのは
施設に入所した状態で
要介護認定の更新を受けた時。
重度の障害があると思ったのに要介護Ⅱ。
あるいはコミュニケーションが取れるのに
要介護Ⅴ。
そもそも要介護度は
介護する側の負担で判断されます。
車椅子でしか移動できなくても
自ら車椅子を動かすことができれば軽い。
ただ施設の事情もなくはないようです。
義父は「認知症が酷い」と
施設長からよく言われていましたが
会話は普通にできていました。
それなのに心臓病の悪化から
病院に転院した際に
サマリーには「自分の名もわからない」と
書かれていたようです。
施設入所の基準は
どんどん厳しくなっているので
そういったことも起こるのでしょう。
ですから大切なのは
要介護度の変化に一喜一憂しないことです。