口腔機能低下症 入門
、今回は真面目に本業歯科分野のお話です。「口腔機能低下症」が2018年4月から保険導入され歯科としては「発想の転換」が必要になってきています「オーラルフレイル 」という言葉もよく耳にします(私たちだけ、、、か?)「コンクリートから人へ」、、、なんていうよくわからないキャッチコピーがありましたけどその流れでいうと歯の(口の)形態から機能へ~形を整えるだけじゃダメよ!動かせなくっちゃ~今まで、歯医者さんというと頭に浮かぶのは虫歯・入れ歯・抜歯という時代が長く続いてきて少し前から「歯周病」という言葉が注目されるようになり「全身の健康は口腔から」がようやく世間一般に知られるようになり同時に高齢者・介護分野では「肺炎予防にも口腔ケアが大事」ってことが実感として浸透してきた感じです。摂食嚥下のことも少しずつ理解されてきたと思います。ところで「口腔機能低下症」って、なに?に応えるべく入門から書いていこうかなと考えて書き始めました。何回かに分けて書いていくと思いますがお付き合いのほどをm(__)m~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~従来は治療中心型で、歯の形態を回復することが歯科の需要でしたがたとえば今まで寝たきりで無歯顎(歯のが一本もない)の人に総入れ歯を作ったからといってすぐに咀嚼と嚥下ができて栄養状態も良くなるか?、、、答えは「否(NO!)」です。なんでか?それは、歯科医の腕前と技工士の技術だけでなく顎堤の吸収度合いにもよりますが形態的に問題なくてもご本人が入れ歯を上手く使えるかどうかは機能の問題いわゆる筋力も、認知機能も大きく影響しますので全身の筋力低下しているのに口だけ元気、、なんてことはないわけです。また、介護の現場で嚥下ができないからトロミをつけるか嚙めないなら刻んでおけばいいってのも、正しいとは限らず、口(口唇や頬や舌)が動かなければ、いくら食形態を変えても安全な嚥下には繋がらず誤嚥(ひいては誤嚥性肺炎)のリスクがある!このように、日常生活が自力でできなくなってからでは遅い!~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~( ..)φ 以下はかなり前の話になります(年寄りが歴史を語る、、、みたいですが)じゃあ、そうなる前に手を打ちましょう!ってことでまずは(医療保険ではなく)介護保険の方で介護保険制度改正により「介護予防事業」が平成17(2005)年に介護の入り口の前の段階から予防を行って高齢者の健康と暮らしの向上を図るために「運動」「栄養」「口腔」の三項目についてそれぞれ介護予防事業の取り組みが始まりました。わたしはその頃~平成18(2006)年ごろ地区歯科医師会で高齢者・介護関係の担当理事をしていたので行政の担当部署と打ち合わせを何度も重ね「口腔機能向上プログラム」と称して、当時65歳以上の高齢者で基本チェックリストのうち口腔の三項目・お茶や汁物等でむせることがありますか?・半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか?・口の渇きが気になりますか?、、、でふるいにかけて(特定高齢者という)対象の方々を集めて歯科医師会館で歯科衛生士さんをメイン講師として「教室」を開いていました。(※歯科衛生士・言語聴覚士・看護師 と指定されていた)(続く)♯1,052