今回は何やらミステリーの予感がする
ハズレがないんですよね
市民劇場のミステリーは
楽しみです



作               J.B.プリーストリィ
脚本            八木柊一郎
翻訳            内村直也

演出            西川信廣


倉持幸之助       柴田義之(劇団1980)
倉持ゆき (幸之助妻)         山崎美貴(文学座)
倉持沙千子 (幸之助娘)      尾身美詞(青年座)
倉持浩一郎 (幸之助長男)   馬場太史(俳優座)
黒須辰男 (沙千子婚約者)    脇田康弘(俳優座)
秋山のり子 (家政婦)         有賀ひろみ(文化座)
影山警部                        瀬戸口郁(文学座)

娘の婚約者を迎えた一家団欒の夜、見知らぬ男が訪れる。男は一人の女の死を告げ、家族たちに質問を重ねていく。
初めに父親。企業の社長である彼は、かつていわれのない理由で女を解雇していた。そして娘、婚約者、母親……。
男は新たな事実を突きつけ彼らの生き方を問いただす。
女はどうして死んだのか? 男は去るが、残された家族の本当のドラマはそこから始まるのだった……。
(劇団俳優座映像部HPより引用)

遅れてギリ劇場に滑り込み、、まずセットの豪華さにびっくり
今年の米子市民劇場は1月の『グレイクリスマス』の豪華なお屋敷セットから始まり、終わりも豪華な応接室のセットで終わる
なんか、凄く得した気分で気持ちも上がりました
キャラクターはみんな個性が強く性格もハッキリしていて、その後の変化も面白い
その中で唯一動きも少なのに存在感があり、良い声が響く警部影山の声が印象的です
これ会話劇ですよね
ある女性についてどんどん皆んなの罪が暴かれていくのですが、影山の正体が不明です
最初女性の身内かな?とも思ったのですが、ラストの方不思議な事が起きます
影山とは何者なのだろう
戦前前に時代を移したという事で、戦争は皆んな一人一人の罪が重なって起きると言いたかったのだろうか?
いやいや影山って名前の通り影の様な予知だったのだろうか?
人は罪とは…
謎は謎をよんでゆく

芝居が終わった後、役者さん達を囲んでロビー交流会がありました
今まで家の事やコロナで参加できなかったので初参加です
参加して良かった
娘の沙千子役の尾身さんが、やはり演出家の意図で役をハッキリ演じておられ、「境港の鬼太郎ロードに行ったので『鬼太郎』の猫娘のつもりで演った」と言われて
瀬戸口さんは影山の異質感は写真を出す以外は一切手を使わなかったそうです
翻訳劇の時代が戦前なのは、脚本演出家さんで、原作が現代では合わないのと、混沌とした時代に置く方がより深く内容を表現出来るから決まったというニュアンスの事を聞きました
更に、この作品は観る側の想像力を掻き立てる作品で、自分達は演じただけで、そこからの感想は観た人達のものだともおっしゃられてました
成程、私はまんまと作者や演出家さん達の意図に乗っかっていたのね
深掘りをさせられるお芝居
このモヤモヤ感
嫌いじゃない
もっとモヤモヤさせられて悔しくて、でも面白かった作品も過去にもあった
今作は程よく脳を回転させられ、最後まで五感が離せなかった
交流会も含めて本当に楽しい観劇でした

余談、沙千子さんを演じられた尾身さんは『キャンディーズ』のミキちゃんの娘さんだそうです






いつもの如く最低限の知識しか頭に入れてない
韓国の詩人さんで日本で投獄されて亡くなった方の話らしい
詩も久しく読んでないからちょっと気になる
今回の出会いはどんなかな〜



原作     イ・ジョンミョン
脚本・演出  シライケイタ

渡辺優一    岡山豊明
杉山道造    北 直樹
尹 東柱     矢野貴大
岩波みどり   傍島ひとみ
崔 致寿     島本真治
所長      葛西和雄
森岡院長    板倉 哲
看守長     広戸 聡
囚人      大木 章
囚人      中川為久朗
囚人・看守   高山康宏
囚人・看守   塚原正一
囚人      安田遼平
囚人      佐藤良唯
看護婦大山   藤代 梓
看護婦 上原   小切伊知子

1943年、福岡刑務所で、ある看守が殺された。
配属されたばかりの若い看守が殺人犯の捜索にあたり、投げ捨てられていた看守服のポケットから 藁半紙に書かれた一編の詩を発見する。
誰がなぜ殺したのか。
その詩の意味するものとは…。(HPより引用)

サスペンス調で始まり、「お」っと話は始まる
看守渡辺が亡くなった杉山の人物像に焦点を当てながら、彼の心を捉えた詩人、尹 東柱の人となりを追ってゆく話なのだが、これらはフィクションで実話ではない
詩人尹 東柱に関する資料は極めて乏しく、その作品からしか知る事は出来ないらしい
「もし」から始まり想像で作られた話だか「杉山」を動かす程に哀し美しい詩が舞台に綴られる
渡辺が星に手を伸ばし届かぬもどかしさを伝える尹 東柱に対して、帽子で星を掴んだ様に見せる仕草は、この詩人に対して小説の作者からの優しさであり追悼の様に感じた
戦後戦犯の1人として尋問を渡辺も受けるのだが、
渡辺の記したノートが問題になる
そのノートには自分が見た事のみを書き留めたと渡辺は言った
それはかつて囚人の崔が「あったことだけを書き留めろ」と渡辺に言っていた言葉どおりだった
これが真実なら大変な事だと言う尋問官を前に
渡辺は繰り返し言う
「あった事を書いた」と

