久しぶりのトムプロジェクトさん
水俣病と聞き暗い話か〜と思っていたらそうでもないらしい
重たいテーマをどう料理して見せて下さるのか楽しみです




作・演出             ふたくち つよし
杉坂栄美子(母)       音無美紀子 
杉坂孝史(父)          太川陽介
杉坂功一(長男)       生津徹 
杉坂悟(3男)           いわいのふ健 
杉坂貴子(功一の妻)     岸田茜

昭和のホームドラマのようにコメディタッチで話しは進んでいく
それだけに母ちゃんの身体を蝕む水俣病が痛々しい
誰も望んでなった病気ではない
なったらなったで言われのない差別も受け続け、保証が出たら出たで問題も起きる
どうすれば良いのか
母ちゃんは人に自分の病気の事を話して知ってもらう事で周囲を変えていくことにした
水俣病の事を知らない人達に知ってもらう事は、その事をよく思わない人もいた
それでも知ってもらう事から始めた
母ちゃんを支える父ちゃんに息子達やそのお嫁さん
家族が見守る中で、自分が魚だったらという話しをする
龍神太鼓のあと正装した母ちゃんは神がかっていた
話す言葉も美しく、感謝の言葉が欲しかっただけだと言った
自然を汚染した事もあってはならない事だが、病に苦しむ弱者の事も私達は忘れてはならない
時に心の救済も必要なのだと思った

公演後ロビー交流会があり出演者のあいさつや質問などの交流があった
龍神太鼓の練習でまめが出来たら大変だった話しや、役作り、好きなシーンの話しもあり盛況に終わった
最後握手までして頂き、外は雪で寒いが劇場の中はいつまでも温かさに包まれていた
良い演劇鑑賞でした

今回は何やらミステリーの予感がする
ハズレがないんですよね
市民劇場のミステリーは
楽しみです



作               J.B.プリーストリィ
脚本            八木柊一郎
翻訳            内村直也

演出            西川信廣


倉持幸之助       柴田義之(劇団1980)
倉持ゆき (幸之助妻)         山崎美貴(文学座)
倉持沙千子 (幸之助娘)      尾身美詞(青年座)
倉持浩一郎 (幸之助長男)   馬場太史(俳優座)
黒須辰男 (沙千子婚約者)    脇田康弘(俳優座)
秋山のり子 (家政婦)         有賀ひろみ(文化座)
影山警部                        瀬戸口郁(文学座)

娘の婚約者を迎えた一家団欒の夜、見知らぬ男が訪れる。男は一人の女の死を告げ、家族たちに質問を重ねていく。
初めに父親。企業の社長である彼は、かつていわれのない理由で女を解雇していた。そして娘、婚約者、母親……。
男は新たな事実を突きつけ彼らの生き方を問いただす。
女はどうして死んだのか? 男は去るが、残された家族の本当のドラマはそこから始まるのだった……。
(劇団俳優座映像部HPより引用)

遅れてギリ劇場に滑り込み、、まずセットの豪華さにびっくり
今年の米子市民劇場は1月の『グレイクリスマス』の豪華なお屋敷セットから始まり、終わりも豪華な応接室のセットで終わる
なんか、凄く得した気分で気持ちも上がりました
キャラクターはみんな個性が強く性格もハッキリしていて、その後の変化も面白い
その中で唯一動きも少なのに存在感があり、良い声が響く警部影山の声が印象的です
これ会話劇ですよね
ある女性についてどんどん皆んなの罪が暴かれていくのですが、影山の正体が不明です
最初女性の身内かな?とも思ったのですが、ラストの方不思議な事が起きます
影山とは何者なのだろう
戦前前に時代を移したという事で、戦争は皆んな一人一人の罪が重なって起きると言いたかったのだろうか?
いやいや影山って名前の通り影の様な予知だったのだろうか?
人は罪とは…
謎は謎をよんでゆく

芝居が終わった後、役者さん達を囲んでロビー交流会がありました
今まで家の事やコロナで参加できなかったので初参加です
参加して良かった
娘の沙千子役の尾身さんが、やはり演出家の意図で役をハッキリ演じておられ、「境港の鬼太郎ロードに行ったので『鬼太郎』の猫娘のつもりで演った」と言われて
瀬戸口さんは影山の異質感は写真を出す以外は一切手を使わなかったそうです
翻訳劇の時代が戦前なのは、脚本演出家さんで、原作が現代では合わないのと、混沌とした時代に置く方がより深く内容を表現出来るから決まったというニュアンスの事を聞きました
更に、この作品は観る側の想像力を掻き立てる作品で、自分達は演じただけで、そこからの感想は観た人達のものだともおっしゃられてました
成程、私はまんまと作者や演出家さん達の意図に乗っかっていたのね
深掘りをさせられるお芝居
このモヤモヤ感
嫌いじゃない
もっとモヤモヤさせられて悔しくて、でも面白かった作品も過去にもあった
今作は程よく脳を回転させられ、最後まで五感が離せなかった
交流会も含めて本当に楽しい観劇でした

余談、沙千子さんを演じられた尾身さんは『キャンディーズ』のミキちゃんの娘さんだそうです






いつもの如く最低限の知識しか頭に入れてない
韓国の詩人さんで日本で投獄されて亡くなった方の話らしい
詩も久しく読んでないからちょっと気になる
今回の出会いはどんなかな〜



原作     イ・ジョンミョン
脚本・演出  シライケイタ

渡辺優一    岡山豊明
杉山道造    北 直樹
尹 東柱     矢野貴大
岩波みどり   傍島ひとみ
崔 致寿     島本真治
所長      葛西和雄
森岡院長    板倉 哲
看守長     広戸 聡
囚人      大木 章
囚人      中川為久朗
囚人・看守   高山康宏
囚人・看守   塚原正一
囚人      安田遼平
囚人      佐藤良唯
看護婦大山   藤代 梓
看護婦 上原   小切伊知子

1943年、福岡刑務所で、ある看守が殺された。
配属されたばかりの若い看守が殺人犯の捜索にあたり、投げ捨てられていた看守服のポケットから 藁半紙に書かれた一編の詩を発見する。
誰がなぜ殺したのか。
その詩の意味するものとは…。(HPより引用)

サスペンス調で始まり、「お」っと話は始まる
看守渡辺が亡くなった杉山の人物像に焦点を当てながら、彼の心を捉えた詩人、尹 東柱の人となりを追ってゆく話なのだが、これらはフィクションで実話ではない
詩人尹 東柱に関する資料は極めて乏しく、その作品からしか知る事は出来ないらしい
「もし」から始まり想像で作られた話だか「杉山」を動かす程に哀し美しい詩が舞台に綴られる
渡辺が星に手を伸ばし届かぬもどかしさを伝える尹 東柱に対して、帽子で星を掴んだ様に見せる仕草は、この詩人に対して小説の作者からの優しさであり追悼の様に感じた
戦後戦犯の1人として尋問を渡辺も受けるのだが、
渡辺の記したノートが問題になる
そのノートには自分が見た事のみを書き留めたと渡辺は言った
それはかつて囚人の崔が「あったことだけを書き留めろ」と渡辺に言っていた言葉どおりだった
これが真実なら大変な事だと言う尋問官を前に
渡辺は繰り返し言う
「あった事を書いた」と

「事実」は分からないが、あった事は変えれない

資料は少なくとも、詩人尹 東柱が生きて詩を書き、
不当逮捕され獄死した事実は存在しているのだから