配偶者の不倫による外傷トラウマの正体 | 日本心理教育院 www.jip.ac

 

配偶者の不倫を知ると相手配偶者には不倫のトラウマ、ここでは外傷トラウマと呼んでいますが、必ず外傷トラウマが発生します。もちろん配偶者が不倫をしても外傷トラウマが発生しない人もいますが、それは配偶者との関係を取引関係だと考えていたり、一緒に住んではいるけど心理的には他人のように暮らしていたりする場合は外傷トラウマは発生しませんが、正常に夫婦関係を結び正常な結婚生活を送ってきた人には必ず外傷トラウマが発生します。

 

外傷トラウマが発生するケースは三つありますが、親密な人との突如の死別、性暴力被害、そして配偶者の不倫です。つまり不倫のトラウマというのは死別や性暴力被害に匹敵するトラウマができるのですが、配偶者が不倫をやめても信じられく苦しさが続いたり、いつも配偶者を疑っていたり、いつまで経っても不倫について問い詰める現象が現れるのもこの外傷トラウマが作用しているからです。

 

 

私たちは日常生活を送っていると、傷付くこともあり、またその傷が回復されたりしながら日常を送っています。夫婦喧嘩をして傷付いて仲直りをしてその傷が治療されて、また子供に何かを言われて傷付いてまた子供と関係が良くなると、その傷が治療されたりしながら日常を送るのが正常です。この日常で受ける一般的な傷を―10だと仮定すると、不倫のトラウマは-10万~-100万くらいの大きさなので、自ずと治療されて日常に戻れるようなものではありません。実際に不倫による傷は―100くらいの大きさなのですが、それまでに自分が生きてきた人生、例えば自分が40歳だとすれば、40年間の記憶すべてが傷に変わります。幸せで楽しかった記憶までもが傷に変わるのです。50歳だとすれば50年間の記憶すべてが傷に変わります。例えば夫と楽しかった旅行のことを思い出したときに、その楽しかった旅行は本当は傷ではないのですが、その旅行に関する記憶を思い出しても苦痛でつらくなります。このように頑張って正常に結婚生活を送ってきた人であるほど、結婚生活が長い人であるほど自分が感じる苦痛は大きくなるのが外傷トラウマです。

 

しかし本人はこんなにも苦しいのですが、不倫をした配偶者は―100くらいの大きさと考え、-10万-100万の苦痛を感じるいることには全く認識していません。また―100の苦痛だとしても不倫した配偶者が同じ苦痛を感じることもできません。外傷トラウマが発生したときは必ず治療をしてければならないのですが、このような強力な傷を抱えて生きると家庭を守ることもできず、子供を守ることもできず、結局は自分自身が苦痛を受けた分だけ他人に苦痛を与えながらそれが幸せな人生だと思う人に変わります。苦痛を感じるいることはまだ回復して幸せになりたいと意味です。そして今の苦痛は幸福への源です。苦痛を感じなくなった瞬間、相手にその苦痛を転嫁しながら自分は幸せだと感じる人に変わるということを忘れてはならないと思います。

 

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