「後の月」って知ってる?
十五夜だけじゃない!
日本ならではの「十三夜」
「お月見」と聞いて、多くの日本人がまず思い浮かべるのは、旧暦8月15日の「十五夜」、すなわち中秋の名月ではないでしょうか。その満ち足りた月の姿は、古くから人々の心を魅了し、豊穣への祈りを込めた祭りとして親しまれてきました。しかし、我が国にはもう一つ、十五夜とは趣の異なる、日本独自の美しいお月見の風習が存在します。それが「十三夜(じゅうさんや)」です。十五夜の華やかさに対し、十三夜はより静謐で、ある種の奥ゆかしい美しさを湛えています。今回は、この日本ならではの伝統行事である十三夜の魅力と、その楽しみ方について、多角的に考察していきましょう。因みに、今年は11月2日(日)でした。見逃した方は、来年は、10月23日ですのでメモしておいてくださいね。

この写真は、私が撮影したものです。カメラは、COOLPIX P1000。絞りf/5.6、シャッタースピード1/500、ISO160、焦点距離252mm(35mm換算1400mm)
十三夜って、どんなお月見?
日本生まれのお月見!
十五夜が中国から伝来した文化であるのに対し、十三夜は純粋に日本で育まれた風習であるとされています。その起源は平安時代にまで遡り、延喜19年(919年)に醍醐天皇が清涼殿にて月見の宴を催したことが始まりという説が有力です。約1100年前の宮中の雅な情景を想像すると、現代に生きる私たちもまた、この歴史の糸を手繰り寄せ、月を愛でる喜びを分かち合えることに深い感慨を覚えるでしょう。

「後の月」って呼ばれる理由
十三夜は、旧暦の9月13日の夜を指します。十五夜が旧暦8月15日ですから、その約1ヶ月後に巡ってくることになります。このことから、十五夜に次ぐ月として「後の月(のちのつき)」とも呼ばれ、古くからその美しい姿が人々に親しまれてきました。十五夜が「本月」と称されることに対し、「後の月」という呼び名には、どこか控えめながらも確固たる存在感が感じられます。
満月じゃないのがミソ!
十三夜の月は、実は満月ではありません。正確には、満月よりもわずかに欠けた状態の月です。しかし、この「満ち足りていない」状態こそが、十三夜の月が持つ独自の美意識を象徴しています。完璧な満月とは異なる、どこか儚く、また奥ゆかしさを感じさせるこの月の姿は、古来より日本人が愛してきた「未完成の美」や「欠けるものへの憧憬」という美的感覚に深く通じるものがあります。それは、移ろいゆくもの、完全ではないものの中にこそ真の美を見出す、日本文化の繊細な精神性そのものであると言えるでしょう。
栗や豆を味わう「収穫感謝祭」!
「栗名月」「豆名月」って可愛い呼び名も
十三夜は、単に月を眺めるだけでなく、秋の豊かな収穫に感謝するという意味合いが強く込められています。この時期は、ちょうど栗や豆が旬を迎える頃であるため、十三夜は「栗名月(くりめいげつ)」や「豆名月(まめめいげつ)」といった、なんとも愛らしい別名でも呼ばれています。これらの呼び名からも、この行事が食の恵みと深く結びついていたことが伺えます。
豊作への「ありがとう」を込めて
十五夜が、これからの豊作を祈願する「予祝(よしゅく)」の意味合いを強く持つ一方で、十三夜は「今年も豊かな恵みをありがとう!」と、すでに得られた収穫への感謝を伝える「報恩(ほうおん)」の日に位置づけられます。願いから感謝へと、人々の心情の移ろいを月見を通して表現する、この文化的な奥行きは、日本の精神性の豊かさを示していると言えるでしょう。自然のサイクルと共に生き、その恵みに謙虚に感謝する、日本人本来の姿がここに集約されています。
知っておきたい「二夜の月」の秘密!
「片月見」は縁起が悪い!?
お月見の風習には、ちょっとした言い伝えがあります。それは、十五夜と十三夜のどちらか片方だけしか月見をしないことを「片月見(かたつきみ)」または「片見月(かたみつき)」と呼び、昔から縁起が悪いとされてきたことです。この言い伝えは、満ちていく過程の十五夜の月と、少し欠けた状態の十三夜の月の両方を愛でることで、物事の始まりから終わりまで、あるいは生と死、完全と不完全といった二元的な価値観を統合し、より豊かな精神性を育むべし、という古人の知恵が込められているのかもしれません。せっかくですから、両方の月を愛でて、秋の風情を存分に味わってほしいものです。
「三月見」でさらに運気アップ!
さらに、十五夜と十三夜に加えて、旧暦10月10日の「十日夜(とおかんや)」も月見をすると、さらに縁起が良いとされています。十日夜は、収穫を終えた田の神様が山へ帰る日とも言われ、これもまた秋の収穫への感謝と、来年の豊作を願う意味合いが強い行事です。「二夜の月」で十分と感じる方もいるかもしれませんが、もし可能であれば「三月見」に挑戦し、秋の月にまつわる日本の奥深い文化に触れてみるのも一興でしょう。今年の十日夜は、11月29日(土)です。
■花鳥風月
「仲良し」

■お知らせ
YouTubeサイトを新たに開設しました。
「Andy Wisteriaの癒やしのMusic」です。
https://studio.youtube.com/channel/UCrN1Y06o6sSiQfkzO0WzA-A
お気に召せば、チャンネル登録をお願いします。どんどんアップしていきます。
なお、曲は全てオリジナルです。
曲を聴いた感想をメッセージでいただけると、望外の幸せです。
将棋小説「背徳の棋譜」絶賛連載中!!





私が運営する将棋ブログです。こちらもよろしくお願いします。