「事実」は分からないが、あった事は変えれない

資料は少なくとも、詩人尹 東柱が生きて詩を書き、
不当逮捕され獄死した事実は存在しているのだから


コロナ禍の為上演中止になった
TRUMPシリーズ『キルバーン』が戻ってきました
どんなお話なのか
謎が多すぎて楽しみ❣️





作・作詞・演出     末満健一 
音楽          和田俊輔 

不死卿ドナテルロ    松岡充
美少年グスタフ     小林亮太
血花嫁ソフィ      内田未来
有頂天オリーブ     フランク莉奈
道化師マルメロ     山崎樹範
復讐鬼シラン      倉持聖菜
粗忽者リンドウ     池田晴香
愚美人ポピー      宮川浩
人狩人ダリ       堂珍嘉邦

ドナボーイ&ドナガール
入江二千翔   徳岡あんな kizuku corin
佐野空波 SHION 中込萌 渡邉南

スウィング
畑中竜也

ここはドナテルロと言う不死卿が住む館
彼は不老不死で日々使用人達からも斬りつけられているが死なない身体を持っていた
彼はcocoonと呼ばれる繭期を誘発させる違法麻薬薬の売人の顔も持っていた
この日ドナテルロの元に麻薬の買付にポピ一行がやってきた
彼は永遠の命と引き換えに不老不死の少女を「花嫁」として連れてきたのだった…

もうねライブです
最初からノリノリで手にリストバンドつけて手バンしてヒューヒュー言ったりコール&レスポンスしたり消費エネルギー半端ないです
少しの間ですが立ったままお芝居見るって中々無い体験です
観客側もシンガー2人出演しているせいか年齢層も小さい子からいて家族で来ている所もある様で、男性の姿も結構みました
まず前楽マチネソワレを観ましたがマチネではいつもと違う雰囲気に戸惑って乗り切れず、ソワレでは「イェーイ」と本番状態、大千秋楽は場数こなしただけはある働きをしました
ただマチネ戸惑った分内容が中々頭の中で咀嚼しきれず
「私は何を観てるのだろう」と問いただす事度々
作演出家が大体前半説明やお膳立てをし、後半覆い被さる様に畳み掛けてくるのでキィーポイントさえ押さえておけば良いかなと気になる言葉や事柄に注視してた
それでも見落とした部分をソワレで答え合わせしてゆきました
クライマックスの曲は歌詞聞いて「確かに」と思いながらもコケそうになるくらい笑いそうになった
ここまで遊び心があると楽しい
これスルメですね
それも参加する事に意義があるスルメ
円盤とか外から観てたら駄目だわ
ナマで観て身体ごと歌の暴力(褒めてる)を浴びないと中に浸透出来ない(出来る人もいるかもしれないが)
腕につけるリストバンドが増える程に浸透圧も宜しくハイテンションで劇場を後にしました

松岡ドナテルロ
満を侍しての配役で、ドってこんなに風格あったっけ?と思いながらも繊細な部分もあり、強い様でいて依存と言う形でしか存在出来ない彼が哀れで仕方がなかった

堂珍ダリ
姿勢がスッとしてたのは、ああそういうわけかと後で知るのだけど、カッコいい、メロい
そしてダリとの『不協和音』は不協どころか饗宴物でした

小林グスタフ
グスタフと言うと屈強な風体を思い出すので重ならないのですが、最初から順に追ってゆくと演技の緩急等気付く事多々ありました
ただの美少年じゃない

内田ソフィ
出てきた時より可愛くて可愛くて、そして芯が強い
歌更に上手くなった?

宮川ポピー
髭面にボンテージで姿はただの女装のオッサンですが、兎に角可愛い
こういう宮さんの一面が見れて嬉しい

フランクオリーブ
『鬼滅の刃』で堕妃を演じておられたイメージが強かったので今回は愛くるしい有頂天をありがとう

山崎マルメロ
特別な役回りというわけではない
クッション材的な役所
山崎さんだからあそこまでキャラが立ったのだろうな

倉持シラン
若い女の子に「ぶっ殺す」なんて言わせちゃ駄目と思うくらいに可愛いい女の子
似合ってもいたから今回はまぁいいか

池田リンドウ
おっとりとして天然な所もあって、でもしっかりドをナイフで刺しまくってましたね
ギャップ萌え

ドナボーイ&ドナガール
踊れる人を揃えたんだなとわかる布陣で、随所で活躍されてました
拍手物

兎に角楽しかった
心の底から来て良かったと思った
最初の私の様に戸惑っていたお嬢ちゃんがいたがカーテンコールでは元気に手バンをしててホッとした

大千秋楽において
前楽からコール&レスポンスに不満のあったドナテルロ、「あんな…」と大阪弁で不満をグスタフに泣きつく
グスタフが観客に練習をさせてから始まり、フェイントかまして「早い!」等と言い乍らも無事曲に繋がる
2度め(だったと思う)カーテンコールでは堂珍さんの挨拶のあと、松岡さんがスウィングの畑中君を呼び挨拶を促す
そしてちょっとスッタモンダありましたが、演出家の末満さんを舞台上に登場させる
ここまでは想定内の事でした
ここからが凄かった
3回目のカーテンコールで全て終わる予定が観客が拍手👏して帰ろうとしない
衣装のロープも脱いだ松岡さんはじめ出演者4度目のカテコ
またもや少年グスタフに苦情を言うドナテルロ
困るグスタフ
するとアカペラでドナテルロが〽︎キルバーンキルバーンとくちづさむ様に歌うと反応した客席が歌い出しやがて大きくなり一緒に歌う事に!
曲もかかり舞台と客席は大合唱で幕を締めました
客席をも巻き込んだ壮大な共同幻想はこうして本当に幕が閉まりました